2019年12月30日月曜日

GOODBYE KISS


☆☆☆     曾我部恵一    2019年

去年5月に逝去した丸山晴茂への追悼を込めて、
リキッドルームと渋谷クアトロでおこなわれた
「サニーデイ・サービスの世界」のライブ映像
で構成された作品。前者はバンド編成、後者は
ふたりだけの演奏で、私はクアトロの方を観に
行った。とてもいいライブだった。

                                            12.30(月) YouTube








今年はこれにて閉店!
しめて61本でありました。

2019年12月29日日曜日

【LIVE!】 ハンバート ハンバート


 ハンバート家の平日 2019 Final

(セットリスト、探しても無いので載せられません)


あいかわらずほのぼのしていて楽しいライブ。
良成はチェックのパンツと同系色のジャケット
を着こなし、遊穂さんは民族衣装っぽいスカー
トでオシャレな夫婦であった。

バンド編成で始まり、途中でふたりだけになっ
て、かなりの曲をふたりでやって、終盤にまた
バンド編成にもどった。どちらかというと、バ
ンドよりふたりの方がいい曲が多い。

ベストアクトは、なんだろうなー。
「虎」なんかよかったです。あとcharaの「やさ
しい気持ち」も沁みたですね。

                               12.19(木) 中野サンプラザ




2019年12月27日金曜日

おちをつけなんせ


☆☆☆★       のん      2019年

能年玲奈の初監督作品。主演もつとめる。
共演に蔵下穂波、桃井かおり、ほか。
能年は脚本・監督・主演だけにとどまらず
他にもいろいろやっているようである。
「あまちゃん」の頃とほとんど変わらない
屈託のない笑顔が見られて安心する。蔵下
穂波は「監督補佐」ともクレジットされて
いた。ふたりで和気藹々と撮影を進めたの
だろう。

岩手に暮らす女子高生を主役として、妖怪
をモチーフとしてけっこう奇天烈な物語が
展開されている。
桃井かおりとの芝居なんかを観ていると、
やっぱりこのコはうまいな、という感じが
する。

                               12.19(木) YouTube


2019年12月24日火曜日

アイリッシュマン


☆☆☆★★  マーティン・スコセッシ  2019年

スコセッシとデ=ニーロがCGまで駆使して、
ひとりの殺し屋と大物マフィアとの長大な物
語を紡ぎあげる。それはアメリカの裏の歴史
でもある。"アイリッシュマン"という題だが
展開していくのはわりに「いつもどおり」の
イタリア系マフィアのストーリーなので、主
人公がアイルランド系であることがいったい
どのような重みをもつのか、感覚としていま
いち分からないまま進んでいってしまう。ま
あでもタイトルにするほどだからよほど大事
なことなんだろうと思って「アイリッシュ」
という単語だけは逃さぬよう集中していたが、
実はデ=ニーロが演じたフランク・シーラン
のあだ名だった、という意味ぐらいしかない
のかね?

アル・パチーノが演じたジミー・ホッファと
いう人物は知らなかったが、アメリカでは組
合の大物として絶大な権力を持ち、謎の失踪
事件も含めてとても有名らしい。

NETFLIXの莫大な製作費があって、好きにし
ていいよと言われたのかどうか知らないが、
きっと普通の映画よりは自由度があって、そ
のうえでスコセッシが撮りたかったのがこの
物語だった、というのが実に興味深い。さん
ざんひとを殺した挙句、主人公は最後に告解
のようなことに向っていって、「赦し」がひ
とつテーマとして顕現してくる。

今回が209分。『沈黙』(2017年)が162分。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(20
14年)が179分。
スコセッシのタフさには脱帽するしかない。

                          12.18(水) アップリンク渋谷


2019年12月22日日曜日

こおろぎ


☆☆☆      青山真治    2006年

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』と『サッド・
ヴァケイション』の間に撮られたが、劇場未公開
のままになっていた謎の作品で、長年観たいと思っ
ていたのだが観ることが叶わなかった。K's Cinema
で2週間限定公開。

山崎努と鈴木京香。山崎は全盲の老人、鈴木京香
はその身の回りの世話を焼く若い妻。プロデュー
サーの畠中基博がフランスで見かけた夫婦のたた
ずまいから映画を妄想していったとのことだが
(脚本は岩松了)、その内容は謎めいたシーンが
いつまでも続き、謎めいたまま終わるといった感
じ。セリフは少なく(山崎はセリフが一切無い)、
冒頭に「昔、宣教師が伊豆に流れ着いた」という
字幕が入るほか、説明めいたものも無い。

伊豆のロケーションはどこか独特な感じがする。
終盤に出て来る洞窟もなかなか恐ろしい。

                                      12.11(水) 新宿K's Cinema


2019年12月19日木曜日

キレイ -神様と待ち合わせした女-


 作・演出 松尾スズキ  大人計画

実は大人計画の芝居を観るのは初めて。
この芝居は3度目の再演とのことで、たぶん
最も人気のある演目のひとつなのだろう。
冒頭にみんながヘンな衣装でわらわら出てき
てテーマ曲っぽいのを合唱するのだが、へー
なんか良い曲だなーと思っているうちに芝居
になだれ込み、そこから休憩をはさんでなん
と終演まで3時間40分! 面白いのでまった
く退屈はしないが、観るのに体力が要るのは
たしか。

ヒロインの"ケガレ"を演じたのは生田絵梨花。
これがもう、可愛いわ歌うまいわで実にすば
らしい。ストーリーは短く説明するのは不可
能なのでしないが、
「♪けがれて けがれて わたしはキレイ」
という歌詞からも分かるように、ここでもま
た「穢れたもの」が、その「穢れ」のゆえに
「美しいもの」に転化するというモチーフが
顔をのぞかせる。演劇ってこういう話がほん
とに多いですね。

         12.10(火) シアターコクーン


2019年12月15日日曜日

Thailand


  タイに行って来ました。

              【‎Bangkok】








 



                        【Chiang Mai】












2019年12月12日木曜日

【LIVE!】 細野晴臣


 音楽活動50周年記念オフィシャル・プロジェクト Day 1
 細野晴臣 50周年記念特別公演

 1. 銀河鉄道の夜 エンド・テーマ
 2. Honey Moon
 3. Tutti Frutti
 4. Back Bay Shuffle
 5. The Song is Ended
 6. 薔薇と野獣
 7. 住所不定無職低収入
 8. Choo-Choo ガタゴト
 9. Angel On My Shoulder
10. I'm A Fool To Care
11. Pistol Packin' Mama(with Rei)
(12. Reiの2曲メドレー)
13. Unsung Song
14. Aayurveda
15. Ain't Nobody Here But Us Chickens Body
16. Snatchers
17. Sports Men
18. The House Of Blue Lights
<Encore>
 1. 北京ダック
 2. Pom Pom 蒸気

          11.30(土) 東京国際フォーラム ホールA


細野さんの人柄がよく表れた、力の抜けた
ライブであった。国際フォーラムとは思え
ない親密な空間。というか細野さんがリキ
むことはあるのだろうか。
"HOSONO HOUSE"の曲を多めに、カバー
曲と「カバーのようなオリジナル曲」を織
り交ぜ、とがった音ではないがクオリティ
は高く、あくまで洒脱。バンドメンバーは
30年近くほとんど変わっていないような事
を言っていた。今回初めてライブ演奏を聞
いて、やはり高田漣のスチールギターがか
なりフィーチャーされているように思う。
耳につく楽器なので、印象に残る。

2019年12月10日火曜日

i -新聞記者ドキュメント-


☆☆☆★★     森達也    2019年

東京新聞の望月衣塑子記者を被写体とした
ドキュメンタリー。精力的に取材に奔走し、
当事者の声を聞き、講演会のパネリストを
務め、官邸前のデモに顔を出し、もちろん
本業の記事も執筆し、という彼女の日々は、
言ってみれば話題の美人記者の忙しい毎日、
だ。そこにあの官房長官記者会見の映像さ
えなければ。
それは本当に異様な光景で、どう見ても、
そこにはいまの政権の異様さが凝縮された
形で顕現している。ちなみに望月さんの社
員証の写真が一瞬写るのだが、若い頃から
美人だった。

途中で、そもそも「権力を監視する」のは
メディアの本質であって、会見で権力者の
嫌がる質問をするのはジャーナリストとし
て当たり前のことなのに、どうして望月さ
んだけが注目されるのか。そしてどうして
僕(森本人のこと)は望月さんにカメラを
向けているのか、だんだん分からなくなっ
てくる、と吐露する場面があったが、要す
るにこれに尽きるのだろう。森さんの流儀
の「考える僕」が顔をのぞかせる場面でも
ある。

ラストの演出が必要なのか、わたしには疑
問だったが、骨のあるドキュメンタリーは
ほんとに観ていておもしろい。

                         11.27(水) 新宿ピカデリー