2026年5月3日日曜日

レンタル・ファミリー

 
☆☆☆     HIKARI     2026年

近所にこの映画のポスターが貼ってある店があ
り、どうやら近くでロケをしたらしい。しかも
撮影監督は「火星の女王」と同じ石坂拓郎氏。
興味を持っていたところ、ちょうどよく試写会
が当たったので、九段下まで出かけて行った。

日本でエキストラの仕事をしていたアメリカ人
俳優が、「レンタル家族」で営まれた葬儀に迷
い込んだことをきっかけとしてレンタル・ファ
ミリーのビジネスに関わるようになるという話。
どこか『リップヴァンウィンクルの花嫁』を思
わせるが、展開の巧みさはあちらに数段劣る、
と私は勝手に思った。

「偽の家族」を演じる仕事をしながら、当然
「家族って、なんだろう」という問いに映画は
なっていくわけだが、主演のブレンダン・フレ
イザーはなかなか良い味出してはいるものの、
やはり展開がどこか見え透いているというか
嘘くさいというか、とってつけたようなエピ
ソードの連続である。
まあタダで観れてよかった、ぐらいの感想。

                                             2.11(水) 一ツ橋ホール




2026年4月14日火曜日

リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界

 
☆☆★★   エレン・クラス   2025年

2本立ての2本目も硬派な作品。
第2次大戦中に報道写真家として活躍した実在
の女性をケイト・ウィンスレットが演じる。
だが、こちらはどうも美術が安っぽいというか、
戦場も妙に作り物めいていて緊迫感に欠ける。
引退したのちに若い記者が訪ねてきてしぶしぶ
語り始めるというのも、使い古されている手法
というか、はっきりいって嘘くさい。
物語に入り込めないまま終了。

                                                2.1(日) 早稲田松竹



2026年4月12日日曜日

アイム・スティル・ヒア

 
☆☆☆★★  ウォルター・サレス  2025年

こういう表現が適当かは分からないが、
骨格のどっしりした、良い映画だった。

軍事独裁政権下のブラジル。1971年の
リオデジャネイロが舞台、とのこと。
こんな時代に生まれなくてよかった…
と思うような時代ですね。
理不尽な当局による拘束、そして拷問
により夫を亡くした妻(フェルナンダ・
トーレス)と5人の子どもたちが、いか
にして生き抜いたか。その人生の重み
にふさわしい映画の描き方という感じ
があるので、良い映画だと思ったのか
もしれない。
ウォルター・サレスは『モーターサイ
クル・ダイアリーズ』も良かったです
ね。

                                         2.1(日) 早稲田松竹



2026年3月17日火曜日

【LIVE!】 THE BACK HORN

 
 マニアックヘブン Vol.17

 1. 世界を撃て
 2. 鎖
 3. サーカス
 4. 天国への翼
 5. ハッピーエンドに憧れて
 6. ディナー
 7. 再生
 8. フラッシュバック
 9. 星降る夜のビート
10. 白い日記帳
11. ソーダ水の泡沫
12. 世界の果てで
13. 砂の旅人
14. フロイデ
15. 警鐘
16. 儚き獣たち
17. イカロスの空

(Encore)
 1. 天気予報
 2. 旅人
 3. さらば、あの日

                    1.25(日) 川崎CLUB CITTA'

最近年始が多くなってきたマニアックヘブン。
2年連続の川崎ということで、遠いので若干
行きたくないが、まあしょうがない。

サーカス~天国への翼~ハッピーエンドに憧
れて~ディナー
という並びはファンにはまさに垂涎なのだが、
知らないひとにはなんのこっちゃだろう。毎
年同じようなことを書いている。

この「天国への翼」をもって、1曲残らずす
べての曲を演奏したことになるらしい。私は
すべての曲を聴いたのだろうか…? 北海道
に居た間はマニアックヘブンに行けていない
ので、分からない。

今回はツアーの初日ということで、練習不足
が目立った。なのに難しいはずの「星降る夜
のビート」は完璧だったので集中的に練習し
たのだろうか。

ベストアクトは「サーカス」。

2026年3月8日日曜日

侍タイムスリッパー

 
☆☆☆★  2024年
監督・脚本・撮影・照明・編集  安田淳一

命がけの死闘をしていた会津藩士が雷に打た
れて現代の京都の撮影所にタイムスリップし、
やがて時代劇の切られ役になるという話だが、
たしかにロングヒットしているだけあって小
気味いいリズムとユーモアを湛えた佳作であ
る。
主役の山口馬木也がすばらしい。方言指導も
いなかったと聞くが、自己流の会津弁が効い
ていて、朴訥とした人柄が笑いを誘う。
文字通りの「真剣勝負」の場面は、それまで
の低予算感が嘘のように本格的な撮影と芝居
で緊張感を演出していて、ここぞという所に
予算をかけることは大事だな、と改めて感じ
る。

                                                     1.20(火) 日テレ



2026年2月11日水曜日

宝島


☆☆☆    大友啓史   2025年

今年の映画初めは昨年の見逃し映画。

沖縄の戦後史を「壮大なスケールで」しかも
「3時間の長尺で」描くということ自体に興
味があった。しかも宝探しでもするかのよう
な題名で、いったいどんな映画なんだろうか。

映画は米軍基地に忍び込んで食料品や燃料を
盗み、市井の貧しい人々に分け与える若者た
ち「戦果アギヤー」の場面から始まる。その
中心人物であったオン(永山瑛太)が作戦失
敗と同時に失踪したことで、妻夫木聡たち友
人や恋人だった広瀬すずがオンを探し続ける
ことが映画の縦軸となっている。
1946年から始まり、1972年の沖縄返還に向け
てどんどん年月が経っていくのだが、沖縄と
アメリカ、そして内地との複雑な力学から発
生する悲惨な事件が横軸となって主人公たち
の人生をつらぬく。
「コザ暴動」が映像化されたのは初めて見た。
かなりの人数のエキストラを動員してこの場
面を撮ったという点で、この映画は歴史的価
値があるかもしれない。

しかしながら話が分かりにくいことこの上な
い。若者たちが似ていて、誰が誰だか分から
なくなるのも一因。そして沖縄ことばをしっ
かりと取り入れているのは好感をもつが、感
情の入った要所の芝居ほど聞き取れない…。
頼みの広瀬すずも、なんだかあまり必然性を
感じない役柄であった。

                                             1.12(月) 早稲田松竹




2026年1月10日土曜日

2025年 ベスト

 
本年もよろしくお願いします。
ほそぼそと続けていきます。

<2025年>
鑑賞本数は24本。
うち2025年公開作17本、旧作はけっこう増え
て7本。旧作も含めて、ほぼすべてを映画館で
観た。この少ない本数でも☆☆☆★★★の高
評価をつけた映画が7本もあった。2024年公
開の『至福のレストラン 三ツ星 トロワグロ』
を含めると8本。打率のよさから言っても、
豊作の年だったと言えるだろう。
その7本には優劣を付ける手間をかけるより、
すべてを並列で扱って賞賛するほうが生産的
だろうと思い、7本ともベストということに
したい。

『敵』(吉田大八)
筒井康隆の短篇が原作。未読。
長塚京三の「老醜」をも厭わない、それでい
て気品のある演技が出色である。
淡々とした日常を折り目正しく生きている…
と思わせて実は妄想が現実をひたひたと侵し
はじめ、瀧内公美と河合優実により掻き立て
られる老人の性欲…。この2人なら仕方ないか。


『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(大九明子)
ジャルジャル福徳秀介の小説が原作。未読。
別にモテないわけでもないが交際には至らな
い大学生の生態の現代版という感じ。
ミューズとしての河合優実がすばらしいが、
伊東蒼の完璧な長台詞にも脱帽である。
映画的な「仕掛け」に満ちていて、観ていて
実に楽しかった。


『国宝』(李相日)
吉田修一の長篇が原作。小説は既に楽しんだ。
「一緒に食事している時の『歌舞伎の映画を
撮ってみたいと思っている』という李の言葉
が吉田を触発して『国宝』が書かれた」とい
うのだから、吉田修一と李相日の関係という
のは通常の小説家と映画監督の関係とは異な
るようだ。ただこれまでの3作にわたる映画
化の中でも最良の結果が『国宝』で結実した
のは間違いないと思われる。この映画を観て
吉沢亮、横浜流星に敬意を抱かないひとは稀
であろう。そしてここでも瀧内公美が終盤の
おいしい役どころ。


『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』
(ジェームズ・マンゴールド)
イライジャ・ウォルド『Dylan Goes
Electric!』が原作。
よくあるミュージシャンの伝記映画と言えな
くもないが、ボブ・ディランといういつまで
も正体が謎のままの男の、ごく若い時だけに
焦点を絞ったのが奏功したか。
ティモシー・シャラメの「なりきり」も見事
だし、エドワード・ノートンの助演がまたす
ばらしい。


『秒速5センチメートル』(奥山由之)
新海誠のアニメーションが原作。観ていない。
おそらく7本の中で映画好きからの評価は最
も低いだろうと思うが、私は心がざわざわす
るのを感じたというか、単純に良い映画だと
思った。音楽の使い方も見事である。


『旅と日々』(三宅唱)
つげ義春の短篇2本が原作。たぶん読んだ。
河合優実を主役とした前半の夏パートと、
シム・ウンギョンを主役とした冬パート。
どちらも甲乙つけがたいすばらしさ。余白
の多いつげ義春のマンガと映画は相性がい
いような気がするが、かなり悩みながらの
制作だったらしい。


『ワン・バトル・アフター・アナザー』
(ポール・トーマス・アンダーソン)
トマス・ピンチョン『ヴァインランド』に
"inspired"、とのこと。未読。
おもしろさの衝撃という点では本作がいち
ばんであった。革命を企む活動家たちと、
それを追いつめる軍人という使い古された
ような容れ物に、これほど刺激的で充実し
た内容を注入できるとは驚くほかない。
ディカプリオとショーン・ペン、そこにほ
ぼ新人に近いチェイス・インフィニティが
加わり、化学反応が起こっている。そして
毎度のことながらサントラが欲しくなるほ
ど音楽が魅力的。ポール・トーマス・アン
ダーソン万歳である。

今年も良い映画に出会えますように。

2025年12月30日火曜日

星と月は天の穴

 
☆☆☆★★  荒井晴彦   2025年

今年の映画納め。
吉行淳之介の短篇を荒井晴彦が映画化して
いるが、よくあるパターンで主人公は吉行
を思わせる作家(綾野剛)、そしてのちに
「星と月は天の穴」と名付けられる小説を
執筆中である。そうしながらひっきりなし
に煙草を吸い、また小説を書いては窓の外
の公園のブランコを眺めている。

綾野剛の低いモノローグ。そしてユーモア。
脚本家の映画だなと思うのは、荒井晴彦の
映画はいつもテンポがいい。無駄を削ぎ落
しているからだろう。今回も「このカット
はちょっと長いな」と思うと、必ず理由が
あって納得させられる。

                           12.29(月) シネリーヴル池袋













みなさんよいお年を。

2025年12月29日月曜日

ワン・バトル・アフター・アナザー

 
☆☆☆★★★  ポール・トーマス・アンダーソン  2025年

いろいろと忙しさにかまけて前作『リコ
リス・ピザ』を見逃したままとなってい
るPTA。その前の『ファントム・スレッ
ド』がダニエル・デイ=ルイスの引退作
という気合は感じるものの、いまひとつ
だったこともあり、本作もひとまず放置
されていた。しかし、さきに観たひとの
「おもしろかった!」の熱量がみんな本
気だったため、ただならぬものを感じて
映画館へ。

そして、私も本気で言うのだが、めちゃ
くちゃおもしろいです。3時間ほどの上
映時間、ずっとおもしろい。
ディカプリオ、人柄がにじみ出る(いい
意味で)芝居をしますよね。ベニチオ・
デル・トロ、レジスタンスの指導者で、
空手教室の師範、シブいです。ショーン
・ペン、ド変態のレイシスト軍人をこん
なに活き活きと演じてくれるんですね…
すっかりファンになりました。愛すべき
映画がまたひとつ増えた。

                               11.27(木) キノシネマ新宿




2025年12月28日日曜日

旅と日々

 
☆☆☆★★★   三宅唱  2025年

昔読んだような気がするつげ義春の「海辺
の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作
とした89分という短めの新作。しかし中身
が濃いというか、淡々とした展開の中にも
忘れがたいショットがいくつもある。
車の中で女が目を覚ますという冒頭のカッ
トから始まり、話しているうちに日が暮れ
てきて最後は暗くてほとんど見えない2S、
俳優が海に飲まれるのではないかと心配に
なる雨の海水浴(もちろん雨は降らせてい
るそうだ)、河合優実のまぶしい水着…。
場面は一転、シム・ウンギョンが雪国をさ
まよい、古民家の宿にたどり着く。「何も
することがない」という時間が、あれほど
見事に表現された例を私はあまり知らない。
そこから引き起こされる珍奇な事件。
前作『夜明けのすべて』に刮目させられた
が、本作もお見事であった。

     11.11(火) ヒューマントラストシネマ渋谷



2025年12月27日土曜日

【LIVE!】THE BACK HORN w/SHE'S


 「KYO-MEI対バンツアー」
  〜共鳴破天の夜〜 其の二

 1. 雷電
 2. ブラックホールバースデイ
 3. ひょうひょうと
 4. 透明人間
 5. 罠
 6. 泣いている人
 7. ヒガンバナ
 8. 運命複雑骨折
 9. コバルトブルー
10. 太陽の花

(Encore)
 1. 刃
 2. 無限の荒野

             11.3(月) 渋谷CLUB QUATTRO

だいぶ前だが、結局この公演がライブ納め
となった。なぜか去年は行かなかった全国
のQUATTROだけの対バンツアー。
渋谷は事務所の後輩バンドSHE'Sと。
「バックホーンがいるから今の事務所にした」
というぐらいで、意外にもけっこう慕われ
ているようだ。
当日何曲か予習していったが、特に印象に
残る曲はなし。もう全部忘れてしまった。

バックホーンは"雷電"での始まりから全身
が総毛だつような感じ。"泣いている人"を
除けば満足のセットリスト。
ベストアクトは"雷電"。

2025年12月17日水曜日

秒速5センチメートル

 
☆☆☆★★★    奥山由之   2025年

新海誠版は観ていないので、ただの新作映画
として観たわけだが、いったいぜんたい、ど
うしてこんな良い映画が写真家の奥山由之に
撮れてしまうのか、納得いかない思いで鑑賞。

少年時代のまっすぐな想いに胸を打たれ(白
山乃愛ちゃんが可愛い)、高校時代の森七菜
のいじらしさに身悶えし、約束の場所に高畑
充希が来るのか来ないのかちゃんとドキドキ
するという、実に正統的にこの映画を楽しん
でしまった…。そしてすぐにもう一度観たい
とか思ってしまった上に、バンプの「銀河鉄
道」を毎晩のように聴いてしまう。悔しいぜ。

                       10.15(水) TOHOシネマズ池袋




2025年12月14日日曜日

ザ・ザ・コルダのフェニキア計画

 
☆☆☆★  ウェス・アンダーソン 2025年

すごいよ、たしかにすごいんだが…。
相変わらずの情報の洪水と、こちらに必要な
知識が不足していることへの不甲斐なさが募
る100分。なので「なんだかよく分からない」
ので、感想を述べるのも難しい。

今回はベニチオ・デル・トロが、6度の暗殺
未遂を生き延びたヨーロッパの大富豪ザ・ザ・
コルダとして主演している。良い役者になり
ましたね…。
ザ・ザの旅に同行する家庭教師を演じたマイ
ケル・セラという役者が出色であった。

                       10.1(水) ホワイトシネクイント



2025年12月11日木曜日

遠い山なみの光

 
☆☆☆    石川慶   2025年

ちょっと地味ですかね。
演出にもどうもキレが感じられない。
原作はけっこうミステリ風だったと思うので
(そしてもっとずっと面白かった)、謎と違和
感が解消される瞬間を際立たせる努力をして
ほしかった。
そして最後に路面電車から目撃するのは吉田
羊じゃないだろ! ここは二階堂ふみじゃな
いのか、と思った。

                                    10.1(水) シネクイント




2025年12月6日土曜日

ハッピーアワー


☆☆☆☆   濱口竜介   2015年

ついに観た、5時間17分。
13時に映画館に入って、1本の映画を観て
外に出たのは19時半でした(途中休憩が
2回ある)。
そして観ていないひとには信じられない
ことだと思いますが、映画が終わった時
「え、もう終わり?」と思ったのは、こ
れ噓いつわりのないことでございます。
そういう不思議な映画でした。
退屈なんて思う暇はまったくない、いつ
までも観ていたいような感覚。
神戸を舞台にした、4人の女性の友情を
めぐる物語なのだが、これは『ドライ
ブ・マイ・カー』とも『悪は存在しない』
ともまったく異なる映画である。強いて
言えば『偶然と想像』が近しいものを感
じさせるかもしれない。

                                      9.15(日) 新文芸坐



2025年11月29日土曜日

至福のレストラン 三ツ星 トロワグロ

 
☆☆☆★★★ フレデリック・ワイズマン  2024年

豊かな240分であった。
親子3代でミシュランの三つ星を55年も獲得
し続けるレストランの厨房、客席にとどまら
ず、食材の買いつけやメニュー考案の瞬間に
至るまで、徹底的にカメラを向ける。
ナレーションも、音楽も、インタビューすら
も無いドキュメンタリーだが、その分いろい
ろな登場人物の人柄そのものが写し出される
ようだ。

                                       8.13(水) 早稲田松竹




2025年11月23日日曜日

パウ・パトロール パウ・パーティー in シアター 2025

 
まあいちおうお金を払って映画館で観たので、
ここに記しておく。

                           7.30(水) シネリーヴル池袋



2025年11月8日土曜日

名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN

 
☆☆☆★★★  ジェームズ・マンゴールド  2025年

ボブ・ディランの伝記映画。
ギター1本抱えて田舎から出てきてデビューを果
たし、エレクトリック化してフォーク界と訣別
するまでを描いている。
ティモシー・シャラメは相当ディランを研究し
たと見えて、見事ななりきりっぷり。パーティ
ーで嫌々ながらサラッと歌ってみせるところな
ど、非常にうまい。
ディランに多大な影響を与えた伝説的フォーク
歌手ピート・シーガーを演じるのはエドワード・
ノートン。あの「ファイト・クラブ」のエドワ
ード・ノートンがまるで時代遅れのフォークじ
いさんのような役を演じているのが、「そりゃ
俺も年をとるはずだよ」という感じだが、これ
が名演。自らが招き入れた才能によって、伝統
的なフォーク・フェスティバルが破壊されてい
るという彼の葛藤は充分に伝わってくる。
ティモシー・シャラメによるディランの歌を聴
くだけでも一見の価値がある映画である。

                                         7.20(日) 早稲田松竹



2025年10月23日木曜日

ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた


☆☆☆   ビル・ポーラッド   2022年

兄弟バンドが牧場の片隅に建てたスタジオで
録った1枚きりのアルバムが、30年後に突如
"再評価"され、ヒットする。天才肌の弟と、
人はいいが音楽的な才能はない兄。リバイバ
ル・ヒットの勢いでアメリカ・ツアーをしよ
うという話が持ち上がり…あとはだいたい、
ご想像の通り。
兄弟の確執と和解がいくぶんわざとらしく、
妻役のズーイー・デシャネルもいまひとつ
輝いてこない。
実話をもとにしているので、ほんとにリバ
イバル・ヒットした曲が演奏されているら
しいのだが、それはたしかに良い曲だった。

                                 7.20(日) 早稲田松竹



2025年10月16日木曜日

はじまりのうた


☆☆☆★  ジョン・カーニー  2015年

落ち目の音楽プロデューサーが才能のある
女の子を見出し、売り出していくという話
で、ありきたりではあるのだが、「街なか
で録音する」という行為は確かに良い効果
を生むアイディアかもしれないと思った。
あんな簡単な機材では無理だと思うが…。

                                        7.17(木) シネクイント