2015年9月16日水曜日
ミッション:インポッシブル
☆☆☆★★ ブライアン・デ・パルマ 1996年
初めて観ました。
冒頭のたるんだ感じの作戦会議と作戦行動に、なんだこんな
もんか…と思ってしまったが、なるほどあれは全然布石なわけ
ね。さすがはブライアン・デ・パルマ。観終わって疑問点もいくつ
かあるにはあるが、結局、最後には手に汗握らされてしまった。
おもしろかったです。
ジム役のジョン・ヴォイトって、『真夜中のカーボーイ』の、あの
自信過剰の絶倫男か! そしてアンジェリーナ・ジョリーのお父
さん…。
9.7(月) BSプレミアム
2015年9月14日月曜日
肉弾
☆☆☆★ 岡本喜八 1968年
寺田農、主演。ちょっと雰囲気が緒方拳とカブるが、かなり
の怪演である。岡本喜八流のユーモアが炸裂する一作。
女優・大谷直子のデビュー作らしい。『ツィゴイネルワイゼン』
の妖艶さは忘れがたいが、この頃はまだ女学生の役がぴっ
たりである。惜しげもなく裸体をさらしている。原田美枝子と
いい、昔の女優はえらいなぁ。
9.7(月) BSプレミアム
2015年9月11日金曜日
ロマンス
☆☆☆★★★ タナダユキ 2015年
落ち目の映画プロデューサーを大倉孝二、ロマンスカー
の売り子を大島優子が演じる。全篇、ほぼ二人による芝
居で展開していく。口八丁と厚かましさで世を渡ってきた
業界人を大倉が見事に体現していてかなりおもしろいの
だが、大島優子もまったく引けをとらない堂々とした演技
で、正直いって期待以上。この役は「ふてくされていても
可愛い」というのが条件だと思うが、なかなかにキュート
だった。
こういうの好きだわぁと思いながらキネマ旬報を読むと、
モルモット吉田さんはけっこう酷評。あらら…。
まあたしかにロマンスカーという設定はあまり活きてい
なかった。
9.4(金) 新宿武蔵野館
2015年9月9日水曜日
残暑の読書
「橋を渡る」
吉田修一 著
まだ単行本になっていないが、週刊文春の連載を毎週律儀に読んだ。
いちおう、長篇小説を1冊読んだことになろう。
読み終わった今だから分かるのだが、これは一気に読むべき小説で、
雑誌連載には不向きだ。構成としてはいくつかの短篇小説のような断
片が提示され、それが最後のピースで収斂していく。最後は近未来が
舞台のSF風のピースなのだが、そこに来るまで、各々の断片の関連
性はまったく分からない。
近未来SFというのは吉田修一の新境地かもしれないですね。おそらく
50年後ぐらいの世界で、そこでは「サイン」と呼ばれるクローン人間(?)
たちが、半分ぐらい市民権を与えられて生きている。サインと結婚する
こともできるようだが、その結婚生活の内実は、主人と召使の関係と変
わりない。おおかたのサインたちは、兵士や家政婦や、言い方は悪い
が慰みものとして生きているようだ。
その世界に生きる、元兵士のサインを主人公として最後のピースは展
開し、そこに、それまでのいくつもの断片に登場した人物の、つまり50
年前の人物たちのとった行動が、様々に影響を与えていることが少し
ずつ分かってくる。なかなか巧みな構成になっているのである。
単行本が出て、文庫になったぐらいでもう一度読み返してみよう。
一時、文春が嫌韓・嫌中記事を派手に書いていたとき(今もなくなって
はいないが)に「ひとり不買運動」をしていたのだが、この連載が始まっ
てからは、買わざるを得なくなった。運動は一時休戦となった。
でもまた再開してもいいかもなと思っている。百田尚樹の連載なんかを
ありがたがってる週刊誌はほんとはあまり買いたくない。
『「4分33秒」論』 「音楽」とは何か
佐々木敦 著 ele-king books
5回にわたる「4分33秒」についての講義を採録したもので、ほんとにま
るごと1冊「4分33秒」の話をしているという、狂気の書である。
「何も演奏されない曲」について、これまで書かれた批評も引用しなが
ら語り続けるわけである。批評ってすごいよね。
2015年9月7日月曜日
モーターサイクル・ダイアリーズ
☆☆☆★★ ウォルター・サレス 2004年
ふと思い立って借りて来た。
バイクの音をどういう風にしてるのかなーというのを確認した
くて再見したのだが、そういえばバイクは中盤までも行かない
とこで壊れるんだった! 忘れていた。日記を書いてるシーン
もごくわずかだし、「モーターサイクル」も「ダイアリー」も、なん
だか実状を反映していない。でもまあ、カッコいいタイトルだか
らいいか。
チェ・ゲバラが医学生だった時の「南米大陸バイクの旅」を元
にしたロードムービーである。嘘のつけない、真面目で一本気
な青年として描かれている。
あの銅山の夫婦に会ったことが、彼にとって決定的な経験に
なった、ということなんだよね? 久しぶりに見返して、やっぱ
り良い映画だと思った。
8.29(土) DVD
<ツイート>
9/12から渋谷のシネマヴェーラで黒沢清の特集上映が始まる。
東京近郊にお住まいの方は、これを逃す手はない。どれを観て
も、時間を損することはないと保証します。私も通えるだけ通お
うと思っている。きっと橋本愛や前田敦子も出没するのでは…?
分からないけど。
2015年9月5日土曜日
黒部の太陽
☆☆☆★ 熊井啓 1968年
黒部ダムの建設に文字通り骨身を削って尽力した男たち
の姿を「骨太に」「重厚に」描く超大作映画。三船敏郎と石
原裕次郎、二大スターの共演で当時話題だったらしい。
工事は当然、困難に次ぐ困難が降りかかり、もうこれでき
ねぇんじゃね、という空気が現場にも漂い、士気は下がり
まくっていた。掘れば掘るほど、水が噴き出してきて作業
員が流されるし、補強材も壊れる。補強材が壊れる直前
のミシミシいう音が恐い。
本作とか『八甲田山』とか、昔はこうやって凄まじい製作費
をかけて、大物俳優にも尋常ではない肉体的な負担を強
いて、それでも大赤字という話は聞かないのでちゃんと元
が取れていたのだろう。斜陽斜陽と言われながらも、それ
だけ多くのひとが劇場に足を運んだということだ。
8.25(火) Blu-ray Disc
2015年9月3日木曜日
この国の空
☆☆☆★★ 荒井晴彦 2015年
茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」を、戦時下
に生きた二十歳の女の子(二階堂ふみ)に重ねたその企み
はナイスである。
荒井晴彦の脚本はさすがに巧みで、隣に住む、妻子を疎開
させた男(長谷川博己)と関係を結ぶのは分かっているのに、
うまく焦らすというかかわすというか……。そうやってじりじり
しながら待っていると、川辺での工藤夕貴のセリフに驚くこと
になる。
二階堂ふみはなんだか変わった喋り方をしていたが、小津や
成瀬を観て自分なりに昔の女の子の喋り方を研究したらしい。
ふーん。彼女もけっこうなシネフィルなんだよね。末恐ろしいわ。
そしてとてもナイトシーンの多い映画だった。
照明さんお疲れ様です。
8.24(月) テアトル新宿
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