☆☆☆★★ 金子修介 1988年
会社の先輩が最も好きな映画と言っていた
ので、名画座でかかるのを待っていた。
萩尾望都『トーマの心臓』を翻案したという
不思議な味わいのダーク・ファンタジーとで
もいうのか。出演は水原里絵(深津絵里)、
中野みゆき、大寶智子、宮島依里の4人のみ。
夏休み、寄宿舎に残された子どもだけの世界。
良くいえば瑞々しい、悪くいえば素人同然の
芝居、そしてほとんどのセリフがアフレコで
吹き替えられているという点からも、私はな
んとなく大林の『HOUSE』を思い出した。
若さゆえの屈折、純粋さ、そして残酷さ…。
少年がそのままやるとシラけてしまいそうな
青い物語を、少女たちに置き換えたことで、
新鮮さが今になっても感じられる。
照明・撮影も見事で、燭台を持って歩く廊下、
暗い森など印象的に撮られている。舞台の洋
館は大倉山にあるというから驚く。森や湖と
違和感なくつながっていたので、私はてっき
り森の中に佇んでいるのだと思った。
8.8(木) 早稲田松竹
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