2020年3月18日水曜日
世界の中心で、愛をさけぶ
☆☆★★★ 行定勲 2004年
いまさらながらの初鑑賞…。
率直に申し上げて、デビュー直後の長澤まさ
みの「いましかない瞬間」を焼き付けた、と
いうこと以外は、特筆すべきものの無い映画
であった。特に大沢たかおと柴咲コウの現代
パートはまったくおもしろくなく、話の辻褄
も合わず、音楽も似たようなピアノの曲ばか
りでたいそう退屈で、長く長く引き延ばされ
た愁嘆場に辟易しっぱなしだった。坂元裕二
の脚本と行定勲の演出なのに…。
それでも写真館のシーンは山崎努のおかげで
まともなシーンになっていたと思う。
2.27(木) BSプレミアム
2020年3月15日日曜日
県警対組織暴力
☆☆☆★★★ 深作欣二 1975年
笠原和夫を脚本に迎え、『仁義なき戦い』の
「濃い」役者の多くが警察側として出て来て
ドスのきいた広島弁で怒鳴りまくるのは混乱
必至。
脚本は見事のひと言で、菅原文太と松方弘樹
の応酬を聞いているだけで幸福感に包まれる。
松方の狂犬のような眼に圧倒されない者はい
まい。
梅宮はなんと不正を許さない本部のエリート
警部補として登場し、最初は吹き出しそうに
なる。その潔癖ぶりをもって辛うじて危うい
均衡を保っていた警察とヤクザとの関係をぶ
ち壊してしまう。ヤクザに深く入り込んだ警
官という意味で、『日本で一番悪い奴ら』
『孤狼の血』などの源流にあたる映画だろう。
最後に、おもしろかった言い回し。
昔から間男は、医者か坊主か警察官いうけぇのう
そ、そうなんだ…。知らなかったです。
2.24(月) 新文芸坐
2020年3月13日金曜日
資金源強奪
☆☆☆★ ふかさくきんじ 1975年
池袋文芸坐にて、追悼・梅宮辰夫。
深作欣二の監督作2本立ての日を狙って駆け
つける。
ヤクザから賭場で強奪した3億5千万もの金を
めぐる、欲深い男たちの命を張った攻防。
主演は北大路欣也で、ギラついた頭のキレる
ヤクザを好演。一方の梅宮は、ヤクザとずぶ
ずぶの刑事を演じる。展開に多少の無理はあ
り、女性の扱いなどヒドいものだが、策略と
裏切りの連続で飽きさせず、ラストも「そう
くるか」とニヤリとさせられるオチがついて
いる。暑苦しい痛快活劇。チャカポコいうエ
レキギターが耳に残る劇伴も気分を盛り上げ
る。
2.24(月) 新文芸坐
2020年3月11日水曜日
帰れない二人
☆☆☆★ ジャ・ジャンクー 2018年
変貌する中国の地方都市を舞台に、ひと組の
夫婦に流れた長い時間をゆるやかなタッチと
激しい暴力描写を織り交ぜて巧みに描く。
『青の稲妻』と比べるとストーリーの運びも
会話の内容も断然分かりやすく、映画の文法
というものに則っている感じ。観やすいが、
そのぶん「普通」の映画になってしまってい
ると言えなくもない。
『青の稲妻』にも出ていたチャオ・タオとい
う美人女優が主役。ほとんどのジャ・ジャン
クー作品に出演しているいわゆる"ミューズ"
で、よくあることだが、監督の妻でもある。
2.19(水) 早稲田松竹
2020年3月8日日曜日
青の稲妻
☆☆☆ ジャ・ジャンクー 2002年
早稲田松竹にてジャ・ジャンクー監督作の
2本立て。
山西省の地方都市に暮らす二人の若者の報
われない恋を軸にして、鬱屈と憧れと閉塞
感に押しつぶされそうな若者の姿を切り取っ
ている。わりと淡々としていて、思わず覚
醒するような場面もなく、そのまま終わっ
てしまった…。
いきなり「オフィス北野」と「ビターズ・
エンド」のクレジットが出て面食らったが、
どうやらプロデュース(資金集めのことだ
が)とか配給とかにオフィス北野がひと役
買っているのだそう。
ネットのとあるインタビュー記事によると、
デビュー作の『一瞬の夢』を、中国政府の
検閲を通さずに海外の映画祭に出品したた
めに、それ以後当局から映画製作を禁止さ
れていたジャ監督に手を差し伸べたのがオ
フィス北野の市山プロデューサーだったと
のこと。ふーん。
2.19(水) 早稲田松竹
2020年3月5日木曜日
動くな、死ね、甦れ!
☆☆☆★★ ヴィターリー・カネフスキー 1989年
目当てはこちらのほう。
一度聞いたら忘れないタイトルで、以前の
リバイバル時にいろんなひとが絶賛してい
たが、とりわけ二階堂ふみと蓮實重彦が同
時に褒めていたのが、その組み合わせを含
めて印象に残っている。
極東のスーチャンという貧しい炭鉱の町が
舞台。地面はいつも泥でぬかるみ、居住環
境も上等とは言えない感じだが、そこで生
きる二人の子ども、ワレルカとガリーヤの
物語である。
ヤンチャで思慮の足りない男子と、それを
呆れて見つつも時々助けてあげる賢い女子
という構図で、まあ舞台を日本に置き換え
ると普通の話なのかもしれないが、荒涼と
したソヴィエトの平原と荒々しい貨物列車
のある風景で撮影されることで、より純度
の高い清新な映画に見えてくるから不思議
である。
2.13(木) 早稲田松竹
2020年3月1日日曜日
フルスタリョフ、車を!
☆☆☆ アレクセイ・ゲルマン 1998年
早稲田松竹でソヴィエト映画の2本立て。
まずは何年か前『神々のたそがれ』が話題
になったアレクセイ・ゲルマン。
なにしろパワーに満ち溢れた力作なのは充
分に伝わってくるのだが、いかんせんスト
ーリーがさっぱり分からない。スターリン
時代のソヴィエトを知らないのもあるだろ
うが、それだけじゃない気がする…。セリ
フも色んな人物が好き勝手にしゃべってる
としか思えず、関連性というものが摑めな
いのである。
ただ画は長回しが多くて、人物の動かし方、
カメラの動き方など観ていておもしろいカッ
トが多い。雪が積もっているので雪の効果
音が多いのだが、音の付け方も独特。
2.13(木) 早稲田松竹
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