この線路を降りたら
映画について私が知っている二、三の事柄
2026年6月13日土曜日
2026年6月7日日曜日
石炭の値打ち
☆☆☆★★ ケン・ローチ 1977年
ケン・ローチの60年近くにわたるキャリア
の初期作品のリバイバル上映。傑作である
という評判を聞きつけて駆け付ける。
イギリスの典型的な炭鉱を舞台にしながら、
ドキュメンタリーとフィクションの境を分
からなくした巧みな構成は、まだ若い監督
とは思えないさすがの手際。
第1部「炭鉱の人々(Meet the People)」
イギリス皇太子の視察訪問が決まり、その
準備に右往左往、些細なことにも一喜一憂
する炭鉱のお偉いさん。それに振り回され
る労働者と子どもたち。コメディである。
第2部「現実との直面(Back to Reality)」
一転して、炭鉱の危機管理と人権意識の薄
さを告発する落盤事故を描いた悲劇。細か
いカット割があることでフィクションであ
ることを意識させられるが、本物の炭鉱で
撮影された映像は息詰まる迫真のもの。
4.5(日) 早稲田松竹
2026年5月30日土曜日
愚か者の身分
☆☆☆★★ 永田琴 2025年
対してこちらは西尾潤という知らない原作者、
北村匠海というどうでもいい主演、永田琴とい
う聞いたこともない監督でありながら、しっか
りした出来の「闇ビジネスもの」の秀作であっ
た。
寄る辺ない若者たちが半グレから本格的なヤク
ザの世界に足を踏み入れる(そして取り返しの
つかないことになる)という点では『ヤクザと
家族 The Family』と共通するが、あちらより
出来がいいと思う。
こうしている間にも「ラクに稼げる」というだ
けの理由で「闇落ち」していく若者がひとりま
た一人と増えていっているのはニュースの伝え
るところである。本作に出てくる林裕太のよう
に、一日肉体労働をしても、ほとんど手元に残
らないのでは、たとえ危ない匂いのする仕事で
あっても、ここからどうにかして抜け出したい
と思うのは当然である。斎藤幸平じゃないけど
資本主義が悪いのか…。
3.31(月) 目黒シネマ
2026年5月27日水曜日
2026年5月24日日曜日
【LIVE!】森山直太朗
森山直太朗 Two jobs tour 2025〜26『あの世でね』
〜「弓弦葉」と「Yeeeehaaaaw!」〜
1. Opening song (short ver.)
2. Banquet!
3. High-five
4. Yeeeehaaaaw!
5. 君のスゴさを君は知らない
6. すぐそこにNEW DAYS
7. 愛し君へ
8. することないから
9. 赤い鳥
10. 風唄
11. 夏の終わり
12. さりとて商店街
13. 糧
14. Nonstop Rollin' DOSA
15. あの世でね
16. 僕らは死んでゆくのだけれど
<Encore>
1. あの海に架かる虹を君は見たか
2. バイバイ
3. どこもかしこも駐車場
4. 生きてることが辛いなら
3.25(水) 昭和女子大学 人見記念講堂
昨年10月に2枚の対照的なアルバムを出し、
それぞれのアルバムに対応した趣の異なる
日替わりライブでツアーを行なっている森
山直太朗。ここにきて創作意欲が爆発して
いるようである。新型コロナで生死の境を
さまよったことも影響しているのだろうか。
この公演は「Yeeeehaaaaw!」の方で、に
ぎにぎしいチンドン屋風情が若干騒がしい
カントリーというかブルーグラスというの
か、そういうライブであった。
新曲はすべて好きかと問われるとそういう
わけでもないが、「バイバイ」のようにキ
ラリと光る曲もある。
ベストアクトはというと、結局のところ
印象が深かったのは「することないから」
「僕らは死んでゆくのだけれど」の暗い
2曲。今回は「することないから」にしよ
う。自堕落な歌詞の世界が秀逸。
2026年5月16日土曜日
【LIVE!】 清水ミチコ
清水ミチコのHAPPY PARADISE
(セットリストは省略)
3.1(日) NHKホール
すばらしいライブだった…。
冒頭の「小池百合子と高市早苗の対談」
VTRから爆笑に次ぐ爆笑。
そしてピアノと歌のうまさ。松田聖子
の歌がどんどん遅れて行って、1フレー
ズ分遅れた時点でそのまましれっと追
いつくというネタが見事だった。
2026年5月9日土曜日
Eno
☆☆☆ ゲイリー・ハストウィット 2025年
ブライアン・イーノへの関心を持ち続けて
いる者として、この映画は公開時から観た
いと思っていた。
まずどんな映画なのか想像もつかなかった。
なにせ「自動生成システム「Brain One」
を導入。イーノ本人への長時間にわたるイ
ンタビューや500時間を超える貴重なアー
カイブ映像を組み合わせ、鑑賞するたび
に構成や内容が変化する革新的な映画体
験を実現させた」という謳い文句からし
てすごい。鑑賞するたびに構成や内容が
変化する! 想像がつかない。
さて、期待は高まっていたが、ふたを開け
てみると、インタビューと過去映像が繰り
返されるだけ、かな…。この順番がきっと
再生されるたびに変わっているのだろう。
けど、変わったからといってどうってこと
ないような気がする…。
ただインタビュー内容はとても興味深い。
様々な顔を持つブライアン・イーノだが、
やはり数々の名盤にプロデューサーとし
て名を刻んできただけあって、独特のプ
ロデュース手法の話がおもしろかった。
イーノのプロデュースは別に楽器を弾く
わけでもなく、多額の予算を取ってきて
ミュージシャンに最高のスタジオを用意
するわけでもない。
ミュージシャンが生み出す楽曲について
徹底的に対話し、「あるべき方向性を示
す」というのがイーノのプロデュースな
のである。哲学者のようだ、と思ったの
は私だけではないはず。
2.22(日) 新文芸坐
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