2017年10月20日金曜日

台北ストーリー


☆☆☆    エドワード・ヤン   1985年

こちらはホウ・シャオシェンの系譜を汲む
ような台湾映画の王道の感じだが、そのぶ
んちょっとのんびりしていて、少しウトウ
トてしまいました! まことにすまない。
しかし開き直るわけではないが、これまで
台湾映画を続けて2本観て、寝なかったこ
とは一度もない!

                                     10.7(土) 早稲田松竹


2017年10月18日水曜日

恐怖分子


☆☆☆★★    エドワード・ヤン    1986年

エドワード・ヤンの2本立てを早稲田松竹で。
まずは名作と名高い『恐怖分子』。橋本愛が思い入れのある
3本に挙げていた。ちなみにあと2本は『人が人を愛すること
のどうしようもなさ』と『ゴダールの映画史』。

「恐怖分子」は「テロリスト」のことと思っとけばいいらし
い。のんびりスローテンポな台湾映画とサスペンスがどう融
合するのか注目して観たが、余計な説明を排除してハードボ
イルドなタッチに徹すると思いきや、主役の男の子のおぼこ
い顔に和まされる。でも顔はおぼこいが金持ちの息子で、写
真道楽のために小遣いを持って家を出ているが、やってるこ
とは空き家を借りて暗室にしたり、警察の摘発から逃れる途
中の女の子を隠し撮りした写真を拡大印刷して壁に貼ってい
るというなかなかの変態ぶりである。いくつかのスジが電話
を介してつながってラストに向かうが、あまり説明が無いた
め何が起きているかを理解するのに必死である。
一風変わった台湾映画だった。

                                                      10.7(土) 早稲田松竹


2017年10月16日月曜日

パターソン


☆☆☆★    ジム・ジャームッシュ   2017年

バスの運転手をしながら詩をメモ帳に書き溜めている
パターソン生まれのパターソンさんが映画の主人公。
月曜日、彼が目覚める場面から始まって、その規則正
しい生活を淡々と描写していく。けっこう淡々として
いる。途中からブルドッグのマーヴィンだけが、私を
笑わせてくれる存在として待望されていた(私に)。

しかしマーヴィンの愛らしさもむなしく、アルコール
を摂取していたこともあって、けっこう大事な場面で
わたくし寝てしまいました。ほんとは評価する資格な
いです。猛省しております。

                                         10.6(金) 新宿武蔵野館


2017年10月15日日曜日

【LIVE!】 松元ヒロ


ひとり立ち

こういうの、"スタンダップコメディ"というので
合ってるかな? 最初から最後まで独りで喋る。
政治ネタ、アメリカ旅行(半分仕事だが)の話、
一人芝居、各種とりそろえられていて、飽きさせ
ない。2時間があっという間だった。
なによりヒロさんがバカにする対象を普段わたし
もバカにしてるので、そりゃ気分はいい。

                                      10.1(日) 紀伊國屋ホール


2017年10月14日土曜日

ダーティーハリー3


☆☆☆★★   ジェームズ・ファーゴ   1976年

シリーズ3作目。
今回は、殺人課に異動したての女刑事と無理やり組まされた
らハリーがどうなるかがテーマ。ガッツはあるのだが、いか
んせん現場経験ゼロなのに、いきなり解剖だぁカーチェイス
だぁ銃撃戦だぁ、というハリーのいつものメニューに衝撃を
受ける女刑事。しかし前の部署(記録係)の強みを活かして
役に立ち、その存在をハリーも次第に認めていくという展開
はたしかにお決まりだけども、だからどうしたっていうんだ。

小林信彦がダーティーハリーは1を除くと3がおもしろいと
言っていたと記憶しているが、なるほどたしかに。結末は悲
しいものだが、後味は不思議とわるくない。

                                                   10.4(水) BSプレミアム






<ツイート>
来週月曜からBSで市川崑の金田一を3本放送。
このブログを読んでくれているひとで『犬神家の一族』を
まだ観ていないひとはまさか居ないと思うが、もし観てい
ないならいいから観て下さい。

2017年10月12日木曜日

ロスト・イン・トランスレーション


☆☆☆★★    ソフィア・コッポラ   2004年

不思議に余韻の残る映画だ。
アメリカからCM撮影のために来日した俳優(ビル・マーレイ)
と、写真家の夫にくっついて来日し、毎日暇を持て余している
女の子(スカーレット・ヨハ ンソン)が、ふとしたことから
打ち解け、心を通わせるようになるが…。

新宿の高級ホテルで撮影されたという、外の雑踏とはまるで別
世界のような重厚な空間。それと歌舞伎町の猥雑な風景の対比
がとてもおもしろい、と外国人は思うんだろーけどよ、こちと
ら新宿の近所に住んでる俺には別にどうってことないね、と、
観ている間は思っていたのだが、何日か経つと不思議と映画の
中の風景が自分の中にしっかり根をおろして息づいているのが
分かる。ビル・マーレイの醒めた目で見渡した東京は寒色系の
トーンでまとめられてよそよそしいが、同時に奇異で滑稽で活
気がある。ラストの空撮が効果的である。

                                                    10.3(火) BSプレミアム


2017年10月10日火曜日

奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール


☆☆☆★★     大根仁     2017年

前にタイトルに惹かれてマンガをザッと立ち読みした
ことがあり、その時わたしのようなアイディアの湧か
ない人間でも「映画になりそう」と思ったので、 映画
化は必然か。そしてこの底意地の悪い話を映画化する
にあたって、大根仁以上の適任はいるまい。

どんな役をやっても私の好感度を上げてくる妻夫木く
んは、今回の「奥田民生に憧れる青年」の役でも好演
していた。そしてこの映画は「狂わせガー ル」に狂わ
されるためにあるのだから、いちばんの肝となるのは
水原希子である。気まぐれと計算高さを使い分け、
「出会う男すべて」を振りまわして悪びれない、小悪
魔などという使い古された言葉では物足りないほどの
モンスターガールを楽しげに演じていた。
セックス描写はNGでもキスならいいんだろっ!?とい
うことで、水原希子にものすごい回数チューさせてい
たのはもちろん大根仁の職権濫用であろう。妻夫木く
んと、新井浩文と、果ては松尾スズキの耳を舐め回す
シーンまであって、監督の欲望が剝き出しなのも好感
がもてる。

そして…自分がいちばん分かってるだろうから言わな
いが、いやでもやっぱり言うが、「ハロー張りネズミ」
はなぜあんなにイマイチだったのか! やはり地上波
の制約ですか…。

                                        10.3(火) 新宿ピカデリー


2017年10月8日日曜日

草原の輝き


☆☆☆     エリア・カザン    1961年

ワーズワースの詩を引用することで、どことなく
文藝映画の趣きだが、内容はいえば高校生カップ
ルの破局と、それによって精神のバランスを崩し
てしまった女の子(ナタリー・ウッド)、その再
生の物語であって、格別おもしろいわけではない。
青春映画なのかもしれないが、私の好きなそれで
はない。

しかしナタリー・ウッドはのちに撮影中の事故で
死んでるのか…。なんともいえない。なむなむ。

                                      9.25(月) BSプレミアム


2017年10月4日水曜日

読書⑧


『ハワイイ紀行 【完全版】

池澤夏樹 著   新潮文庫

旅行のお供に持って行った。フライトは片道7時間強ある。
行き帰りで半分ちょっと読み、帰国してから残りを読んだ。
端的にいって素晴らしい本である。深くて、おもしろくて、
ためになる。

当方恥ずかしながらハワイイについては何も知らず、ビー
チとリゾートホテルと火山ぐらいしかイメージを持ち合わ
せていなかった。しかし、おもに帰りの飛行機でこの本が
どんどんおもしろくなっていって眠るどころではなくなり、
今はもう一度ハワイイに行きたい気持ちでいっぱいである。

フラ、レイ、音楽、植生、地形、ハワイイ語、神話、キャ
プテン・クック、歴史、サーフィン、……さまざまな観点
からハワイイを知るために格闘した池澤夏樹の3年間の記
録が結実したのがこの本ということだ。氏はこういう仕事
に向いているとみえて、とても有能である。



2017年9月30日土曜日

三度目の殺人


☆☆☆★★      是枝裕和    2017年

観終えて、複雑な気分である。
レベルは高い。吟味されたセリフ、ストーリーテリング、
キャラクターの造型はもちろん、見せる所・見せない所、
語る所・語らない所のバランスなど、ほんとうに見事。
でもこういう映画を「好きじゃない」と感じるひともい
るだろうなぁとも思う。『そして父になる』のとき私は
「意味のないカットがひとつも無いというのは、それは
それで観ていて疲れるものなのだ。」
と書いた。今回は同じ傾向がより悪くなって顕在化して
いるように思った。意味ありげな、思わせぶりなカット
が多くて、その裏に監督の「まあこのこと覚えといてく
ださいよ」とか「ほら、ここで伏線は回収したでしょ」
が見えてしまうのだ。ただとても微妙なラインで、ひと
によってはそれが映画的な快感にもなり得るのだが、な
まじ是枝さんがクレバーで理知的なひとである事を知っ
てしまっているがゆえに、それがうまく快感にならない
のである。ぜいたくな悩みかもしれないが…。

MVPは役所広司。『CURE』の萩原聖人を彷彿させる、
ガラス越しの接見だけで観るものに恐怖を与える不気味
きわまりない演技だった。そして制服をきちんと着た広
瀬すずの可愛さ…。

                                            9.24(日) 新宿ピカデリー


2017年9月28日木曜日

ダンケルク


☆☆☆★★   クリストファー・ノーラン   2017年

第二次大戦中、ナチス・ドイツ軍に包囲されたダンケルクの
街に孤立した連合国軍。歴史に残る撤退戦を"あの"クリスト
ファー・ノーランが描く。どんな映画になるか、わくわくし
ますね。つい初日に観に行ってしまいました。

ワンカットに注いだ情熱(と金銭)に圧倒される。これって、
沈没する船にGoPro何台か仕掛けて、使ってるのはこの2カッ
トだけか…みたいな。同時に、主役はこっちだと言わんばか
りの、すさまじい音量で襲い掛かる音響に度肝を抜かれる。
鑑賞にはストレスに耐える体力を要するので、これから観る
ひとはご用心。

演出にはいろいろと不満があるものの、ここにつらつらと書
き連ねるのは控えよう。美女どころか、ひとりの女のひとも
出て来ないが(いや1人だけおばちゃんが一瞬出て来た)、
それはまあここで言う不満ではない。なにはともあれ、劇場
は戦場と化す。映画館に赴いて轟音の銃弾を浴びるべし!

                                                9.9(土) TOHOシネマズ新宿


2017年9月25日月曜日

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?


☆☆☆★      武内宣之     2017年

『花とアリス殺人事件』の時にも思ったことだが、たとえ
アニメであっても岩井俊二の特有のストーリー展開の仕方
というのは確かに感じられて、それがけっこう気持ちいい。
脇道にそれながら進んでいくといったらいいのか、意外な
展開をすると見せて、気付くといつの間にか本道に戻って
おり、また次にストーリーが動く時は脇道を転がって行く、
というような感じ。

今回は原作のテレビドラマに、花火の描写をはじめアニメ
でしかできない表現が付加されて、ストーリーも独自の展
開をしていく。「もしもあの時、違う選択をしていたら」
というのが、1回きりでなく何度も繰り返されるのが大き
な特徴で、それによりタイムリープの要素が強まる。しか
し当然、その副作用で「時をかける少女」に似てくる。

菅田くんはあまりうまいとは思わず。広瀬すずは個性のあ
る声でどうかなと思ったが、意外に邪魔にならない芝居で、
うまくなじんでいた。

                                            9.6(水) TOHOシネマズ新宿


2017年9月7日木曜日

【LIVE!】 サニーデイ・サービス


サマーライブ 2017

 1. 今日を生きよう
 2. 素敵じゃないか
 3. あじさい
 4. 八月の息子
 5. 江ノ島
 6. スロウライダー
 7. 経験
 8. さよなら!街の恋人たち
 9. 恋におちたら
10. 苺畑でつかまえて
11. 96粒の涙
12. 海へ出た夏の旅(〜再び)
13. セツナ
14. 白い恋人
15. シルバー・スター
16. 花火
17. 時計をとめて夜待てば
18. 24時のブルース
19. 週末
20. サマー・ソルジャー
21. 海岸行き

<encore>
 1. 忘れてしまおう
 2. 夜のメロディ
 3. 青春狂走曲

<encore 2>
 1. 胸いっぱい
 2. One Day

                                    8.27(日) 日比谷野外音楽堂

野音でライブを観るのもずいぶん久しぶりだ。
「サニーデイは野音に合うだろうなぁ」とは思ったが、
ほんとによく合った。天気もほどよく、緑をゆらす風が
心地いい。サニーデイとしては19年ぶりの野音とのこと。

MCは一切なしで、次から次へと新旧とり混ぜたセットを
プレイし続け、気づけば21曲。あっという間の本編が終了。
時に優しく、時に甘酸っぱく、時に狂気にほとばしらせる、
バンドの歴史をも感じさせる圧巻のライブだった。

チケットは普通にぴあで取ったが、なんと前から2列目と
いう超良席だった。ただ失礼ながら曽我部恵一はじめメン
バーはどこから見ても「もっと近くで見たい」という風貌
ではない。この運、別な時に使いたかった…。

ベストアクトは「96粒の涙」にしようかな。この曲好きな
んです。



2017年9月3日日曜日

トム・アット・ザ・ファーム


☆☆☆★★    グザヴィエ・ドラン   2014年

映画は主人公の若者(トム)が、友人の葬儀に参列するため、
友人の生家を訪れる場面から始まる。家人は不在。だが偶然、
鍵を発見してしまったトムは家に上がり、ダイニングで友人
の母親を待つことにする。しかし長時間の運転の疲れか、い
つしか眠り込んでしまう…。

友人の家は農場を持ち、酪農を営んでいるようだ。
死んだ友人、その奇妙な兄、息子の唐突な死に疑問を持って
いる母親。友人が不在のまま、友人の一家にからめとられ、
身動きがどれなくなっていくトムの様がなかなか恐ろしい。
しかし奇妙な兄の行動原理が不明というかなんだか人物像が
定まっていないような感じがしてしまう。そこが狙いなのか
もしれないが。

観終わって初めて知ったのは、トムを演じていたのがグザ
ヴィエ・ドランだったということ。これには驚いた。『息
もできない』で、ヤン・イクチュン自身があの頭の悪そう
なチンピラ役だったことにも驚愕したけど、グザヴィエ・
ドランもこう言ってはなんだが、風貌からはただのナイー
ブな若者に見えた。


                                                       8.19(土) キネカ大森


2017年8月23日水曜日

たかが世界の終わり


☆☆☆     グザヴィエ・ドラン    2017年

ひさびさに名画座。
目黒シネマの『3月のライオン』前後篇とけっこう迷った
のだが、カナダの新鋭グザヴィエ・ドランの2本立てに落
ち着いた。しかしカンヌのグランプリということでちょっ
と身構える。

最初は主人公のいくぶん感傷的なモノローグで始まる。
12年ぶりに故郷に帰って、家族に「あること」を告げなく
てはならない、という内容で、どうやら死期が迫っている
ようだ。
家族は主人公を温かく迎えようと懸命になるが、劇作家と
してある程度の成功を収めているらしい主人公と、田舎暮
らしに満足しながらも忸怩たる思いも感じているらしい家
族との間でどうしても齟齬が生じていく…。

ほとんどワンシチュエーションで、たいへん予算のかから
ない映画だなというのが第一印象。誰も悪意を持っている
わけではないのに感情がもつれあい、悪化していくという
芝居はよく切り取られている。孤立する主人公ともっとも
通じ合っているのが兄の奥さん(マリオン・コティヤール)
という"他人"というのは象徴的である。どことなく『東京
物語』を想起させる。

                                                  8.19(土) キネカ大森


2017年8月12日土曜日

誘う女


☆☆☆★    ガス・ヴァン・サント   1996年

ニコール・キッドマン大好きな小林信彦が、コラムでニコー
ル・キッドマンの話になるたびに何度も言及するので、ずっ
と観たかった。原題は"To Die For"で、どう訳せばいいのか、
「君のためなら死ねる」みたいなことか。…いま検索してみ
たら、「死んでもいいくらい」「死ぬほど」という表現で、
わりとよく使うみたいです。若者ことばなのかもしれない。

映画を観終わって私は『ゴーン・ガール』を思い出した。つ
まりこちらも殺人が絡む悪女モノというか、わりにグロテス
クな話である。ニコール・キッドマンは美貌を武器にジャー
ナリストとしての名声を得ようと枕営業も辞さないお天気お
ねえさんを演じていて、こんな頭の弱そうなチャンネーの演
技もできるんだ、という驚きがある。枕営業ぐらいで終わっ
ていれば映画にはならないが、学生たちを手玉にとって操り
だしてから、だんだん話は大ごとになっていく。

これも実際の事件がモチーフになっているらしく、最近はそ
ういう映画ばかりで閉口だが、ガス・ヴァン・サントは昔か
らこの手法が得意みたいですな。

                                                   8.6(日) BSプレミアム


2017年8月6日日曜日

獣道


☆☆☆★      内田英治     2017年

伊藤沙莉の主演映画!
ということで、知らない監督だがお祝いがてら観に行く。
親のネグレクト、新興宗教団体のサティアンの中で育った
少女、不良とつるみ、ヤクザに殺されかけ、しぶとく生き
延びるがやがて身体を売り始め、母親の元へ帰るが母親は
また別の宗教に夢中で…。最後はAV女優にまで至るその
転落人生を一定の距離を持ちながら常に見守っているのが、
すっかり青年になった須賀健太。いまやもうAV女優は転落
ではない、という言い方もあるが。

なんとくわかると思うけど、園子温っぽい感じもある。
私はオープニングのシーンが時系列的にどこに入るのかが
分からなくて、ずっともやもやしていた。伊藤沙莉は当然
うまかった。ヌードありラップあり。

                                             7.30(日) シネマート新宿









<ツイート>
最上もが、でんぱ組を脱退…。がーん。
紫色のサイリウムを振りながらライブを観るのが今年の
目標だったのに。それに向けて学習にも余念がなかった
のだが…。



2017年7月20日木曜日

美しい星


☆☆☆★★     吉田大八    2017年

今年の注目作! と思って楽しみにしていたのに、
都内のTOHOシネマズははやばやと上映をやめて
しまい、なぜかあっという間に観られなくなって
なった。そんなにやる気がないんならやめちまえ!
と怒鳴りたくもなる。TOHOシネマズにはもう何
も期待しないことにする。それとも、もしかして
世紀の大駄作なのだろうか…と観る前から不安ば
かりが募る。

結局、アップリンクで鑑賞。
全然わるくない。というか、おもしろい。
個人的には金沢の海で橋本愛と金星人のストリー
トミュージシャンがUFOを呼ぶところが最大のク
ライマックスで、あとは下降線をたどった感はあ
あるものの、これはよくできてる。そして橋本愛
はめっちゃキレイやん。リリーさんの決めポーズ
には場内からもこらえきれない笑いがもれる。

こういう「一見、意味がなさそうで、実はありそ
うで、ほんとにない」映画が大好きである。三島
の原作にはいったいどこまで忠実だったのだろう。

                                     7.7(金) アップリンク


2017年7月18日火曜日

読書⑦


『鷺巣詩郎 執筆録1』
鷺巣詩郎 著  DU BOOKS

私にとって「鷺巣詩郎」といえば「エヴァンゲリオン」
シリーズの劇伴すべてを手がける作曲家、そして長髪
のオッサン、という認識の範囲を出なかったのだが、
雑誌連載をまとめた本書を読むと、ブラック・ミュー
ジックをこよなく愛する氏の姿がよく表れていて、非
常に好感がもてる。そうか、MISIAとかCHEMISTRYも
やっていたのね。
とはいえ、このエッセイから浮かび上がるのは、ザ・作
曲家という感じの、ロンドンとパリと東京を拠点に、殺
人的な移動を繰り返しながら作曲とスタジオ作業に字義
通り明け暮れている毎日である。コンソールやシンクや
コンプの話をプロ中のプロから聞けるのもおもしろい。
「執筆録2」が出たら読もうと思う。









『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
最果タヒ 著   リトルモア

映画を観た帰りに立ち寄った本屋で見かけて、出版社も
知り合いのいるところだし、「応援、応援」とつぶやき
ながら購入。40分もあれば読み終わる詩集である。

詩の良し悪しを語る言葉というのを私はあまり持たない
ので感想は特にないのだが、あえていえば感受性が書か
せている詩という感じ。女性特有の、とか、若い感受性
で、とか、すぐに未映子さんに攻撃されそうな陳腐な言
葉は使いたくないものの、でもこういう詩って都会の本
好きの女子高生っぽい。








<ツイート>
都議選からこちら、週刊誌には堰を切ったように遠慮の
ない政権批判の言葉が並ぶ。私は別に小池百合子に何か
を期待して投票したわけではないけども、
"溜飲がさがる"って、このことだよね。

2017年7月15日土曜日

レ・ミゼラブル


「ミス・サイゴン」に続いて2度目のミュージカル。
映画版を観ていたので、あらすじと「民衆の歌」ぐらいは
知っていたということがおおいにプラスに働いた。歌で話
が進んでいくので、何も知らないとやはり大事な単語を聞
き取れなかったりして、どんどん置いてきぼりになるよう
な気がする。

運良く乃木坂のいくちゃんがコゼットを演じる日だった。
ちゃんと歌えていたし、可愛かったと思う。眼鏡かけても
表情までは見えず…。コゼットは最後マリウスと結婚する
とても重要な役柄なのだが、レパートリーとしてはそれほ
ど歌唱力を要求する曲がないため、伝統的にゲスト枠とい
うか、ミュージカル専門でないアイドルとかが抜擢される
役なのだそう。反対にマリウスを想いながら結ばれないエ
ポニーヌは高度な歌唱力が要求される。今回もエポニーヌ
の歌がいちばん良かったように思う。

                                                         6.24(土) 帝国劇場


2017年7月4日火曜日

中間報告


もう半年かよ!

なんか…いいかげんにして欲しいですな。
この上半期、おまへはいったい何をしていたのだと…
吹き来る風が私に云ふ…

ここまでの本数ですが、

 32本

ちょっとさびしい数字ですな。
去年は何本だったっけーと思いふりかえれば、
なんと、62本。観すぎだろ。

今年は新作あんまり観てないんすよねー。
印象に残ってるのは『沈黙』『お嬢さん』ぐらい
でしょうか。旧作は『仁義なき戦い 頂上作戦』
と『トーク・トゥ・ハー』がかなりよかったです。


映画の代わりにライブにはよく行ってますかね。
年始のでんぱ組.incのライブ初参戦以降、「次は俺
もサイリウムを振って最上もがを応援したい!」と
いう胸騒ぎに駆られて、3枚組のベスト盤を聴きま
くっていました。

そんな感じで下半期も、がんばっぺ、みね子!

2017年7月2日日曜日

めぐりあう時間たち


☆☆☆★     S. ダルドリー    2003年

1920年代、1950年代、2000年代の3人の女性の物語が
交錯しながら進んでいく。私は20年代のヴァージニア・
ウルフの話がおもしろかった。ちょっと結婚すると大変
そうだが。
テロップに頼らずカットからカットで無理なく、ときに
あざとく時空を行き来する編集はなかなか見事。という
かこの場合は、ちゃんとそういう計算の元に「撮った」
ことが見事である。

なんやかやで、スティーヴン・ダルドリーの映画は
『リトル・ダンサー』
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
に続いて3作目。
そしてなにより『ダロウェイ夫人』が読んでみたくなる。
ちょうど光文社古典新訳文庫で出たばかりのを買って来
たので、なるべく早く読みたいが…。いつになるやら。

                                            6.26(月) BSプレミアム


2017年6月30日金曜日

【LIVE!】 チャットモンチー


チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017

 1. レディナビゲーション
 2. 隣の女
 3. 恋の煙
 4. バースデーケーキの上を歩いて帰った
 5. とまらん
 6. いたちごっこ
 7. 染まるよ
 8. 変身 (GLIDER MIX)
 9. 8cmのピンヒール
10. 消えない星
11. majority blues
12. Magical Fiction
13. こころとあたま ~ 湯気
14. 風吹けば恋
15. シャングリラ

<Encore>
16. M4EVER
17. 満月に吠えろ

                            6.19(月) EX THEATER ROPPONGI


えっちゃんの結婚、出産を経て、また2人体制に戻った
チャットモンチー。『共鳴』以後はシングルが2枚出た
だけと思われるが、ツアーをしているので観に行く。

最初TMネットワークばりにふたりしてシンセに向かって
何曲かやり出したときは当然とまどったしその何曲かは
ちっとも良くなかったが、まあ変化を止めると死んでし
まうチャットモンチーである。客のとまどいなんてとっ
くに折り込み済みだろう。あっこがドラムを叩き出して
からはまあまあ良かった。しかしベースって無いとやっ
ぱり物足りない。

この日はえっちゃんの声の調子がいまひとつ。だましだ
まし最後までやったが、翌日は延期になった。
ベストアクトは「満月に吠えろ」。この曲のギターソロ
が好き。

2017年6月27日火曜日

【LIVE!】 相対性理論


証明Ⅲ

 1. ウルトラソーダ
 2. ベルリン天使
 3. とあるAround
 4. ケルベロス
 5. 夏至
 6. キッズ・ノーリターン
 7. 13番目の彼女
 8. ペペロンチーノ・キャンディ
 9. バーモント・キッス
10. 弁天様はスピリチュア
11. スマトラ警備隊
12. 帝都モダン
13. ロンリープラネット
14. 応答せよ
15. おやすみ地球
16. FLASHBACK
17. わたしは人類

<Encore>
 1. LOVE ずっきゅん
 2. 天地創造SOS

                                     6.17(土) 中野サンプラザ

ライブ自体はいつも通り。
曲間にはやくしまるがゆっくり水を飲む時間がある。
水を打ったように静まりかえるとはあのことだろう。
ベストアクトは「FLASHBACK」。やはりこの曲、ライ
ブ映えする。

こないだのバックホーン以来、中野サンプラザの響きの
良さが気になっている。
先日の森山直太朗も今回の相対性理論も、色んな会場で
聴いているけど、やはりサンプラザの音がいちばん良い
気がしている。気のせいか。いや、押しつけがましくな
い低域と心地よい残響が演奏を3割増にしているのはま
ず間違いなかろう。

ここで山下達郎を聴いてみたいものじゃのう。しかしチ
ケットは取れない。どうしたもんじゃろのう。

2017年6月23日金曜日

続・激突!/カージャック


☆☆☆★★    S. スピルバーグ    1974年

スピルバーグにだって新人時代があった。
この映画が彼の劇場デビュー作である。高名な『激突!』
はテレビ映画で、劇場公開作ではないらしい。へぇ。

原題は"The Sugarland Express"、この時代にはよくある
ことだが、『激突!』とはまったく関係ない独立した映画
である。Sugarlandはアメリカの地名。里親の元に引き取
られてしまったわが子を奪還すべく、まだ刑期の残ってい
る夫を脱獄させ、パトカーを奪って警官を人質にしながら
一路Sugarlandを目指した実在の(!)夫婦の話である。

内容に反してサスペンス色は薄く、警官の追跡もなんだか
本気じゃないというか、のんびりしているというか、牧歌
的である。しかし弛緩しそうになると突然凄まじい銃撃戦
やカーチェイスが始まったりして、このへんのバランスは
さすがにデビュー作から秀でているような気がするぞ、ス
ピルバーグ。栴檀は双葉より芳し。ちょっと違うか。

                                               6.15(木) BSプレミアム


2017年6月21日水曜日

赤線地帯


☆☆☆      溝口健二     1956年

劇中では、売春防止法が成立せずに2度流れ、みたび
国会で激論が交わされている様子がラジオから聞こえ
てくる。そんな時代の、いまは公認なのにもうすぐに
でも違法になるかもしれない赤線地帯で、絶望を抱え
ながらもたくましく生きる女たちの群像劇。

大阪から流れてきた京マチ子のはねっかえりぶりを仲
介業者が表現した「アプレのプレプレ」という言い回
しが素晴らしい。

画像はお店のナンバーワンですさまじい金の亡者を演
じた若尾文子。

                                           6.14(水) BSプレミアム


2017年6月18日日曜日

トゥルー・グリット


☆☆☆★★   ジョエル/イーサン・コーエン  2011年

コーエン兄弟による西部劇。"TRUE GRIT"は「真の勇者」
と訳されていた。『勇気ある追跡』(1969年)と同じ原
作に基づいているとのこと。要はリメイクだ。

14歳の少女の独白から始まる。その独白で早くも
「父親を殺して金を奪った犯人を追跡して復讐を遂げた」
ということが明かされる。結末が先に分かっても、俺た
ちの映画で退屈させることは無いぜ、というコーエン兄
弟からの挑戦状にしか聞こえない。

この少女がめちゃくちゃ変わっていておもしろい。復讐
を成し遂げるため、弁護士と訴訟をちらつかせて海千山
千の男たちを説得・脅迫していく姿はタフそのもので痛
快である。「ひよっこ」でいえば豊子。

犯人は先住民の居留地に逃げ込んだという。法の支配す
る街ではタフな豊子が、法律など通用しない、もっとヘ
ビー・デューティな世界に身を置いたときにどう困難を
乗り越えるかという物語になっている。

ラストのサーカス団とのやりとりだけが分からなかった。
なぜ彼女は団長を痛罵したのか?

                                             6.14(水) BSプレミアム


2017年6月17日土曜日

メッセージ


☆☆☆★     ドゥニ・ヴィルヌーヴ     2017年

宇宙から12体の巨大なばかうけが飛来する映画としてすっか
り有名な原題"ARRIVAL"を観て来た。
昨年のInterBEEでこの映画の音響デザインを担当した人物の
講演を聞いて興味を持っていたからである。その方、『ロー
ド・オブ・ザ・リング』シリーズや『ホビット』シリーズな
ど世界的な超ヒット作を手がけている音響デザイナーだった
のだが、あいにくファンタジー映画に興味がないため1本たり
とも観たことがなくて、自分の不勉強を恥じたものである。

『2001年』のモノリスとは違い、この「物体」には宇宙人が
乗っていることが序盤から分かっている。問題は、言葉の通
じない彼らが「何のために」地球に来たかを質問したいのだ
けど、相手の答えは分からないし向こうがこちらの質問を理
解したかどうかも分からんじゃないかということで、気鋭の
言語学者(エイミー・アダムス)と物理学者が呼び出されて
宇宙人との究極のコミュニケーションを図るというなかなか
おもしろい趣向である。物理学者がもうちょっと活躍してく
れるとよかったのだが。

                                             6.11(土) 渋谷HUMAXシネマズ


2017年6月14日水曜日

獄門島


☆☆☆       吉田照幸      2016年

長谷川博己を主演にリメイク。
昨年の放送時にはなぜか録画できておらず、一瞬意識
が遠くなった。ま、でもすぐ再放送あるだろと思って
いたら、なかなか無かったね。

長谷川博己の金田一はあえて石坂浩二ののんびりした
感じを排除して、機敏で理知的で時に狂気をたたえた
人物像として提示されている。それにしては連続殺人
を食い止めることができてないが…というのはあらゆ
る推理モノについて言えることだから言わないでおく。
大原麗子がやった役は仲里依紗が務めた。「この女、
可愛いけど絶対関わらない方がいい」感に関しては大
原麗子に遠く及ばないが、悪くはなかった。

「きちがいじゃが、仕方がない」もちゃんと音声を消
されず放送されてひと安心。往年の佐分利信が演じた
役をできるのは、たしかに奥田瑛二だけかもしれない。

                                           5.30(火) BSプレミアム







<ツイート>
文春の小林信彦さんのコラムが掲載されなくなって
もうひと月になる。体調を崩しておられるのだろう
か。私が文春を毎週買うようになったのは高島俊男
の「お言葉ですが…」を読むためだったが、高島氏
のコラムが終わってからも小林さんのコラムを読む
ために買い続けて、今に至る。回復を祈ります。

2017年6月7日水曜日

夜空はいつでも最高密度の青色だ


☆☆☆     石井裕也    2017年

石井裕也の最新作は最果タヒの詩集が原作! 
危ないですよねー。それを耳にしてまず大丈夫か
いなという心配はしたけれども、彼はクレバーな
ひとなのでまあ目を覆うような悲惨な映画にはな
りますまい。

主演は向かう所敵なしの池松壮亮と、ほぼ新人の
石橋静河。石橋凌・原田美枝子夫妻の娘だって!
お母さんにはあんまり似てないかな。

都市に生きる若者の孤独、生きづらさ、閉塞感。
そんな言葉を付与できそうな内容だったが、いた
ずらに登場人物がポエムな台詞を口走ったりはせ
ず、ひと安心。渋谷、新宿、見慣れた風景である。
突然死する先輩の役で松田龍平も出演。

                                  5.27(土) ユーロスペース


2017年6月4日日曜日

【LIVE!】 THE BACK HORN / ORANGE RANGE


対バン。昔は大嫌いだったオレンジレンジ。
ミクスチャーという音楽につきまとう「まがいもの感」
を悪びれることなく全身で体現しているように当時の
私には見えたのである。でも今かんがえると、そのこ
と自体はそんなに毛嫌いするようなことではないと思
える。「まがいもの感」をひた隠しにする方が悪質だ
と今なら思えるのだが。

当時はくだらない曲だと唾棄していた「イケナイ太陽」
がけっこう気持ちいい。2曲歌い終わり、
 どー考えても存在として正反対でしょ?笑
 バックホーンがなんかこう、海の深いところに棲む
 「深海魚」だとしたら、俺たちどー見ても「熱帯魚」
 だもんね。
という沖縄弁のMCに会場が湧く。

[ORANGE RANGE]
01. オポロナアゲハ
02. イケナイ太陽
03. お願い!セニョリータ
04. Special Summer Sale
05. SUSHI食べたい feat.ソイソース
06. リアル・バーチャル・混沌
07. GOD69
08. チェスト
09. キリキリマイ


対するバックホーン。
久しぶりの「ヘッドフォンチルドレン」が嬉しい。
新曲もいい感じだった。ただやはり「あなたが待っ
てる」と「With You」のピアノが違和感。それを
言っちゃおしめえよかもしれないけど…だって誰も
弾いてないじゃん!

[THE BACK HORN]
01. 魂のアリバイ
02. ビリーバーズ
03. 声
04. 始まりの歌
05. 罠
06. ジョーカー
07. ヘッドフォンチルドレン
08. あなたが待ってる
09. 覚醒
10. 上海狂騒曲
11. コバルトブルー
12. シンフォニア

Encore
01. With You
02. 孤独を繋いで(新曲)
03. 刃

                                   5.24(水) CLUB CITTA' 川崎

ベストアクトは「ヘッドフォンチルドレン」。

2017年6月1日木曜日

グラディエーター


☆☆☆    リドリー・スコット   2000年

アクション超大作にはさほど興味ないのだが、アカデ
ミー作品賞を得ているということで観てみることにし
た。世評もなかなか高い。

2時間35分の長尺を飽きずに観られたのだから及第と
すべきかもしれないけれど、「金のみっちりかかった
凡作」という印象を最後までぬぐえず。というか、最
初の合戦のシーンが最もよく、人間ドラマと復讐劇に
なってからだんだん落ちてきて、クライマックスの皇
帝との決闘が決定的にダメだった。あれで納得いく人
がいるのかね。

でもこういう映画は、大きい映画館のデカいスクリー
ンで満員の客と一緒にハラハラしながら観てこそだろ
う。うちの32型の貧弱なテレビなんかで観て申し訳な
かった。

                                       5.17(水) BSプレミアム


2017年5月30日火曜日

【LIVE!】 スガフェス!


"20年に一度のミラクルフェス"と銘打たれたスガシカオ
主催のフェスに行って来ました。チケットを買ったのは
ちょうど1年前。まだ出演者も何も発表されてない段階
だったが、お布施のつもりでプレミアム席を2枚購入。
シカオちゃんにはいつもお世話になってるから…と、な
ぜか商店街で隣の店のおやじのような感覚に近い。

それから1年、豪華な出演者が発表されていき、なかなか
気合いの入ったフェスであった。ミスチルは予想できた
けど、バックホーンが来るとはね。詳述している時間が
無いので、出演者の列記にとどめることをお許し願いた
い。


怒髪天
THE BACK HORN
UNISON SQUARE GARDEN
ふなっしー
RADIO FISH
稲川 淳二
Mr.Children
メインステージ 第二部
SKY-HI
スガンプーユ
(山村 隆太(flumpool)&高橋優×スガ シカオ)
水樹奈々
ポルノグラフィティ
kōkua
スガ シカオ

      5.6(土) さいたまスーパーアリーナ

ミスチルのセットリストだけ載せておきます。

1. fanfare
2. 擬態
3. Tomorrow never knows
4. 跳べ
5. 終わりなき旅
6. ファスナー(with スガ シカオ)

この日のベストアクトはなんとスガシカオではなく、
「Tomorrow never knows」。ごめんシカオちゃん。
でも良い曲すぎた。

画像は、正直いってあまり怖くはなかった稲川淳二。


2017年5月17日水曜日

マリー・アントワネット


☆☆☆★   ソフィア・コッポラ   2007年

毀誉褒貶あるようだが、私は単純に楽しく観られた。
アメリカン・ポップスに彩られ、なぜか英語を話す
マリー・アントワネット。『ラストエンペラー』で
慣れっことはいえ、いったいどういう心持ちでこの
オーストリアから嫁いで来たフランス王妃に「今回
は英語を喋ってもらおう」と決断するのだろう。そ
こに葛藤は少しでもあるのだろうか。いや、少しで
もあるんならいいんだけど。
キルステン・ダンスト、かわいいですね。単なるわ
がままな王妃でもなく、単なるバカ王妃でもない感
じにちゃんとなっているのは、このひとの演技によ
る部分も多かろう。

                                               4.29(土) BS日テレ


2017年5月15日月曜日

読書⑥


『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』
村上春樹 著   中央公論新社

村上春樹が手がけてきた翻訳の本、翻訳のやり方、
翻訳という営為の位置づけ、翻訳への思い、など
などを語りまくっている。「横のものを縦にする」
のが単純にたのしい、という春樹のさまがとても
よく伝わってくる。

私もいちおう村上主義者のはしくれとして、春樹
の翻訳したものは8割ぐらい読んでいると思う。
だがひるがえって考えても「名訳」と心底から思
うようなものは、実は思い当たらない。春樹はや
はり海外文学のすぐれた紹介者であると思う。
フィッツジェラルド、チャンドラー、カポーティ、
サリンジャー、アーヴィング、ヴォネガット、そ
してもちろん、カーヴァー。もし村上主義者でな
かったなら、私はこれらの作家に出会えていただ
ろうか。(この中でヴォネガットだけは訳してな
いですね)








『みみずくは黄昏に飛び立つ』
川上未映子 訊く 村上春樹 語る

こちらは以前"MONKEY"に載ったインタビューの続き、
というか大幅な増補というべきか。しかしただのインタ
ビューでは「あらない」。『職業としての小説家』と同
じ内容を話している部分も多いのだが、こちらは話し言
葉なのもあり、また違った率直さが感じられる。

春樹が過去の作品のことを「よく覚えてない」と連発す
るので、大部分は最新作『騎士団長殺し』に関したもの
となっている。それどころか副題になっている「イデア」
のことも、本当のところよく知らないし調べてもいない、
プラトンも別に読んでないと言って、川上さんを絶句さ
せている。でもインタビュアーとしての川上さんは勘が
良いと思う。春樹もいたく気に入っているようですし。

このあとは『卵を産めない郭公』を読まなければ。まだ
『プレイバック』も読んでいないのに。はあ。








2017年5月11日木曜日

【LIVE!】 森山直太朗


15thアニバーサリーツアー「絶対、大丈夫」

 1. 嗚呼
 2. 魂、それはあいつからの贈り物
 3. 夕暮れの代弁者

 4. 太陽
 5. 風花
 6. フォークは僕に優しく語りかけてくる友達
 7. 夏の終わり
 8. うんこ
 9. どうしてそのシャツ選んだの
10. 生きてることがつらいなら
11. とは
12. 金色の空

13. 星屑のセレナーデ
14. 電車から見たマンションのベランダに干してあったピンク色のシャツ
15. 坂の途中の病院
16. 今が人生
17. 君は五番目の季節
18. どこもかしこも駐車場
19. さくら (独唱)

<Encore>
 1. 12月
 2. 絶対、大丈夫(新曲)

                                        4.27(木) 中野サンプラザ

だいぶ久しぶりにみた直太朗は、やはりあいかわら
ずだった。軽快なフットワークと軽薄なトーク、心
地よい歌唱力で、歌詞がよく聞き取れるので知らな
い曲でも楽しめる。近年、直太朗はまじめに勉強し
ていないので知らない曲も増えてきた。でも一方で、
「夕暮れの代弁者」「坂の途中の病院」「12月」な
どの私が直太朗のラジオを熱心に聞いていた頃の曲
をやられると、たちまちまっすぐに胸に飛び込んで
きて困ってしまう。懐かしい。

ベストアクトは「どこもかしこも駐車場」。良い曲
だな、と素直に思う。「坂の途中の病院」のクレイ
ジーな感じも捨てがたいけれど。

2017年5月9日火曜日

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に


☆☆☆★    庵野秀明    1997年

観てはじめて知ったけど、こちらがほんとうにTVシリー
ズの25話と26話を作り直したものということらしい。
25話が「Air」、26話が「まごころを、君に」。
地球を綾波が包み込んでいる有名なカットや、ミサトの
「大人のキスよ」の名セリフなどは、TVシリーズには無
く、こちらに含まれている。

冒頭の病室でのシンジには、「え、シンジってそんな奴
だったっけ…」という違和感がぬぐえないし、ラスト、
ファンをも突き放し、観ている者すべてを拒絶するよう
なアスカの終幕のセリフに(知っていたけど)衝撃を受
ける。

                                            4.24(月) BSプレミアム


2017年5月3日水曜日

ランブルフィッシュ


☆☆☆★★    F. F. コッポラ    1983年

暴力に生きる、むしろ暴力にしか生きられない若者たち
を、どちらかが死ぬまで闘いをやめない"闘魚"になぞら
えた青春映画。83年のコッポラにしてはえらく若いフィ
ルムである。『ゴッドファーザー』のような超大作のあ
とにこういう学生映画の小品のようなものを撮るひとは、
ハリウッドには珍しいのではないか。

モノクロの画面の中、ミッキー・ロークだけがモノロー
グのようにボソボソと響きのない声を発するのがカッコ
いい。音楽はスチュアート・コープランド。クールであ
る。

水槽の魚を川に逃がして海にかえすというモチーフは、
『アカルイミライ』を思わせないこともない。ま、黒沢
清は別に意識してないとは思うが。

                                               4.22(土) BSプレミアム


2017年5月1日月曜日

ブルース・ブラザーズ


☆☆☆★    ジョン・ランディス   1980年

ブラックミュージックにいろどられた、「おかしな二人組」
による珍道中といったところで、マフィアものなんかをパ
ロディにしながら笑わせてくれる。

JBやレイ・チャールズは顔知ってるから分かったが、アレ
サ・フランクリンやチャカ・カーンも出てたのね。

                                                    4.15(土) BSプレミアム


2017年4月27日木曜日

EVANGELION : DEATH(TRUE)2


☆☆☆       摩砂雪      1998年

アニメ版の最後の方があのようなことになってしまった
ので、劇場版であらためて描き直され…というような説
明を時折目にしてはいた。「あのようなこと」がずっと
分からずにいたのだが、このたびBSプレミアムの再放送
のおかげで26話すべてを観ることができ、「あー、なる
ほどねぇ…」と得心がいった。

これはいわゆる総集編のようなものと考えていいのだろ
うか。テレビ版をいちど解体して、スタイリッシュに再
構築したような作品になっている。なんだろう、おもし
ろいと言えなくもないが、特に血がたぎるようなことは
ない。

                                         4.10(月) BSプレミアム


2017年4月23日日曜日

レント ライヴ・オン・ブロードウェイ


☆☆☆★   マイケル・J・ウォーレン  2008年

ブロードェイでのファイナル公演を収録したもので、劇
場公開はされていないようだ。しかし後世に残すため、
明確なカット割りのもと、客も入れずに公演をまるごと
収録したという「ドキュメント性」を鑑みて、1本とカ
ウントさせていただく。

映画なら、観ていないものまで監督は誰だの俳優は誰が
出てるのどんな話だのと詳しかったりもするのだが、こ
とミュージカルに関しては予備知識はゼロである。
"RENT"とは「家賃」のことなのね。

主人公はロジャーとマークだろうが、「エンジェル」と
いう役の説得力が、この物語の成否を分けるという気が
する。ここではクリス松村に似た人が演じていたが、な
かなか素晴らしかった。
陳腐な言い方だが、歌というのは人為的な境界など無効
化し、越境していくものである。セクシャリティの壁、
富める者と貧しき者の壁、人種の壁を越えてつながろう、
というような題材にはよく合う。

                                                            4.9(日) DVD


2017年4月16日日曜日

アンタッチャブル


☆☆☆★★   ブライアン・デ・パルマ  1987年

禁酒法というのも面倒な法律だ。そんな法律があったって、
どうせみんな隠れて酒を飲む。その隠れて飲む酒を供給で
きるのは誰かというと、どうしたって闇の組織ということ
になる。だが闇組織を取り締まる警察の人間も、密造酒を
飲む。グレーな領域には利権や口利きの余地が生まれ、袖
の下が横行し、おいしい思いをする者が現れる。ややこし
い。

そんな時代に闇組織の頂点にいたアル・カポネを摘発する
べく立ち上がった財務省の捜査官がケビン・コスナー。困
難な道であることは言うまでもない。正義感と、相当なタ
フネスを求められる役である。仁義なき世界であり、「獲
るか獲られるか」の世界だ。ケビン・コスナーは、清廉な
イメージは良いが、ちょっと線が細い気もした。対するア
ル・カポネを演じるのはロバート・デ・ニーロ。迫力では
デ・ニーロの圧勝に終わった。バットを持って演説する場
面のヒヤヒヤすることと言ったらない。思わず胃がキュッ
となる。最後の乳母車と銃撃戦のシーンは何かの引用なん
ですか。すいません、映画史に疎いもので知りませんでし
た。

                                                      4.5(水) BSプレミアム


2017年4月14日金曜日

マラソンマン


☆☆☆   ジョン・シュレシンジャー   1976年

このへんの時期のダスティン・ホフマン出演作には妙
に心惹かれるものがある。フィルモグラフィーから私
が観たのを抜き出すと、『卒業』(67年)、『真夜中
のカーボーイ』(69年)、『クレイマー、クレイマー』
(79年)、『レインマン』(88年)。この間20年。
どれも鮮烈な存在感である。唯一無二。すばらしい。

しかしこの映画はなぁ…。
何度も首をかしげたくなるような展開が続き、「上出
来のサスペンス」とはとても言いかねる。なんとなく
それらしい雰囲気はあるので、説得されようと努力は
してみたが、「いやいやおかしいでしょ」がつい出て
しまう。歯の神経を痛めつける拷問かぁ。いやすぎる。
『アウトレイジ』で石橋蓮司の口の中を器具でぐちゃ
ぐちゃにするシーンはここから来ているのか。

                                           4.2(日) BSプレミアム


2017年4月12日水曜日

【LIVE!】 Base Ball Bear


バンドBのすべて 2016-2017

01. BREEEEZE GIRL
02. senkou_hanabi
03. 彼氏彼女の関係
04. ストレンジダンサー
05. BOYS MAY CRY
06. SCHOOL GIRL FANTASY
07. Transfer Girl
08. short hair
09. 初恋
10. 17才
11. 曖してる
12. Tabibito In The Dark
13. yoakemae (take2)
14. 海になりたい part.2
15. PERFECT BLUE

<Encore>
01. SHINE (新曲)
02. The Cut

                   3.29(水) ZEPP TOKYO

昨年の豊洲PIT以来、つまり湯浅脱退以来はじめて観る
ライブ。知らないひとに説明するとすれば、ミスチルか
ら田原さんが抜けるようなものである。詞曲は桜井さん
だし、ギターも桜井さんが弾けるけども、えーマジで抜
けちゃったの……という衝撃。しかしこういうドラマも
含めてバンドというもののおもしろさではある。

MCでも言ってたが、バンドはいつも通りというか、い
つも以上に過密なライブスケジュールを組んで、サポー
トギターを迎えながら着実にこなしてきた。私は「へえ、
止めたくないんだなー」と若干の尊敬の念を覚えながら
も傍観してきたわけだが。

今回はベスト盤のツアーということで、しかも行ってみ
てわかったけど最終日で、事前にファン投票でやって欲
しい曲を募ったりしてたことはまったく知らずに行って
しまい、ちょっと申し訳なかった。

サポートギターは弓木英梨乃さんという方で、どうやら
このひとに定着しつつあるようだ。新生KIRINJIのメン
バーでもあるらしく、私は知らないうちにCDとはいえ
すでに彼女のギタープレイを耳にしていたらしい。ぽっ
ちゃりめの可愛い女の子だが、出す音はチャットのえっ
ちゃん並みにソリッドで攻撃的だった。単純に音量がデ
カかったせいもあるが。

ベストアクトは「曖してる」かなー。
やっぱ「ソロ合戦」みたいなのが楽しい!

2017年4月9日日曜日

グッバイ、サマー


☆☆★★★   ミシェル・ゴンドリー   2016年

2本目はミシェル・ゴンドリー。
女の子みたいな見た目をからかわれている少年ダニエルは、
機械いじりが好きでガソリンの臭いをさせている風変わりな
テオと仲良くなる。ふたりは自由を求めて(青春映画はいつ
も自由を求める)ログハウスにエンジンとタイヤを装備した
キャンピングカーで旅に出る。

私はロードムービーにはついつい気を許してしまうのが性な
のだが、本作はいったいどこをどうおもしろがればいいのか、
退屈きわまりなかった。何も良いところなかったなー。

                                                         3.29(水) 目黒シネマ


2017年4月7日金曜日

裸足の季節


☆☆☆★★   D.G.エルギュヴェン   2016年

古い慣習に抑えつけられた美しい5人姉妹が自由を求めて
あらがう様を描いたトルコ映画。昨年、ちょっとした評判
だった。

評判に違わぬおもしろさと瑞々しさをみなぎらせたフィル
ムにしばし陶然となった。5人姉妹の弾けんばかりの肢体
でいっぱいになった画面を眺めているだけで幸福な気持ち
になる。
古い慣習とは端的にいえば処女信仰であって、婚前交渉な
ど論外どころか身の破滅、もっと言えば自死ものなのであ
る。もちろん女の方にだけ課せられた因習なのは言うまで
もない。

5人姉妹の両親は亡くなっており、祖母と叔父によって厳
しく育てられているわけだが、叔父のふるまいがおかしい
カットが2回ほどあった。いずれも夜中で、別の部屋に行っ
てたのか、車で外から帰って来たのか…? 暗くていまい
ちよく分からなかった。

                                                  3.29(水) 目黒シネマ


2017年4月4日火曜日

お嬢さん


☆☆☆★★    パク・チャヌク   2017年

パク・チャヌクは『渇き』が印象に残っていて、『イノ
セント・ガーデン』はパスしてしまったが、ずっと気に
なっていた。このたび145分の大作を上梓した("上梓"は
しか使いません 校閲部)と聞いて、魅了されるか心底うんざり
するかのどちらかだと確信し、観に行くことにした。

戦前の朝鮮。貧民街でスリの技術を身に付けてたくまし
く生きている孤児の少女スッキが、詐欺師と結託して莫
大な財産を相続する令嬢に侍女として取り入り、世間知
らずな「お嬢さん」をたぶらかして詐欺師と結婚させる
計画を企てるが……という話。
映像に力があるのは『渇き』で実感していたが、今回は
原作があるからかストーリーもうまく機能しており、2
時間を越しても飽きずに観られた。もちろんエロスもバ
イオレンスもてんこ盛りである。韓国人俳優たちのたど
たどしい日本語がまた異様さを倍加させる。韓国映画っ
てあまり「思わせぶり」で引っ張ったりしないよね。何
かほのめかしたら、もう次にはそのものずばりのシーン
が来る感じ。けっこう好きです。

                            3.26(日) TOHOシネマズ シャンテ


2017年4月2日日曜日

仁義なき戦い 完結篇


☆☆☆★★★    深作欣二    1974年

土曜日、しかも仁義なき戦いの二本立てともなれば、
文芸坐はほぼ満員である。
「完結篇」は菅原文太(広能)と小林旭(武田)が
引退することで終止符が打たれる。それで無益な暴
力の応酬が終わるわけではないが。ある意味で寂し
い幕引きではある。

上映後には、脚本家の高田宏治さんのトークショーが
あった。高田さんは笠原和夫が降りてしまった「仁義
なき戦い」を引き継ぎ、この「完結篇」を書きあげた。
得るものも大きかったが、失ったものや批判もかなり
大きかったことが口ぶりからうかがえた。その辺の空
気感は後から生まれた者には想像するしかないわけだ
が、フィルムを観るかぎり、世間から逆風が吹くほど
悪い出来でもないように思える。シリーズを締めくく
るのに、「広能の引退」というのは無理のない着地だ
ろう。

             3.25(土) 新・文芸坐