2023年1月22日日曜日

ケイコ 目を澄ませて

 
☆☆☆★   三宅唱    2022年

昨年末の公開なので、分類としては今年の
映画とさせていただく。

両耳の聞こえないボクサーを岸井ゆきのが
演じる。セリフはたぶん一言「はい」とい
うのがあっただけで、あとはすべて表情と
肉体のみで芝居をすることが求められる
「難役」といって間違いはなかろう。題名
の通り、ケイコがときおり放つ鋭い眼光が
その魂を物語っているようで、心に残るも
のがあった。エリートというよりはかなり
下のランクを這い回っているボクサーが主
役ということで、爽快感みたいなものは無
い。

16mmフィルムで撮影されたとのことで、
たしかにデジタルの鮮明な画に慣れてしまっ
た私には、だいぶもったりとした画に見え
た。




2023年1月18日水曜日

読書①

 
『セロニアス・モンクのいた風景』
村上春樹 編・訳  新潮社

うちにも2枚セロニアス・モンクのCDがあり、
それはもちろん『ポートレイト・イン・ジャ
ズ』の影響で買ったものだ。買ったはいいが、
リズムはへんてこだし和音も濁っていて気持
ちよくないということで、あまり聴いてこな
かった。
しかしモンクというひとはずいぶん興味深い
人物だったんですね。独自の音の世界を確固
として自分の中に持っていて、誰に何と言わ
れようと、それを曲げることがない。世代と
してはチャーリー・パーカーなんかと同じで、
マイルズ・デイビスよりも上なのである。
さっそく2枚のCDを何回も聞き直し、奇妙だ
がおもしろい音楽であると思い直したので、
またTSUTAYAでいくつもCDを借りてきて聴
いている。我ながら、相変わらず影響を受け
やすい。













『青の時代』
安西水丸 作   クレヴィス

作者が幼少期に過ごした千葉の千倉。
なんだか寂しい絵が多いようだが、そう
いう印象だったのだろう。
主人公の少年はじっと無表情な目で、ま
わりのおとなたちを観察している。

2023年1月9日月曜日

テレビドラマ 2022年


いちおう10月のクールも連ドラを2本と
大河も観ていたので、我ながらちゃんと
観たほうだと思う。

<連続ドラマ>
カムカムエブリバディ
恋せぬふたり
鎌倉殿の13人
オンエアできない!
卒業タイムリミット
正直不動産
17才の帝国
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ
初恋の悪魔
タローマン 岡本太郎式特撮活劇
エルピス ―希望、あるいは災い―
拾われた男

(DVDレンタル)
拝啓、父上様

(途中離脱)
ちむどんどん
空白を満たしなさい

<単発ドラマ>
土方のスマホ 正月の陣
この花咲くや
エンディング・カット
旅屋おかえり
(秋田編、愛媛・高知編)
家出娘
君の足音に恋をした
ある子ども
津田梅子 ~お札になった留学生~
京都人の密かな愉しみ Blue 修業中 門出の桜
雪国
未解決事件 File.09 松本清張と帝銀事件

(再放送)
京都人の密かな愉しみ Blue 修業中 祝う春


授賞は以下のドラマに。


グランプリ
鎌倉殿の13人

敢闘賞
初恋の悪魔エルピス ―希望、あるいは災い―

技能賞
星新一の不思議な不思議な短編ドラマ


<講評>
まあぶっちぎりで2022年は「鎌倉殿」だろ
う。インカメラVFXだとか単焦点レンズだけ
を使ったとかいろいろ技術的にもあったのだ
ろうが、なにせ三谷幸喜の作劇に痺れる大河
ドラマだった。鎌倉時代という資料も乏しい
時代を選んだこと、まともに作るとただの血
みどろの権力闘争でしかないこと、北条義時
という地味な人物を主役に据えたこと、すべ
てを味方につけて見事な絵巻を作り上げた。
ほかのドラマにも触れたいが気力があまりな
い。でも1年とおして、おもしろいドラマが
多かったように思う。「京都人の密かな愉し
み Blue 修業中」のシリーズはいつもさわや
かな秀作に仕上がっていたので、終わってし
まうのが残念である。

2023年1月3日火曜日

ベスト5 <新作>


賀正。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の鑑賞本数は52本。
うち新作は20本。ベスト5でも多いかな、
というぐらいの本数しか観てませんが…。


1. フレンチ・ディスパッチ

2. パリ13区

3. セイント・フランシス

4. ちょっと思い出しただけ

5. 麻希のいる世界


7月以降、ほとんど新作映画にふれられて
いないので、まあ上半期のみの、かなり
いい加減なものです。
上位3本の洋画が特によかった。レア・セ
ドゥ、ルーシー・チャン、ケリー・オサリ
ヴァン。なんだかそれぞれにまったく違う
キャラクターの女性3人だが、とても印象
に残っている。
「もう1本選べ」と言われたら、「アネッ
ト」と「流浪の月」で迷って、「流浪の月」
かなー。


<観た新作映画>
ハウス・オブ・グッチ、クライ・マッチョ、フレンチ・ディスパッチ、麻希のいる世界、テレビで会えない芸人、ウエスト・サイド・ストーリー、THE BATMAN ―ザ・バットマン―、Actually…(MV)、やがて海へと届く、アネット、パリ13区、ちょっと思い出しただけ、コーダ あいのうた、マイスモールランド、シン・ウルトラマン、流浪の月、オフィサー・アンド・スパイ、マイ・ブロークン・マリコ、ベイビー・ブローカー、セイント・フランシス(20本)