2026年8月31日月曜日

黒牢城

 
☆☆☆★★    黒沢清    2026年

信長に謀反を起こした荒木村重。苦境の中、
どのように自分と家臣たちが生き延びられる
か、中間管理職のような戦国武将を演じるの
は本木雅弘である。織田軍に囲まれ、籠城し
ている城内ではさまざまな事件が起こるが、
使者として交渉しにきた黒田官兵衛(菅田将
暉)を地下牢に閉じ込めたことで、謎解きと
頭脳戦の幕が開く…。

時代劇のミステリというのが少し流行りつつ
あるのだろうか。『木挽町のあだ討ち』もなか
なか好評だったと聞く。
地下牢で鎖につながれた男が謎を解くという
ことで、もちろん『羊たちの沈黙』がベース
にあるのだろう。ほかにも『蛇の道』『スパ
イの妻』を思わせる描写があり、純粋なミス
テリ的謎解きを求めていたひとがどう思った
かは知らないが、わたしはウキウキと心弾ま
せながら鑑賞できた。意外にユーモアも多め
で、黒沢清の自在な演出を堪能。吉高由里子
は黒沢清の映画には初出演か。これも意外。

『永い言い訳』撮影時の西川美和によるエッ
セイに出てくる本木雅弘は、演技に対して熟
慮と迷いを重ねまくるタイプで、割り切りが
早く撮影もだいたいワンテイクで終えるとい
う黒沢清と相性が合ったのかどうかは気にか
かるところである。ずっと悩み続けている役
柄だったから、かえってよかったのかもしれ
ないが。

                         7.15(水)TOHOシネマズ池袋




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