2020年9月29日火曜日

追想

 
☆☆☆  アナトール・リトヴァク  1957年

イングリッド・バーグマン。
ロッセリーニとの結婚生活が終わり、ハリ
ウッドに戻ってきての復帰第1作で、2度目
のアカデミー主演女優賞。これぞまさに女
優、というキャリアですな。

原題は「Anastasia」。ロマノフ王朝の血を
引く皇女アナスタシアをめぐる話なのだから
当然で、ひねりが無いといえば無いが、邦題
の「追想」では何を言いたいのかよくわから
ない。
我こそアナスタシア、というひとが何人も名
乗り出たというのは実話らしい。上流階級の
人間に仕立てるために庶民の娘を教育すると
いう筋は『マイ・フェア・レディ』のようだ
が、あちらの監督はこないだ観た『ガス燈』
のジョージ・キューカーだった。
実は最後まで観てもすっきりしない映画で、
結局イングリッド・バーグマンは何だったん
だ…。

共演のユル・ブリンナーは「王様と私」で有
名なひとだが、スキンヘッドで独特の雰囲気
がある。プーチンの役とかもできそう。

                        8.30(日) BSプレミアム




2020年9月27日日曜日

読書㉒


『武器よさらば』
ヘミングウェイ 著 高見浩 訳  新潮文庫

これは題名からして戦場っぽいな、よしよ
し、とすでに何を期待しているのかよく分
からなくなっているが、ヘミングウェイが
第1次大戦中、イタリアの戦場で傷病兵搬送
車要員として従軍した事実を下敷きにした
物語である。ただし文庫の解説によると、
自身の体験と小説の内容とは大きく違って
いるようである。小説にはかなり壮絶な撤
退戦の迫真の描写があるが、すべて創作ら
しい。私はなんとなく前に読んだ『五分後
の世界』(村上龍)なんかを思い出しなが
ら読んでいた。

これは友人の指摘で思い当たったのだが、
「負傷した兵士が病院で看護婦と結ばれる」
という所までは、この小説と『ガープの世
界』は共通している。もちろんそこからは
全然違う話になるわけだが、ジョン・アー
ヴィングにはひょっとすると『武器よさら
ば』を"上書き"してやるという意気込みも
あったのかもしれない。そのぐらいこの小
説のラストには救いがない…。





『「リベラル保守」宣言』
中島岳志 著    新潮文庫

一時期、新宿中村屋にちょこっとカスる程
度ながら関係のある仕事をしたことがあり、
中島岳志の『中村屋のボース』がずっと気
になっていたのだけど、結局読むことはな
く、その仕事は終わってしまった。
するとEテレ「100分 de 名著」でオルテガ
の『大衆の反逆』がテーマの時に中島岳志
がゲスト解説者として出ていて、その語り
の明晰さに感心した。
脱線するけどあの番組はたまに観ているが、
番組のおもしろさにおける「取り上げる本」
と「ゲスト解説者」の比重は私の見たとこ
ろ3 : 7といったところで、いくら本がおも
しろくてもゲストの話がつまらないとせっ
かくの「名著」までつまらなく思えてしま
う。逆に言うとゲストの話がおもしろいと、
結局は読まないのだが、「お、ちょっと読
んでみるか」と、その時だけは一応思うの
である。

本書で解説される「リベラル保守」という
考え方に、私は特に異存のあるところはな
かった。だからといって保守主義者になる
かというと、私はすでに"村上主義者"なの
で無理で、というのは冗談ですが、「改革」
という言葉が政治的に使われるときの怪し
さ、その意味の変容が明らかな昨今、やた
らと威勢の良いことを言う輩を"疑う"とい
う営為は大事なことである。




2020年9月25日金曜日

さすらいのカウボーイ

 
☆☆☆  ピーター・フォンダ  1972年

『イージー・ライダー』で破格の成功を
収めたピーター・フォンダの監督・主演
作ということで、へえ、意外とシブい映
画がやりたかったんだな…。

原題は『THE HIRED HAND』、つまり
「働き手」。劇中では「使用人」と訳さ
れている。7年も妻と娘をほったらかし
にして放浪していたハリー(ピーター・
フォンダ)が家へ戻るが、妻は彼を認め
ず、ハリーは夫ではなく「働き手」とし
て友人アーチ(ウォーレン・オーツ)と
共に納屋で暮らす……。

ワンカットが長く、やたらとディゾルブ
の多い画は、まあ他に言い様もないので
「抒情的」と表現したくもなる。さほど
成功しているとは思えないが。妻の演技
はなかなか鬼気迫るものがある。

                     8.29(土) BSプレミアム




2020年9月23日水曜日

【LIVE!】 ハンバート ハンバート

 
   グッバイ、としまえん

 1. 長いこと待っていたんだ
 2. 横顔しか知らない
 3. レンタカー (新曲)
 4. 教訓Ⅰ (カバー)
 5. 日が落ちるまで
 6. ぼくらの魔法 (新曲)
 7. ぼくのお日さま
 8. 真夏の果実 (カバー)
 9. 試作品第12号 (新曲)
10. 虎
11. ホンマツテントウ虫
12. 国語
13. メッセージ
14. おなじ話

     8.25(火) PIA LIVE STREAM

閉園を直前にひかえた、としまえんからの
配信ライブ。
配信といっても、普段から2人だけでライブ
をしているハンバートなので、わりといつも
どおりの進行。メリーゴーランドの前から、
多めの新曲を織り交ぜながら、楽しくライブ
&トークは進み、最後は配信ならではの演出、
場所を100mほど移動して、カメラも移動し、
ガラッと雰囲気を変えてエンディング。
最初、音の歪みが気になったが、だんだんと
修正されていった。
ベストアクトは「国語」かな。




2020年9月21日月曜日

僕は猟師になった

 
☆☆☆★★  川原愛子   2020年

「ノーナレ」で放送された「けもの道 京都
いのちの森」を、300日の追加取材を行い、
映画版として再編集したドキュメンタリー、
とのこと。京都の山奥と住宅地の「ちょうど
間ぐらい」に住み、1年のうち4か月間だけ解
禁される「わな猟」で仕留めたイノシシやシ
カの肉を家族の食糧として大事にいただく、
千松信也さんの暮らしに密着する。「ノーナ
レ」の方は見逃したのでこの映画だけだが、
おもしろかった。山で脚を骨折したけど手術
せずに自然に治そうとするのは追加取材の時
に起きたらしい。

なるほどわな猟とは動物の行動パターンを読
むことだが、むやみに大きい罠を仕掛けるこ
とは法律で禁じられており、ほんの30cmと
なりを歩かれるだけで罠にはかからない。ま
さに動物の1歩1歩を読むぐらいの精度が要求
される。「現場」に残された昨夜の足跡や、
わずかなくぼみから「ここで水を飲んで泥を
撥ねて、このへんは鼻をすりつけながら歩い
て…」と動物の動きを再現してみせる千松さ
んは、さながら「臭い」だけで犯行を再現す
るスニッファーのようである。

                            8.25(火) ユーロスペース




2020年9月19日土曜日

となりのトトロ

 
☆☆☆☆     宮崎駿    1988年

何度観ても良いですなー。文句のつけよ
うがない。田舎に移住するのもいいな、
と思っちゃうね。ほんとは思ってないけ
ど。

今回新たに気付いたのは、終盤、いなく
なったメイを探しているときにサツキが
カンタを「カンちゃん」と呼んでいるこ
と。カンタもドキっとしたかもしれない
が、私もしました。

ブログによると2012年に観て以来だか
ら、8年ぶりのようだ。確実に8年前より
も染みるなー。

                             8.24(月) 日テレ




2020年9月17日木曜日

アルゲリッチ 私こそ、音楽!

 
☆☆☆  ステファニー・アルゲリッチ 2014年

不世出のピアニストである母に、娘がカメ
ラを向ける。幸いマルタ・アルゲリッチさ
んは、藝術家にありがちな気難しいひとで
はなさそうで、寝起きの顔を撮られてあれ
これ過去のことを質問されても、さほど嫌
がりはしない。ピアニストとしては鮮烈な
デビューからずっと第一線に立ち続けてお
り、村上春樹は短篇「謝肉祭」の中で
 「マルタ・アルゲリッチの演奏する『謝
 肉祭』をいつか聴きたいと望んでいる人
 間は僕一人ではあるまい」
と主人公に語らせているから、きっと高く
評価しているんだろう。

娘が3人いて(ステファニーは3番目)、父
親はみな違うのだが、4人でピクニックに
行く場面が印象的である。「いろいろあっ
たけど、まあとりあえずみんな大人になっ
たわね」みたいな、わりとドライな空気で、
誰も泣いたりしないのが良い。

コンサートの直前に「今日は演奏できない」
「ひどい出来になる」とぼやくアルゲリッ
チと、もう毎度のことで慣れっこらしい雰
囲気のマネージャーが軽く受け流してステ
ージに送り出すのがおもしろかった。

                       8.23(日) BSプレミアム




2020年9月16日水曜日

ガス燈

 
☆☆☆★  ジョージ・キューカー 1944年

ロンドンの、いわくつきの一軒家で繰り広げ
られるサスペンス。
イングリッド・バーグマンはよく物忘れをし、
アクセサリーなど色んなものを失くすことに
悩んでいた。夫のシャルル・ボワイエはすべ
てはバーグマンの精神的な病からくるものと
思い込ませ、夜になると天井裏でごそごそ何
かを探し回る音がしてガス燈の灯がちかちか
するのも彼女の妄想だと信じ込ませて…。

観客にはそれらはバーグマンの精神のせいで
はないということは分かっているので、なか
なか覚醒しないバーグマンにイライラする。
しかしシャルル・ボワイエのモラハラ夫ぶり
はけっこう強烈である。鈴木涼美さんは
「モラハラ男という呼び名が定着する前はこ
ういう男はどうやって呼ばれていたのだろう
と思うぐらい、モラハラ男って多い」と書い
ていたが、たしかにこのシャルル・ボワイエ
を呼ぶのに「モラハラ夫」より適切な言葉を
思い付けない。

                             8.20(木) BSプレミアム




2020年9月14日月曜日

8日で死んだ怪獣の12日の物語 ―劇場版―


☆☆☆   岩井俊二   2020年

正式な劇場版。
Web版には出ていなかった樋口監督(怪獣
に詳しい知り合い)や能年ちゃんや穂志も
えかが出て来て、「斎藤工が通販で買った
『コロナとたたかう怪獣』を育てる」とい
う基本ラインは変わらないが、物語的には
多少厚みが増した。個人的には、穂志もえ
かのYouTubeチャンネルがけっこうおもし
ろかった。流れていたヘンな歌も、エンド
クレジットによると作詞・作曲 岩井俊二。
さすがだ。

                  8.19(水) アップリンク渋谷




2020年9月12日土曜日

読書㉑


『日はまた昇る』
ヘミングウェイ 著 高見浩 訳 新潮文庫

そういえば『老人と海』しか読んだことが無
いことにはたと気付き、急に読んでみた。ヘ
ミングウェイは、フィッツジェラルドほどで
はないにしろ村上春樹による言及も多い作家
である。当然ながら、私の抱くヘミングウェ
イのイメージは春樹の言葉から構成されてお
り、とりあえず武骨で、ブツ切りの短い文章
で、マッチョでタフでなければ生きていけな
い苛酷で酸鼻きわまる戦場の話ばかりなのか
と思っていた。砲撃の跡と無数の死体が横た
わる戦場の地平線に、それでも日はまた昇る
……的な。

実際はまるで違う。まず舞台は戦場でなく、
パリである。
主人公たちは毎晩カフェをはしごして酒を飲
んではダンスホールに繰り出して踊ってばか
りで、とっても頽廃的なのだった。みんなで
ブレットという美女(私のイメージは、最近
映画で観たからか若き日のキャメロン・ディ
アス)の尻を追い回して、友達と釣りに行っ
て、最終的にはスペインに闘牛を見に行く。
まあ、主人公が戦場で傷を負ってインポテン
ツであるという設定があるものの、思ったほ
どタフガイではなく、むしろみんなでKYな奴
だ(死語…)とイジめていたコーンという元
ボクサーに殴られて気絶したりしている。
まあでもイメージとは違ったが、小説として
はおもしろくて、一気に読んでしまった。

本書の扉に引用されたガートルート・スタイ
ンの言葉から「ロスト・ジェネレーション」
という括り方が生まれた。「自堕落な世代」
と訳されている。









『映画にまつわるxについて 2』
西川美和 著  実業之日本社文庫

おもに『永い言い訳』の時期のエッセイを収
録している。
このひとの文章には「毒」があって、そこが
おもしろいのだが、他人に対しても、自分に
対しても、ときどき意地悪な視点がのぞく。
思えばこのひとの撮る映画もそうである。
と同時に、うじうじしていることも多くて、
カメラマンを柳島克己から山崎裕に変えると
き、主役を本木雅弘に決めるとき、監督助手
を置くことを助監督に告げるとき、かなり悩
んでいて、でもその過程を笑える文章にする
のもうまい。そして本木雅弘からの「めんど
くさいメール」が公開されているのだが、そ
の超絶的な自己愛および自己評価の低さ、ネ
ガティブ思考は、これに返事を出して前に進
めていかねばならないプロデューサーの身に
なって読んでみると「めんどくささ」は凄ま
じいものがあって、関係ない読者から見ると
めちゃくちゃおもしろいメールなのであった。
もっくんって、こういうひとなんだー、と思
うこと請け合いである。




2020年9月10日木曜日

東京オリンピック

 
☆☆☆   市川崑   1965年

「いだてん」を観ることで、あまり興味
のなかったこの記録映画にも興味が湧い
たのでBSで捕獲。

当時、観客動員としては大ヒットだった
が、黒澤明の監督降板や「芸術か記録か」
論争など、いろいろとケチが付いたこと
でも有名である。
市川崑は「国威発揚」とかそういう類の
ことには関心がなく、ひたすら躍動する
身体を追いかけ続ける。
競技以外にも、ひたすら観客のおじさん
の喉ぼとけを写すカットが続いたり、競
歩の選手のお尻ばかり撮っていたり、当
時はそういうところが不興を買ったのか
もしれないが、いま観るとそういう部分
こそがおもしろい。
ナレーションの文言もけっこう自由とい
うか、あそんでいる。

                   8.17(月) BSプレミアム




2020年9月8日火曜日

猿の惑星

 
☆☆☆ フランクリン・J・シャフナー 1968年

いまさら初見。
有名すぎて「衝撃のラストカット」もとっく
に知っていたが、まあこれ、知らなくてもな
んとなくオチは読めるような気もする…。

宇宙船が難破して不時着した惑星では、知能
の未発達な人間を、高度な知能を有した猿が
支配していたというのは、話として示唆に富
んでいるというか、解釈好きの内田樹なら何
時間でも、いかようにも解釈してくれそうな
寓意に満ちている。考古学者(の猿)の「コ
ーネリアス」と恋人の検事(の猿)が主人公
を助けてくれるのだが、小山田圭吾の"コーネ
リアス"はここから取ったんすね。知らなかっ
たです。

<追記>
これ書いて1週間ほどして『FANTASMA』
を聴き直していたら、その名も「Monkey」
という曲があって、"Escape from a planet 
of the apes"とかなんとか言っているようだ。
まあそれだけなんですけど。

                         8.16(日) BSプレミアム




2020年9月6日日曜日

読書⑳

 
『一人称単数』
村上春樹 著    文藝春秋

書き下ろしの「一人称単数」を真っ先に読む。
3年前、水辺…。なかなか怖い話ですね。

残りの短篇も再読。
「文學界」で読んだ時にはそれほど良いと思
わなかった「クリーム」が、あらためて読む
とけっこうよかった。暑い季節に読んだのが
よかったのかもしれない。
でもベストは「品川猿の告白」ですよね。こ
れは譲れない。しかし村上RADIOで披露した
「品川猿のマネ」は、だいぶ私の想像とはか
け離れた喋り方だった。あんな荒っぽい感じ
なんだ。もっとおとなしい、紳士的な感じか
と思っていた。まあどうでもいいことですけ
ど…。









『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』
鈴木涼美 著  ブロス・ブックス(講談社)

鈴木涼美さんの本でいちばん笑った。
「TV bros」連載のコラムをまとめた本だが、
あちこちで「令和の『なんとなく、クリスタ
ル』」という声も聞こえてくるほど、本文に
匹敵する量の註釈が新たに書き加えられてお
り、しかもその註釈が解説と私見を織り交ぜ
て大変おもしろい。

蒼井優の項は
 映画『フラガール』で一気に有名になった
 実力派女優。実力派と付くと美人じゃない
 みたいで、一見ほんとに美人じゃないが、
 魔性の女とも言われている。

速水もこみちの項は
 すごいイケメンという立ち位置で登場する
 が、ファンだという女とは会ったことがな
 い、長身で変わった名前の俳優。

あとはここには引用しないが、風俗関係、ホ
ストクラブ関係の用語の解説はお手のもので、
単純に勉強にもなる。




2020年9月4日金曜日

アダムス・ファミリー2

 
☆☆☆★  バリー・ソネンフェルド 1993年

次いで続編も。
サマーキャンプでのウェンズデーの復讐劇が
最高で、そのぶんこちらの方が若干おもしろ
かった。
ゴメス役のラウル・ジュリアが公開翌年に亡
くなってしまい、これ以上の続編は作られな
かったとのこと。良い役者なのに。残念なこ
とである。

                           8.15(土) BSプレミアム




2020年9月2日水曜日

アダムス・ファミリー

 
☆☆☆  バリー・ソネンフェルド 1992年

なんかの雑誌の「わたしの生涯ベストワン
映画」みたいな企画で二階堂ふみがこの映
画を挙げていたのを覚えていて、BSで放送
したので観てみた。
ファンタジー映画は苦手だが、悪魔崇拝み
たいなとても「うしろ向きな」ファンタジ
ーなので、わりと抵抗なく観ることができ
た。私は家長のゴメスのキャラクターに好
感を持った。
兄のフェスターとして屋敷に入り込もうと
するのはクリストファー・ロイド。

                       8.13(木) BSプレミアム




2020年9月1日火曜日

ブエノスアイレス


☆☆☆★  ウォン・カーウァイ 1997年

ウォン・カーウァイのフィルムは、映画
館で観られる機会を逃さずすべて観てい
くことに決めている。今回は、シネパレ
ス跡地で再開したシネクイントの2周年
だかで、何本かウォン・カーウァイをや
るらしい。ま、ブルーレイ上映ですけど
ね。

香港から逃げるようにアルゼンチンへと
やって来たトニー・レオンとレスリー・
チャンのゲイカップル。イグアスの滝を
見に行く途中で道に迷って喧嘩になり、
別れ別れになってしまう。ブエノスアイ
レスに戻ってそれぞれの生活を始めるが、
ほどなくボコボコにされたレスリー・チャ
ンが転がり込んできて、また腐れ縁のよ
うにだらだらと関係が再開する。しかし
最終的には決定的な訣別の時が来て…。

ピアソラのタンゴだという劇伴は妖しい
色気を放っているし、モノクロとカラー
とが混在し、黄色の発色が目立つ映像も
スタイリッシュ。

                      8.12(水) シネクイント