2026年6月7日日曜日

石炭の値打ち

 
☆☆☆★★  ケン・ローチ  1977年

ケン・ローチの60年近くにわたるキャリア
の初期作品のリバイバル上映。傑作である
という評判を聞きつけて駆け付ける。

イギリスの典型的な炭鉱を舞台にしながら、
ドキュメンタリーとフィクションの境を分
からなくした巧みな構成は、まだ若い監督
とは思えないさすがの手際。

第1部「炭鉱の人々(Meet the People)」
イギリス皇太子の視察訪問が決まり、その
準備に右往左往、些細なことにも一喜一憂
する炭鉱のお偉いさん。それに振り回され
る労働者と子どもたち。コメディである。

第2部「現実との直面(Back to Reality)」
一転して、炭鉱の危機管理と人権意識の薄
さを告発する落盤事故を描いた悲劇。細か
いカット割があることでフィクションであ
ることを意識させられるが、本物の炭鉱で
撮影された映像は息詰まる迫真のもの。

                                    4.5(日) 早稲田松竹