2020年12月31日木曜日

【LIVE!】 ハンバート ハンバート


   歳末公演「愛のふしぎ」

例によってセットリストが落ちてないので
掲載できないが、まあいいか。
2人だけの歌・演奏と、バンド演奏とが半々
ぐらい。はじめドラムの音量がデカすぎて
何も聴こえなかったが、徐々に修正されて
いった。でも歌詞は聞き取れないね、ドラ
ムが入ると。
新しいアルバム『愛のひみつ』からたぶん
9曲ぐらい。あとはいつもの曲と「大宴会」
「虎」など。

この日は遊穂さんのヴォーカルがことのほ
か良かったように思った。のびやかで、や
さしくて、良い響きだった。
新しくなった渋谷公会堂は初めて。内装は
意外にも木材調のぬくもりある感じ。よく
響くホールなのか、PAで付加したリヴァー
ブなのか、判別は付かないが、どの楽器も
声もすごく響いていた。
ベストアクトはめずらしいバンドアレンジ
の「まぶしい人」にする。

    12.27(日) LINE CUBE SHIBUYA









<ツイート>
今年はこれにて。
映画は107本でフィニッシュ。なにか義務
を果たしたような達成感があるのはたしか。


2020年12月30日水曜日

【LIVE!】 清水ミチコ

 
  清水ミチコ BEST LIVE 2020
   ~GoTo メルパルク東京 with シミズ~

冒頭のVTRから都知事のフリップを茶化す
動画で爆笑。
その後も、モノマネ対象への愛とからかい
の絶妙なバランスで、とにかくぜんぶおも
しろかった。ほんとにおもろいおばちゃん
です。
最後にライブには登場しなかったひとたち
をまとめてモノマネで紹介する圧巻の芸。
圧倒的だった。

メルパルクホール、初めてだったのだが、
そうとう歴史のあるホールとのことで、若
き清水ミチコはここでタモリの「ラジカル・
ヒステリー・ツアー」を観て感銘を受け、
いまの道を志したという。

                     12.26(土) メルパルクホール


2020年12月29日火曜日

生理ちゃん

 
☆☆☆★  品田俊介  2019年

『海街diary』が終了したいま、今年唯一
読んだマンガが『生理ちゃん』だった。
あれ、去年だったかな…?

まあ、その原作を二階堂ふみで映画化。
女性の生理を擬人化した「生理ちゃん」
というキャラがその時期になると現れて、
女性に「生理パンチ」を食らわせてお腹
を痛くしたり、時にいろいろ有益なアド
バイスを与えたりもする。下の画像でふ
みふみが背負っているのが生理ちゃん。
生理の重さによって大きさが違ったり、
病気を併発していると容貌が凶暴になっ
たりもする。

                                12.19(土) DVD




2020年12月28日月曜日

パリのどこかで、あなたと

 
☆☆☆★  セドリック・クラピッシュ 2020年

自粛中に観た『スパニッシュ・アパートメン
ト』がおもしろかったのもあって、13作目だ
という新作を恵比寿で。

しかしこの凡庸きわまりないタイトル。まず
食指が動かないですよね。原題は"Deux Moi"
で「2つの私」ぐらいの意味。
主要人物は、寝ても寝ても寝足りない過眠症
の女と、眠れない男の2人で、それぞれが心理
的な抑圧を克服するまでの話なので、まあそ
ういうタイトルなのだろう。それにしても地
味なような気もするが。ひるがえってこの邦
題は何なのでしょう。タイトルに「パリ」と
付けてガーデンシネマで公開すればそれでい
いと思っているのだとしたら、それは怠慢で
ある。

2人は別のアパートの隣り合った部屋に住んで
いるが知り合いではない。その生活が交叉す
るのは通勤路と、生活雑貨を売る小さな店だ
けなのだが、その店の調子のいい主人が従業
員を呼ぶときだけ威圧的なのが毎回おもしろ
かった。あとこれは思わぬ「猫映画」の拾い
物であった。

               12.12(土) 恵比寿ガーデンシネマ




2020年12月27日日曜日

【LIVE! <配信>】 THE BACK HORN

 
   マニアックヘブンVol.13

 1. フラッシュバック
 2. カラス
 3. ダストデビル
 4. 野生の太陽
 5. プラトニックファズ
 6. 人間
 7. 再生    
 8. シアター    
 9. 風の詩    
10. 飛行機雲
11. 怪しき雲ゆき
12. ミスターワールド
13. 旅人    
14. サイレン

[ENCORE]    
 1. 天気予報
 2. 舞い上がれ
 3. さらば、あの日

           12.6(日)STREAM PASS

マニアックヘブンも配信で。
観客も少人数ながら抽選で入れたのだが、
わたし銀河遊牧民(ファンクラブ)なのに
見事に落選しましたよ…。

前半、ねっとりしたダークな曲が多くて、
これぞマニアックヘブンという感じ。やっ
ぱりバックホーンはこうでなきゃね…。
そのぶん「シアター」「飛行機雲」が能天
気で内容の無い歌に聴こえた。めずらしく
選曲ミスのような気がしたなー。

しかし、もう配信ライブにも飽きてきた。
もちろんやってくれるだけありがたいのだ
が、PCをテレビにつないで観るライブとい
うものに食傷ぎみ…。はやくライブハウス
でバックホーンが観たいものです。
ベストアクトは「フラッシュバック」。




2020年12月26日土曜日

読書㉖

 
『M/世界の、憂鬱な先端』
吉岡忍 著    文春文庫

森達也の現代ビジネスの連載を読んでいて、
植松聖の精神鑑定に話が及んだ際、本書が
引き合いに出されていて、がぜん興味を惹
かれた。
書名の「M」とは第一義には宮崎勤の「M」。
吉岡は宮崎の三種類の精神鑑定書を徹底的
に読み込み、自らの取材で得た事実とも引
き合わせながらそのいい加減さ、矛盾、杜
撰さを白日のもとにさらしていく。凶悪事
件になればなる程、「判決は極刑しかない」
とまず結果が決められてしまう。つまり
「減刑はできない」、ということは「心神
耗弱という診断はできない」、なぜなら
「世論が許さないから」。
宮崎はマスターベーションところか勃起し
たこともなく、おそらく性欲のことも理解
していない。それでも事件は、性的ないた
ずら目的で4人の幼女を次々と毒牙にかけ
たロリコンの異常者による犯行、という結
論にまとめられるのである。









『「グレート・ギャツビー」を追え』
ジョン・グリシャム 著 村上春樹 訳 中央公論新社

プリンストン大学の図書館に厳重に保管され
ていたスコット・フィッツジェラルドの直筆
原稿が盗まれた。美術品専門のプロの窃盗団
による計画的な犯行だが、FBIの捜査もむな
しく、原稿は闇のマーケットに流れてどこか
へ消えてしまった…。

第一章を読むとクライム・サスペンスのよう
だが、原稿が消えてしまってからは、スラン
プに陥っている女性作家が主人公となり、保
険会社の有能なエージェントが彼女にある不
思議な依頼をすることになる。カミーノ島の
書店の店主をはじめとした、なかなか魅力的
な人物たちと、「本」というこの不思議なも
のとが織りなす多彩なストーリーが展開され
て、ぐいぐいと引っ張られるように読み進め
てしまった。フィッツジェラルドはもちろん
のこと、いろいろな作家の名前が出て来て楽
しいのだが、稀覯本の蒐集家である書店主の
口から『ブラッド・メリディアン』の初版本
の話が出たので、長い間わが本棚に温存して
あるepi文庫をそろそろ読んでみようかという
気にもなっている。




2020年12月19日土曜日

【LIVE!】 スガシカオ

 
  Hitori Sugar Tour 2020 -セトリ再現ライブ-

 1. 労働なんかしないで 光合成だけで生きたい
 2. 午後のパレード
 3. 真夜中の虹
 4. サヨナラホームラン
 5. 黄昏ギター
 6. Hop Step Dive
 7. 1+1
 8. ぼくの街に遊びにきてよ
 9. 坂の途中
10. Progress
11. 発芽
12. アストライド
13. ヤグルトさんの唄
14. 黄金の月
15. コノユビトマレ
16. 19才
17. ストーリー

<Encore>
 1. 深夜、国道沿いにて
 2. アシンメトリー

      12.4(金) 昭和女子大学 人見記念講堂

配信ではなく、久々にホールでライブを観た。
スガシカオがエフェクターやらサンプラーやら
を駆使して、最初から最後までたった独りで演
奏し、歌うライブ。人見記念講堂はじめてだっ
たけど、良い音だったです。
客席を半分にするかわりに、1日2回公演…。
私は17時開演の初回だった。シカオちゃんそん
なに強靭な喉ではなかったと思うが、2回目は
大丈夫だったのだろうか。
「19才」で終わりかと思ったところに「ストー
リー」をやってくれたのが嬉しいですなー。
でもベストアクトは「坂の途中」。

2020年12月15日火曜日

泣く子はいねぇが

 
☆☆☆★★  佐藤快磨   2020年

是枝さんが脚本に惚れ込んだとかで、製作
として全面的にバックアップした作品。
「なまはげ」をひとつ中心的なモチーフと
しながら、酒で失敗して妻(吉岡里帆)や
ら娘やら仕事やらすべてを失った男(仲野
太賀)が、東京での無気力な生活を脱出し、
自分なりのケジメ(?)をつけるまでを描
く。
ラストシーン、というか映画の終わり方に
は感心しなかったが、仲野太賀の好演と吉
岡里帆で★ひとつ加点ですねこれは。幸薄
い感じの吉岡里帆、やさぐれてぼーっとパ
チンコを打ってるのが意外と似合っていた。

寛一郎という若者が出ていて、良いツラ構
えしてんなー、絶対何かで観たなーと考え
たのに思い出せず。帰って検索…。そうで
すよね、『劇場』で途中まで山﨑賢人と相
棒だった「野原」だ。『菊とギロチン』に
も出ていたらしい。そして佐藤浩市の息子
だった。

                       12.2(水) ユーロスペース




2020年12月10日木曜日

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

 
☆☆☆★★  ウディ・アレン  2020年

ニューヨーク育ちのティモシー・シャラメが
田舎娘の恋人エル・ファニングにニューヨー
クを案内しようと練りに練ったデートプラン
を用意するのだが、彼女の「映画監督へのイ
ンタビュー」の仕事がずるずると長引き、や
きもき…。そのうち彼女はプレイボーイの俳
優から口説かれ、ティモシーも元カノの妹と
再会してなぜか自主映画に出演することにな
りキスシーンまで演じさせられて、ふたりは
とことんすれ違いつづける。
まあこのへんのコメディな展開はいつものウ
ディ・アレン節というか、もっといえば『ミ
ッドナイト・イン・パリ』的とも言えるか。
いつもと若干違うのは、エル・ファニングが
ミーハーなおつむの悪い小娘と思いきや、映
画人たちから妙に気に入られるほどの知性が
隠されている…かのようで、やっぱりバカな
のか。結局最後までよく分からないところか。

撮影監督のヴィットリオ・ストラーロって、
ひょっとして…と思ったらやっぱり『ラスト
エンペラー』とか『地獄の黙示録』を撮った
スーパー大巨匠ですね。最近3作、ウディ・
アレンと組んでるようだ。

元カノの妹を演じているエキゾチックな女の
子にどうも見覚えがあるなーと思っていたら、
『デッド・ドント・ダイ』でモーテルでゾン
ビに殺されて生首になってた娘(セレーナ・
ゴメス)だった。

                        11.16(月) ギンレイホール




2020年12月5日土曜日

はちどり

 
☆☆☆★★   キム・ボラ  2020年

『パラサイト』とはまた違った方面で今年
もっとも話題になっていた韓国映画である。
ギンレイホールの「見逃し映画特集」で。

新人の女性監督が少女を被写体に撮るのだ
から、もうそれ以上ぴったりくる賛辞もな
かろうけど、どの評をみても「みずみずし
い」の洪水であった。おかげで観る前から
「みずみずしい脳」になってしまっていた
わけで、そうすると不思議なものでかえっ
て新人らしからぬ技巧のほうに目がいく。

特にこの演出、演技経験もさほど無いだろ
う主演の女の子にどのぐらい演技の指示を
したのか、観ただけではもちろん分からな
いけれど、相当しっかりした演出プランを
もって撮っているように感じた。でないと
あんな初々しいキスシーン撮れないでしょ!

最後のほう若干長く感じたが、秀作である。

                      11.16(月) ギンレイホール


2020年12月1日火曜日

星の子

 
☆☆☆★     大森立嗣    2020年

この映画に関しては、大森立嗣の新作が、
というよりも芦田愛菜ちゃんがどんな芝居
をするのかに興味があった。ほとんどの国
民が子どもの頃から知っている愛菜ちゃん
は、成長してなんだか不思議な立ち位置の
女優になってきたが、今後も学業を優先し
ていくのだろうし、ぜひそうして欲しいと
みんなから思われているというのがおもし
ろい。
原作小説は今村夏子。
共演に岡田将生、蒔田彩珠、粟野咲莉。
新興宗教にハマる両親に原田知世、永瀬正
敏。岡田君は爽やかだけど性格の悪い教師
を好演している。

愛菜ちゃんは両親のどう見ても怪しい信仰
とは距離をとりながらも、それを拒否して
家を出て家族関係を壊す必要を感じないし、
信仰の完全否定もできかねている微妙な心
情をうまく演じている。こういう新興宗教
を扱う映画って定期的に観るけど、なんか
雰囲気が似通ってる気がするのはなぜなの
か…。

                            11.15(日) テアトル新宿