☆☆☆★ 是枝裕和 2026年
「ちょっと先の未来」の設定で、不慮のできご
とにより亡くした息子のクローン的な"ヒュー
マノイド"を家族に迎えた夫婦を描く。
近年のAIの発達ぶりを思うと、2~3年後には
実用化されているかもしれないという予感に
背筋が寒くなるが、最初は気味が悪いと思っ
てもしだいに前のめりになっていく綾瀬はる
かと、後ろ向きで懐疑的な大悟という対比が
想像以上に効果をあげていて、話に引き込ま
れた。
展開はあいかわらず是枝さんお得意の、登場人
物はみんな悩みながらも精一杯にやれることを
やっているが、歯車がうまく嚙み合わないとい
う、やるせない感じ。夫婦間の深まった溝は、
溢れた感情を正直にぶつけ合うことで「違いを
認め合う」という最近よくある収まり方に落ち
着く…と思いきや、近所のヒューマノイド達が
野良猫会議のように空き家に集まって独立国を
作ろうとしているという、村上龍も真っ青の意
外にぶっ飛んだ展開が待っている。是枝さんな
りに小さくまとまらないように考えたのかな、
などと思ってしまった。
6.8(月) TOHOシネマズ新宿



