2026年9月23日水曜日

世界地図


☆☆☆    岩井俊二   2025年

「好奇心」をテーマにコクヨ公式チャンネル
で公開されている短篇映画。
中国の地方都市(?)を舞台に、小学生の男
の子と女の子の微かな心のふれあいのような
ものが写し取られている。女の子が家からい
なくなってしまうまでは、あんまり岩井俊二
らしさが感じられなかったが、それ以降は
「らしさ」が存分に発揮されていたように思
う。楽しめた。

                                     8.26(水) YouTube




2026年9月19日土曜日

ハッシュ!

 
☆☆☆★   橋口亮輔    2002年

ゲイカップルと一人の女性の物語。
高橋和也と田辺誠一、いろいろありがなが
らも平穏に付き合っていた二人だが、ある
日蕎麦屋で会った"変な女"こと片岡礼子か
ら突然、子どもを作って3人で育てて行か
ないかという突拍子もない提案をされる。
今でこそめちゃくちゃ奇異にも感じられな
いが、2002年当時は、かなり異色の映画で
あったろう。その先駆性もさることながら、
物語上ことさらにゲイカルチャーを強調す
るのではなく、あくまで「家族の形の可能
性」のひとつとして日常の中でこの3人を
描こうとしている点にも、橋口監督の冷静
な視線を感じられる。

田辺誠一をストーキングする同僚役のつぐ
みの怪演がなんともうれしい。『月光の囁
き』に出たばかりの頃らしい。
主題歌の"Hush little baby"も小気味いい。

                                    8.20(木) テアトル梅田




2026年9月16日水曜日

マイ・プライベート・アイダホ

 
☆☆☆  ガス・ヴァン・サント  1991年

デジタルリマスター版を鑑賞。
「ガス・バン・サント監督がキャリア初期に手
がけ、リバー・フェニックスとキアヌ・リーブ
スの共演が話題を呼んだ青春ロードムービー」
ということでほうほうと興味を惹かれて梅田ま
で出てきたわけだが、短くいうとなんとも消化
不良な映画であった。

ナルコレプシーを抱えた男娼役のリバー・フェ
ニックス。ホアキン・フェニックスのお兄さん
であり、23歳という若さで死去したそれはもう
伝説的な俳優である。非常にかっこいいのであ
るが、ナルコレプシーっていう設定…要る?
話を進めるうえでの制作側の都合のように思え
てしまったが。
ちなみに、シェイクスピアの戯曲『ヘンリー四
世』『ヘンリー五世』に着想を得ているとのこ
と。読んでないのでどのへんが、とかは分から
ないが…。

                                       8.20(木) テアトル梅田




2026年9月13日日曜日

ぐるりのこと。

 
☆☆☆★★★   橋口亮輔  2008年

4Kリマスター版で鑑賞。
木村多江とリリー・フランキーが夫婦役という
のは意外なようでありながら、ふたりの間に流
れている空気、過ごしてきた時間までもが垣間
見えるような演出のすばらしさで、すっかりほ
んとの夫婦のように見えてくる。

夫婦ははじめての子どもの死という出来事に深
い衝撃を受け、妻は鬱状態に陥っていく。深み
に沈み込んでいくような夫婦と、当時の社会的
事件(池田小、宮崎勤、オウムなど)の刑事裁
判とを往復しながら進んでいくにあたって、法
廷画家という主人公の職業が選ばれたのであろ
う。しかし取ってつけたよう感じはしない。
その前段やサブキャラクターをしっかりと描い
ているからで、これもまた監督の手腕というべ
きだろう。傑作である。

                                          8.9(日) テアトル梅田




2026年9月10日木曜日

【LIVE!】 THE BACK HORN

 
 「KYO-MEIワンマンツアー」~爆音灼熱浄土~

 1. 野生の太陽
 2. 孤独を繋いで
 3. ビリーバーズ
 4. 幸福な亡骸
 5. ユートピア
 6. 閉ざされた世界
 7. 修羅場
 8. 戯言
 9. コワレモノ
10. いつものドアを
11. I believe
12. 輪郭
13. 夏の残像
14. 初めての呼吸で
15.  刹那と悪天
16. 魂のアリバイ
17. 蛍
18. コバルトブルー
19. 太陽の花

Encore
 1. 刃
 2. 導火線

                       8.1(土) 神戸ハーバースタジオ

住む場所が変わったので、これからは関西圏
のライブに足を運ぶことになる。
神戸のライブハウスはもちろん初めて。
バックホーンもここでやるのは初とのこと。

「爆音灼熱浄土」と銘打たれたツアーで、夏
の曲が多い選曲である。同じ試みは何年か前
のツアーでもやっていたが、聴くのはその時
以来という曲も多い。バンドも真夏のツアー
の熱気に手ごたえを感じたようである。

しかし白眉というか、待ちに待った瞬間とい
うか、このツアーは個人的には"初めての呼吸
で"を17年ぐらいぶりにやったツアーとして記
憶されることになろう。この曲のイントロは
ベースソロから始まるのだが、聴いた瞬間は
大げさでなく胸が震えた。この一見素っ気な
いように見えて素晴らしい曲を、どうしてツ
アーでもマニアックヘブンでもやらないのか、
私は不思議でならないのである。
17年ぶりに聴いた"初めての呼吸で"は、やは
り素晴らしかった。もちろんベストアクトで
ある。

2026年9月8日火曜日

ヌーヴェルヴァーグ

 
☆☆☆★★  リチャード・リンクレイター 2026年

『勝手にしやがれ』の制作過程を描いた
痛快作(と呼びたい)。
撮影時、ゴダールがジーン・セバーグか
ら呆れられていたのはたぶん事実だろう。
撮影日程よりも「気分」を優先するゴダ
ールにプロデューサーが憤っていたとい
うのもいかにも有りそうなことだ。
しかし決して自分を曲げずに、シニシズ
ムとペダントリー、そして映画への純然
たる愛にひたすら耽るゴダールの姿に、
思わず喝采を送りたくなるのである。

                7.24(金) ヒューマントラストシネマ渋谷




2026年9月3日木曜日

トイ・ストーリー5

 
☆☆☆  アンドリュー・スタントン 2026年

1~4を横目で飛ばし飛ばししか観ていない
ので、シリーズの大きな流れの中で評価す
ることはできかねるが、近年のおもちゃ市
場の変化を受けてすかさずパッドのキャラ
クターを出してくるところが、さすがに秀
抜であるとは思う。
ストーリーとしては、まあ普通か。
とりたててよく出来てるとか、意表を突か
れたところはなかったような気がする。
バズの指ではリリーパッドが反応しないの
で、飼われてるトカゲの指を借りて操作し
ている場面はおもしろかった。

                              7.20(月)TOHOシネマズ池袋