2013年3月10日日曜日

フライト


☆☆☆        ロバート・ゼメキス       2013年

『フォレスト・ガンプ』は観てないが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
はシリーズ全部観たよ。

日曜のレイトショーで鑑賞。後輩と二人で観に行ったのだが、観客
は私たち以外に3人。

本作は、予告篇が秀逸だったので観ることを決めた。
しかしいざ観てみると、だいぶ印象違ったですね。前半の飛行機事
故の場面までは、実に申し分ない。流れも完璧で、すさまじい緊迫
感だった。観ていて若干息が苦しくなるぐらいの臨場感。劇場で映
画を観るって、ああいうことですよね。

後半は、もっと法廷劇になるのかと思っていたのだが、主眼はパイ
ロットのアルコール中毒のほうに行ってしまう。『失われた週末』から
こちら、アル中の悲劇を描いた映画はいくつもあるが、どれもいまひ
とつ身が入らなかったのは、「飲みたくてたまらねぇ」というその渇望
が私に実感として理解できないからだろうか。「そのぐらい我慢しろ
よ」と思ってしまう(笑)。中毒とはそう簡単なものではないのだろうが、
身を滅ぼしていくデンゼル・ワシントンさんに一向に同情心が湧いて
こないのである。

映画評を見てると、けっこう評判良いみたいですね。「傑作」と書いて
るひとも多い。私はちょっとノレなかったですが。

                                               3.3(日) ワーナーマイカルシネマズ釧路


2013年3月7日木曜日

TED


☆☆☆★★      セス・マクファーレン      2013年

おもろいよ。こういうのをマジメに作るところがアメリカ映画の多様
性ですよね。またうまくできてるんだ、これが。最高。

客は、釧路にしては入っていた。日曜の昼間に観たのだが、40人
ぐらいは居ただろうか。その割にはみんなあまり笑ってなかったな。

可愛いテディベアが、人種差別ジョークは言う、デリヘルは呼ぶ、
マリファナは吸うで、悪びれもしない。しかし分からないジョークも
多かった。特にあちらの人名(おもに芸能人)。字幕監修の町山
智浩さんの奮闘努力の跡はうかがえたが、人名はどうしようもな
いものね。

画像はテッドが主人公に「仕事なんかいいからさ、俺んちでマリファ
ナでもキメようぜ」と言っているところ。

                                          2.24(日) ワーナーマイカルシネマズ釧路


2013年3月6日水曜日

望郷


☆☆☆       ジュリアン・デュヴィヴィエ     1937年

アルジェリアのカスバを舞台にした、フランス流の「ギャングも
の」(?)。裏社会に生きる伊達男"ペペ・ル・モコ"を演じるは、
若き日のジャン・ギャバンである。

迷宮のようなカスバの街は、それだけでもう映画になる。
ルパン三世が似合う街、とかいったらぶち壊しでしょうか。

                                                          2.20(水) BS プレミアム


2013年3月4日月曜日

ボルベール <帰郷>


☆☆☆★★     ペドロ・アルモドバル      2007年

アルモドバル良いよね。僕は好きですよ。
なんか、普段観ている邦画とは文法から何から、映画の構造
そのものがまるで違っていてドキドキします。展開が全然読め
ないし、登場人物の「誰が」「何を」言い出すか、まったくわから
ない。

ペネロペ・クルス。世界一ゴージャスな美女だと思います。

最近、BS12の「東京ごはん映画祭」というのもチェックするよう
になりました。実は『バグダッド・カフェ』もここで観たんですが、
「ごはん」が関係する映画なら古今東西なんでもいいという、た
いへん守備範囲の広い番組のようです。飯食うシーンが1カット
も無い映画ってほとんど無いと思うんで、つまりほとんどなんで
もアリ(笑)。CMも無いし、カットもされてない(と思う)。心強い
ですね。

                                                                    2.19(火) BS 12


2013年3月3日日曜日

ちかごろの読書②


『1973年のピンボール』
村上春樹 著   講談社文庫

ひっさしぶりに、なぜだか読みたくなって再々読。
けっこうおもしろいっすよ、これ。
双子と散歩するゴルフ場、配電盤の葬式、ジェイズ・バー、
ピンボール台が整然と並んだ寒い倉庫。喚起される様々
なイメージが、なんだかこことは別の世界のようだが、どこ
となく懐かしい。ひさびさに故郷に帰って来たような感じで
読んだ。

4月に長篇刊行だってね。良い小説、期待してますよ。










『お言葉ですが… 別巻⑤』
高島俊男 著   連合出版

「森鷗外のドイツの恋人」が良い。高島さんはこういう、色々な
説が乱立している話をまとめさせると、非常に手際がよくおもし
ろいのは、ファンの間では定説。信憑性も重要度もマチマチな
諸説をわかりやすく銓衡して「まあこれが妥当でしょう」というと
ころを示してくれる。
その際、信憑性の無い話を、いかに大家が唱える説であろうと
容赦なく切り捨てるのが痛快、というのもファンの間では常識。



2013年3月2日土曜日

大人の見る繪本 生れてはみたけれど


☆☆☆★         小津安二郎       1932年

小津のサイレント時代を代表する傑作とのこと。
なるほど、のちの小津作品とはだいぶ違っている。

「お父さんはなんで重役じゃないの?」というのは、正面切って
子どもに訊かれたらたしかに言葉に詰まるかも(笑)。

「子どもの目から見た大人社会」を諷刺した皮肉たっぷりのサ
イレント喜劇であった。私が観たのは、ナレーションを風間杜夫
と倍賞千恵子が担当していた。

                                                           2.19(火) BSプレミアム


2013年3月1日金曜日

祇園の姉妹


☆☆☆★★       溝口健二       1936年

山田五十鈴、当時19歳。既に娘を産んだ後とのこと。
ちなみに娘とはのちに女優になる瑳峨三智子。

いやぁ、セリフがわからんわからん。
京都弁がわからないのと、当時の風俗に関する用語がわから
ないのと両方あるのだろうが、とにかく、こんなに難しいとは思
わなかった。といっても、細部がわからないというだけで、大筋
はわかるよ、もちろん。日本語なんだから。これ、京都出身の
やつに観せてみたいね。それでもわからないようだったら、そ
れは既に文化の断絶が起きていることの証左でしょうな。

しかしわたくし、わからないセリフが出てくると燃えてくるタチな
ので、俄然この映画は楽しめた。溝口映画の「カメラワーク」と
かそういうのは、うーん、よくわかんない(ローラ風)。

本当は今夜は『脳男』で爽快なサイコキラーぶりを楽しんで、
気分よく布団にもぐり込む算段であったのだが、予想に反して
不満の残る出来だったため、口直しに戦前の溝口映画を観る
ことになった。思わぬ1試合3安打の日になってしまった。

                                                            2.18(月) BSプレミアム