☆☆☆ オリバー・ストーン 1994年
名作、と言われるけど私はいまひとつ肌に合わなかった「俺たちに
明日はない」を、より残酷に、よりサイケデリックに、より大げさにし
た上でそれを一度ズタズタに切り刻み、色んな映像を混ぜ合わせ
てぐちゃぐちゃのまま仕上げたような作品。自分はどうも、カップル
が道行く人を殺しながら逃避行するのがカッコいいと思えず、全然
ノレなかった。刑務所に入ってから、ちょっと面白くなってきたと思っ
たが、インチキタレントのインタビューのくだりが始まると、もうダメ
だった。サブリミナル的にインサートされる各種のイメージも、なん
だかだんだんうるさくなってくる。
脚本にタランティーノ先生が参加していて、なるほどそれっぽい話
だが、先生の監督作には到底及ばず。観ている最中から、「レザ
ボア・ドッグス」が観たくなって困った。
9.10(金) Blu-ray
2010年9月14日火曜日
2010年9月11日土曜日
夏の朝の成層圏
池澤夏樹 著 中公文庫
池澤夏樹のデビュー作、とのこと。
実はよく知らないまま、同期が貸してくれたので読んだ。
独り暮らしにしては立派な5段組の彼の本棚を前に、「何か貸せ」と言っ
たら、池澤夏樹を偏愛する彼が(たぶんテキトーに)これを選んだ。
マグロ漁船を取材中に船から落ちた新聞記者が、無人島に流れ着いて、
そのへんの椰子の実とかバナナとかでひとまず生活する、という話で、
現代の文明社会に生きるわれわれが一度はやってみたい(ですよね?)
生活が描かれる。文明から隔絶された所で生活してみたい、という漠然
とした憧れを刺激されて、読んでいて楽しかった。厄介な虫とか猛獣も
居ない南の島ということなので、なおさらである。
会話する相手がいないため、地の文がずーっと続くが、なかなか文章が
巧い。デビュー作にして、たいしたものだと思う。
芥川賞をとった「スティル・ライフ」より面白いんじゃないかと思った。
池澤夏樹のデビュー作、とのこと。
実はよく知らないまま、同期が貸してくれたので読んだ。
独り暮らしにしては立派な5段組の彼の本棚を前に、「何か貸せ」と言っ
たら、池澤夏樹を偏愛する彼が(たぶんテキトーに)これを選んだ。
マグロ漁船を取材中に船から落ちた新聞記者が、無人島に流れ着いて、
そのへんの椰子の実とかバナナとかでひとまず生活する、という話で、
現代の文明社会に生きるわれわれが一度はやってみたい(ですよね?)
生活が描かれる。文明から隔絶された所で生活してみたい、という漠然
とした憧れを刺激されて、読んでいて楽しかった。厄介な虫とか猛獣も
居ない南の島ということなので、なおさらである。
会話する相手がいないため、地の文がずーっと続くが、なかなか文章が
巧い。デビュー作にして、たいしたものだと思う。
芥川賞をとった「スティル・ライフ」より面白いんじゃないかと思った。
【業務連絡①】
本については、採点はしないことにする。
小説やら評論の採点をするのは難しいし、なんとなく嫌だというのもあ
る。『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』と『1Q84』のどれが一番
高得点ですか、と言われても、とてもじゃないが私には決めかねる。
それに本の場合「最後まで読んだ」ことが「ある程度おもしろかった」
ことを保証している、というのも理由のひとつ。
つまらなくても2時間で勝手に終わる映画と違って、本は読むのにはる
かに時間がかかる上に、内容を頭に入れながら、ページをめくって自分
で先に進めていかなくてはならない。そのぶん、途中で投げ出しやすい
メディアであると考える。読みながら「これつまんねーなー」と思ったわけ
でもないのに、ふっと気付くと「あれまだ途中だったのに、しばらく読んで
ねーな」ということがたまにある。無意識に投げ出しているのである。
そういう場合はブログには上がってこないので、ここに上がった本はまあ
まあ面白かったんだなと思っていただいて構わない。めちゃくちゃおもし
ろかった場合は、そう書く。
小説やら評論の採点をするのは難しいし、なんとなく嫌だというのもあ
る。『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』と『1Q84』のどれが一番
高得点ですか、と言われても、とてもじゃないが私には決めかねる。
それに本の場合「最後まで読んだ」ことが「ある程度おもしろかった」
ことを保証している、というのも理由のひとつ。
つまらなくても2時間で勝手に終わる映画と違って、本は読むのにはる
かに時間がかかる上に、内容を頭に入れながら、ページをめくって自分
で先に進めていかなくてはならない。そのぶん、途中で投げ出しやすい
メディアであると考える。読みながら「これつまんねーなー」と思ったわけ
でもないのに、ふっと気付くと「あれまだ途中だったのに、しばらく読んで
ねーな」ということがたまにある。無意識に投げ出しているのである。
そういう場合はブログには上がってこないので、ここに上がった本はまあ
まあ面白かったんだなと思っていただいて構わない。めちゃくちゃおもし
ろかった場合は、そう書く。
2010年9月6日月曜日
菊次郎の夏
☆☆☆★ 北野武 1999年
自分がロードムービーに甘いのは自覚している。
ロードムービーっていうだけでなんで面白く見えてしまう
のだろう。
本作も、別に悪口をいうほど悪いわけでは全然ないが、
「気の抜けたビール」ならぬ「気の抜けた『ソナチネ』」
だろう。川原での暇つぶしのシーンで「ソナチネ」を思い
出さないたけしファンは少ないと思うが、たけしはそれを
承知の上でやったのだと思う。「ソナチネ」を超えようと
したのか。まあそれは分からないが、「ソナチネ」には遠
く及ばないのは確か。
しかし、繰り返すが全然悪くないし、たけしのショートコ
ントの連続みたいで面白かった。敢えてツボを挙げるなら、
岸本加世子ってこんなにガラの悪い下町のオバハンの格好
してもけっこう似合うな、という所。豹の顔が入った服で
岸本さんに真面目に演技されたら、笑うしかない。
いやあ、ロードムービーってなんで面白いんだろうな…。
あるいは俺の潜在意識が旅行したがっているのかもしれな
い。
つれづれなるままに、好きなロードムービー…
パリ,テキサス、カナリア、都会のアリス、
リトル・ミス・サンシャイン、ドッペルゲンガー、
モーターサイクルダイアリーズ、
男はつらいよ、もある種のロードムービーかな…
自分がロードムービーに甘いのは自覚している。
ロードムービーっていうだけでなんで面白く見えてしまう
のだろう。
本作も、別に悪口をいうほど悪いわけでは全然ないが、
「気の抜けたビール」ならぬ「気の抜けた『ソナチネ』」
だろう。川原での暇つぶしのシーンで「ソナチネ」を思い
出さないたけしファンは少ないと思うが、たけしはそれを
承知の上でやったのだと思う。「ソナチネ」を超えようと
したのか。まあそれは分からないが、「ソナチネ」には遠
く及ばないのは確か。
しかし、繰り返すが全然悪くないし、たけしのショートコ
ントの連続みたいで面白かった。敢えてツボを挙げるなら、
岸本加世子ってこんなにガラの悪い下町のオバハンの格好
してもけっこう似合うな、という所。豹の顔が入った服で
岸本さんに真面目に演技されたら、笑うしかない。
いやあ、ロードムービーってなんで面白いんだろうな…。
あるいは俺の潜在意識が旅行したがっているのかもしれな
い。
つれづれなるままに、好きなロードムービー…
パリ,テキサス、カナリア、都会のアリス、
リトル・ミス・サンシャイン、ドッペルゲンガー、
モーターサイクルダイアリーズ、
男はつらいよ、もある種のロードムービーかな…
9.5(日) DVD
2010年9月5日日曜日
ブギーナイツ
☆☆☆ ポール・トーマス・アンダーソン 1997年
ひさびさに洋画が観たくなって借りてきた。
Paul Thomas Anderson(略してPTA)が今までに撮った5作の
うちの1本。寡作だが、大長篇が多いのがこの人の特徴。まあ
寡作といってもまだ40歳。もうすでに巨匠の感があるが。
本作は、類まれな巨根の持ち主である主人公の青年が、ポル
ノ映画界の巨匠にその才能(まあ一種の)を見出され、大成
功して栄華をきわめ、調子に乗り、思い上がってドラッグに
溺れ、転落して地に堕ちていく様を、ポルノ界の風変わりな
人物たちと80年代のヒット曲でいろどった一大群像劇。
期待して観たが、評点はあまりふるわず。理由は途中で眠く
なったから。たまに恐ろしく長い長回しが出てきてハッとす
るが、ストーリーの流れにどうも新しさが感じられなかった。
ただ、27歳でこれを撮ったPTAに才能があるというのは間違
いないだろうと思いながら観ていた。私は本作と、一番新し
い「There will be blood」を観ただけなので、残り3作ある。
楽しみはまだ残っているということだ。
9.3(金) DVD
ひさびさに洋画が観たくなって借りてきた。
Paul Thomas Anderson(略してPTA)が今までに撮った5作の
うちの1本。寡作だが、大長篇が多いのがこの人の特徴。まあ
寡作といってもまだ40歳。もうすでに巨匠の感があるが。
本作は、類まれな巨根の持ち主である主人公の青年が、ポル
ノ映画界の巨匠にその才能(まあ一種の)を見出され、大成
功して栄華をきわめ、調子に乗り、思い上がってドラッグに
溺れ、転落して地に堕ちていく様を、ポルノ界の風変わりな
人物たちと80年代のヒット曲でいろどった一大群像劇。
期待して観たが、評点はあまりふるわず。理由は途中で眠く
なったから。たまに恐ろしく長い長回しが出てきてハッとす
るが、ストーリーの流れにどうも新しさが感じられなかった。
ただ、27歳でこれを撮ったPTAに才能があるというのは間違
いないだろうと思いながら観ていた。私は本作と、一番新し
い「There will be blood」を観ただけなので、残り3作ある。
楽しみはまだ残っているということだ。
9.3(金) DVD
2010年9月1日水曜日
借りぐらしのアリエッティ
☆☆☆★ 米林宏昌 2010年
なかなか良かったよ。うん。
映画より先に、NHKのドキュメンタリーを見てしまい、
わずか4秒のカットにも30枚以上の絵が使われている
こととか、マロさんの年末年始も返上の終わらない苦
しみをたっぷり見た後で「なかなかだったよ」とは、
本人に面と向かってはとても言えないが、ここはブロ
グなのでしょうがない。
この「お話」を成立させるためには、アリエッティが
身の危険をかえりみずに恋してしまうほどの人間的魅
力が、翔くんにあるかということが大事だが、そのへ
んはちょっと厳しかった。単なる「素直な子」だよな、
あれじゃあ。
8.29(日) ワーナーマイカルシネマズ釧路
なかなか良かったよ。うん。
映画より先に、NHKのドキュメンタリーを見てしまい、
わずか4秒のカットにも30枚以上の絵が使われている
こととか、マロさんの年末年始も返上の終わらない苦
しみをたっぷり見た後で「なかなかだったよ」とは、
本人に面と向かってはとても言えないが、ここはブロ
グなのでしょうがない。
この「お話」を成立させるためには、アリエッティが
身の危険をかえりみずに恋してしまうほどの人間的魅
力が、翔くんにあるかということが大事だが、そのへ
んはちょっと厳しかった。単なる「素直な子」だよな、
あれじゃあ。
8.29(日) ワーナーマイカルシネマズ釧路
FRIED DRAGON FISH
☆☆★★ 岩井俊二 1996年
高校生のとき以来の再見。当時は面白く思ったように記憶していたが、
今観るとどこが面白かったのかよく分からない。
画面は安っぽいし、演出もうまいとは言い難く、単調だと思った。二十歳
の浅野忠信の放つ存在感だけがかろうじて画面を支えている。
岩井俊二は高校のときに熱中して、アホみたいに観た。ひととおり全部
観たと思う。そのときは何といっても「リリィ・シュシュのすべて」が1番好き
で4回は観たが、熱が冷めた数年後に観てみるともうあまり感心しなかっ
た。観返してもちゃんと面白かったのは「Love Letter」「花とアリス」「スワ
ロウテイル」ぐらいか。「undo」とか、もう一回観てみたい気はする。
8.28 (土) DVD
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