2019年11月25日月曜日
ひとよ
☆☆☆★ 白石和彌 2019年
鈴木亮平、佐藤健、松岡茉優の兄弟。
次男の佐藤はひとり東京に出て雑誌記者になって
いる。残りのふたりは地元に残っている。スナッ
クで毎晩酔客の相手をしている松岡茉優のチーマ
マ感が素晴らしい。
そこに田中裕子が、虐待から子供たちを守るため
に夫を車で轢き殺した母として、出所して帰って
来る。ただでさえそれぞれに業をかかえた子ども
たちと母親、それに複雑な過去がありそうな佐々
木蔵之介も絡んできて大変なことになっているが、
ことさら大げさではなく至って淡々と描いている
ところに好感がもてる。
それにしても最近は音尾琢真の活躍がめざましい。
出演作が多いだけでなくて、印象に残る芝居をし
ている。実はヤスケンよりも、音尾さんのほうが
巧い気がしてきた。
11.15(金) TOHOシネマズ新宿
2019年11月20日水曜日
八つ墓村
☆☆☆★ 吉田照幸 2019年
吉岡秀隆による金田一、第二弾。
吉田照幸の監督作としては通算三作目となる。
「八つ墓村」は金田一シリーズの中でもよく
知られた話で、私も豊川悦司版を観ているが、
いつものようにストーリー自体はほとんど忘
れていたので、わりと楽しめた。観ると思い
出すんだよね。当たり前か。
今回の出色はなんといっても音尾琢真による
三十人殺しシーンだろう。その無差別ぶり、
容赦のなさと狂気には引きつけられるものが
あった。真木よう子は滑舌が心配であったが
音声さんが頑張ったのか、それほどストレス
なく聞き取ることができた。
11.8(金) BSプレミアム
2019年11月18日月曜日
レイジング・ブル
☆☆☆★ マーティン・スコセッシ 1981年
名作の多いボクシング映画の中でも、とりわけ
有名な映画である。しかも全編ほぼモノクロと
きた。こりゃあいったいどんなキレキレの映像
と驚愕のストーリー展開が用意されているのか
と舌なめずりしていたが…。
観た方は知ってると思いますが、デ・ニーロは
やたらと疑り深い「嫉妬の塊」みたいな見てら
れない感じの男で、ちっともカッコよくない。
強すぎる猜疑心で妻も、信頼していた弟も失っ
ていく哀れな男である。まあボクシングは強い
のだが、終生のライバルであるエースとは勝っ
たり負けたり。観ているほうはずっと「宙吊り」
のような感じで、終始落ち着くことができない。
まあだいぶ予想と違う映画だった。
デ・ニーロの体重の増減でとても有名な映画で
もあり、たしかにあの体格の変わり方はすごい。
10.26(土) BSプレミアム
2019年11月14日木曜日
ジョーカー
☆☆☆ トッド・フィリップス 2019年
今年最大の話題作といっていいだろう。
派手なアクションや勧善懲悪の要素の無い
映画が世界的な話題になるのも久しぶりで
はないか。すでに『ダークナイト』という
重厚な名作があるのにも関わらず、あえて
今ジョーカーを再びスクリーンに召喚する
からには、よほどの必然性を制作側が感じ
てのことなのだろう。
で、感想。
分断されたアメリカの社会やその病理をよ
く描いているのかもしれないが、以前から
の私の傾向として、どこからも"愉快さ"に
つながらない映画を高く評価できないとい
うのがある。どうしてもこういう映画は、
「病理自慢」のように見えてしまって、ホ
アキン・フェニックスの演技はたしかに鬼
気迫るものがあるけれども、それは何にも
昇華していかず、ただただ鬱積していくの
みである。
10.25(金) TOHOシネマズ新宿
2019年11月2日土曜日
ドリーミング村上春樹
☆☆☆ ニテーシュ・アンジャーン 2019年
村上春樹のデンマーク語訳を手がけるメッテ・
ホルムさん。春樹のほうにあまり翻訳を出す
気がなさそうだった『風の歌を聴け』『1973
年のピンボール』にやっと許可が出たのか、
この時点ではこの初期2作の翻訳に取り組んで
いる。日本を訪れて仕事をしたり、旧式のピ
ンボールマシンで遊んでみたり、ポーランド
語の訳者との交流を重ねたりして、少しでも
小説世界の本質に迫ろうとしている。
一方で唐突に「かえるくん、東京を救う」を
モチーフにした映像と、たどたどしい朗読が
挟みこまれる。身長2メートルぐらいのかえる
くんが東京の様々な場所にいる映像はなかな
かシュール。
60分の小品で、若干の食い足りなさもあるか…。
10.25(金) 恵比寿ガーデンシネマ
2019年10月26日土曜日
真実
☆☆☆ 是枝裕和 2019年
初日に鑑賞。意気込んでいたというよりも、し
ばらく映画を観る日が無いのが確実だったので。
是枝さんがカトリーヌ・ドヌーヴとジュリエッ
ト・ビノシュでフランス映画を撮るってことで、
もしかしたらすんごい化学反応が…という期待
もあったが、まあ、それらしくまとまってはい
たものの、必ずしもうまくいっていたとは思え
ず。『真実』という題も大仰すぎる。もっとさ
りげない映画でよかったのではないか。
しかし是枝さんほどの立場のひとがまったく新
しいチャレンジをするというのはある程度の批
判も覚悟の上だろうし、まったく無駄なことで
はないだろう。
子役をうまく活かすのはさすが。亀のヘンリー
のくだりはよかった。
10.11(金) TOHOシネマズ新宿
2019年10月11日金曜日
清須会議
☆☆☆★ 三谷幸喜 2013年
『ステキな金縛り』まで映画館で観ていた
三谷作品だが、この作品の公開時の「マジ
メな歴史もの」「長い」という評判に尻込
みしてしまった。
今回テレビ放送で観て、まあ公開時の評判
はわりと当たっているものの、しっかり面
白い作品にはなっていて、しかも大泉洋の
"怪演"が光る。水を得た魚のよう。寧々を
演じた中谷美紀も可笑しい。
9.21(土) フジテレビ
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