2020年12月31日木曜日

【LIVE!】 ハンバート ハンバート


   歳末公演「愛のふしぎ」

例によってセットリストが落ちてないので
掲載できないが、まあいいか。
2人だけの歌・演奏と、バンド演奏とが半々
ぐらい。はじめドラムの音量がデカすぎて
何も聴こえなかったが、徐々に修正されて
いった。でも歌詞は聞き取れないね、ドラ
ムが入ると。
新しいアルバム『愛のひみつ』からたぶん
9曲ぐらい。あとはいつもの曲と「大宴会」
「虎」など。

この日は遊穂さんのヴォーカルがことのほ
か良かったように思った。のびやかで、や
さしくて、良い響きだった。
新しくなった渋谷公会堂は初めて。内装は
意外にも木材調のぬくもりある感じ。よく
響くホールなのか、PAで付加したリヴァー
ブなのか、判別は付かないが、どの楽器も
声もすごく響いていた。
ベストアクトはめずらしいバンドアレンジ
の「まぶしい人」にする。

    12.27(日) LINE CUBE SHIBUYA









<ツイート>
今年はこれにて。
映画は107本でフィニッシュ。なにか義務
を果たしたような達成感があるのはたしか。


2020年12月30日水曜日

【LIVE!】 清水ミチコ

 
  清水ミチコ BEST LIVE 2020
   ~GoTo メルパルク東京 with シミズ~

冒頭のVTRから都知事のフリップを茶化す
動画で爆笑。
その後も、モノマネ対象への愛とからかい
の絶妙なバランスで、とにかくぜんぶおも
しろかった。ほんとにおもろいおばちゃん
です。
最後にライブには登場しなかったひとたち
をまとめてモノマネで紹介する圧巻の芸。
圧倒的だった。

メルパルクホール、初めてだったのだが、
そうとう歴史のあるホールとのことで、若
き清水ミチコはここでタモリの「ラジカル・
ヒステリー・ツアー」を観て感銘を受け、
いまの道を志したという。

                     12.26(土) メルパルクホール


2020年12月29日火曜日

生理ちゃん

 
☆☆☆★  品田俊介  2019年

『海街diary』が終了したいま、今年唯一
読んだマンガが『生理ちゃん』だった。
あれ、去年だったかな…?

まあ、その原作を二階堂ふみで映画化。
女性の生理を擬人化した「生理ちゃん」
というキャラがその時期になると現れて、
女性に「生理パンチ」を食らわせてお腹
を痛くしたり、時にいろいろ有益なアド
バイスを与えたりもする。下の画像でふ
みふみが背負っているのが生理ちゃん。
生理の重さによって大きさが違ったり、
病気を併発していると容貌が凶暴になっ
たりもする。

                                12.19(土) DVD




2020年12月28日月曜日

パリのどこかで、あなたと

 
☆☆☆★  セドリック・クラピッシュ 2020年

自粛中に観た『スパニッシュ・アパートメン
ト』がおもしろかったのもあって、13作目だ
という新作を恵比寿で。

しかしこの凡庸きわまりないタイトル。まず
食指が動かないですよね。原題は"Deux Moi"
で「2つの私」ぐらいの意味。
主要人物は、寝ても寝ても寝足りない過眠症
の女と、眠れない男の2人で、それぞれが心理
的な抑圧を克服するまでの話なので、まあそ
ういうタイトルなのだろう。それにしても地
味なような気もするが。ひるがえってこの邦
題は何なのでしょう。タイトルに「パリ」と
付けてガーデンシネマで公開すればそれでい
いと思っているのだとしたら、それは怠慢で
ある。

2人は別のアパートの隣り合った部屋に住んで
いるが知り合いではない。その生活が交叉す
るのは通勤路と、生活雑貨を売る小さな店だ
けなのだが、その店の調子のいい主人が従業
員を呼ぶときだけ威圧的なのが毎回おもしろ
かった。あとこれは思わぬ「猫映画」の拾い
物であった。

               12.12(土) 恵比寿ガーデンシネマ




2020年12月27日日曜日

【LIVE! <配信>】 THE BACK HORN

 
   マニアックヘブンVol.13

 1. フラッシュバック
 2. カラス
 3. ダストデビル
 4. 野生の太陽
 5. プラトニックファズ
 6. 人間
 7. 再生    
 8. シアター    
 9. 風の詩    
10. 飛行機雲
11. 怪しき雲ゆき
12. ミスターワールド
13. 旅人    
14. サイレン

[ENCORE]    
 1. 天気予報
 2. 舞い上がれ
 3. さらば、あの日

           12.6(日)STREAM PASS

マニアックヘブンも配信で。
観客も少人数ながら抽選で入れたのだが、
わたし銀河遊牧民(ファンクラブ)なのに
見事に落選しましたよ…。

前半、ねっとりしたダークな曲が多くて、
これぞマニアックヘブンという感じ。やっ
ぱりバックホーンはこうでなきゃね…。
そのぶん「シアター」「飛行機雲」が能天
気で内容の無い歌に聴こえた。めずらしく
選曲ミスのような気がしたなー。

しかし、もう配信ライブにも飽きてきた。
もちろんやってくれるだけありがたいのだ
が、PCをテレビにつないで観るライブとい
うものに食傷ぎみ…。はやくライブハウス
でバックホーンが観たいものです。
ベストアクトは「フラッシュバック」。




2020年12月26日土曜日

読書㉖

 
『M/世界の、憂鬱な先端』
吉岡忍 著    文春文庫

森達也の現代ビジネスの連載を読んでいて、
植松聖の精神鑑定に話が及んだ際、本書が
引き合いに出されていて、がぜん興味を惹
かれた。
書名の「M」とは第一義には宮崎勤の「M」。
吉岡は宮崎の三種類の精神鑑定書を徹底的
に読み込み、自らの取材で得た事実とも引
き合わせながらそのいい加減さ、矛盾、杜
撰さを白日のもとにさらしていく。凶悪事
件になればなる程、「判決は極刑しかない」
とまず結果が決められてしまう。つまり
「減刑はできない」、ということは「心神
耗弱という診断はできない」、なぜなら
「世論が許さないから」。
宮崎はマスターベーションところか勃起し
たこともなく、おそらく性欲のことも理解
していない。それでも事件は、性的ないた
ずら目的で4人の幼女を次々と毒牙にかけ
たロリコンの異常者による犯行、という結
論にまとめられるのである。









『「グレート・ギャツビー」を追え』
ジョン・グリシャム 著 村上春樹 訳 中央公論新社

プリンストン大学の図書館に厳重に保管され
ていたスコット・フィッツジェラルドの直筆
原稿が盗まれた。美術品専門のプロの窃盗団
による計画的な犯行だが、FBIの捜査もむな
しく、原稿は闇のマーケットに流れてどこか
へ消えてしまった…。

第一章を読むとクライム・サスペンスのよう
だが、原稿が消えてしまってからは、スラン
プに陥っている女性作家が主人公となり、保
険会社の有能なエージェントが彼女にある不
思議な依頼をすることになる。カミーノ島の
書店の店主をはじめとした、なかなか魅力的
な人物たちと、「本」というこの不思議なも
のとが織りなす多彩なストーリーが展開され
て、ぐいぐいと引っ張られるように読み進め
てしまった。フィッツジェラルドはもちろん
のこと、いろいろな作家の名前が出て来て楽
しいのだが、稀覯本の蒐集家である書店主の
口から『ブラッド・メリディアン』の初版本
の話が出たので、長い間わが本棚に温存して
あるepi文庫をそろそろ読んでみようかという
気にもなっている。




2020年12月19日土曜日

【LIVE!】 スガシカオ

 
  Hitori Sugar Tour 2020 -セトリ再現ライブ-

 1. 労働なんかしないで 光合成だけで生きたい
 2. 午後のパレード
 3. 真夜中の虹
 4. サヨナラホームラン
 5. 黄昏ギター
 6. Hop Step Dive
 7. 1+1
 8. ぼくの街に遊びにきてよ
 9. 坂の途中
10. Progress
11. 発芽
12. アストライド
13. ヤグルトさんの唄
14. 黄金の月
15. コノユビトマレ
16. 19才
17. ストーリー

<Encore>
 1. 深夜、国道沿いにて
 2. アシンメトリー

      12.4(金) 昭和女子大学 人見記念講堂

配信ではなく、久々にホールでライブを観た。
スガシカオがエフェクターやらサンプラーやら
を駆使して、最初から最後までたった独りで演
奏し、歌うライブ。人見記念講堂はじめてだっ
たけど、良い音だったです。
客席を半分にするかわりに、1日2回公演…。
私は17時開演の初回だった。シカオちゃんそん
なに強靭な喉ではなかったと思うが、2回目は
大丈夫だったのだろうか。
「19才」で終わりかと思ったところに「ストー
リー」をやってくれたのが嬉しいですなー。
でもベストアクトは「坂の途中」。

2020年12月15日火曜日

泣く子はいねぇが

 
☆☆☆★★  佐藤快磨   2020年

是枝さんが脚本に惚れ込んだとかで、製作
として全面的にバックアップした作品。
「なまはげ」をひとつ中心的なモチーフと
しながら、酒で失敗して妻(吉岡里帆)や
ら娘やら仕事やらすべてを失った男(仲野
太賀)が、東京での無気力な生活を脱出し、
自分なりのケジメ(?)をつけるまでを描
く。
ラストシーン、というか映画の終わり方に
は感心しなかったが、仲野太賀の好演と吉
岡里帆で★ひとつ加点ですねこれは。幸薄
い感じの吉岡里帆、やさぐれてぼーっとパ
チンコを打ってるのが意外と似合っていた。

寛一郎という若者が出ていて、良いツラ構
えしてんなー、絶対何かで観たなーと考え
たのに思い出せず。帰って検索…。そうで
すよね、『劇場』で途中まで山﨑賢人と相
棒だった「野原」だ。『菊とギロチン』に
も出ていたらしい。そして佐藤浩市の息子
だった。

                       12.2(水) ユーロスペース




2020年12月10日木曜日

レイニーデイ・イン・ニューヨーク

 
☆☆☆★★  ウディ・アレン  2020年

ニューヨーク育ちのティモシー・シャラメが
田舎娘の恋人エル・ファニングにニューヨー
クを案内しようと練りに練ったデートプラン
を用意するのだが、彼女の「映画監督へのイ
ンタビュー」の仕事がずるずると長引き、や
きもき…。そのうち彼女はプレイボーイの俳
優から口説かれ、ティモシーも元カノの妹と
再会してなぜか自主映画に出演することにな
りキスシーンまで演じさせられて、ふたりは
とことんすれ違いつづける。
まあこのへんのコメディな展開はいつものウ
ディ・アレン節というか、もっといえば『ミ
ッドナイト・イン・パリ』的とも言えるか。
いつもと若干違うのは、エル・ファニングが
ミーハーなおつむの悪い小娘と思いきや、映
画人たちから妙に気に入られるほどの知性が
隠されている…かのようで、やっぱりバカな
のか。結局最後までよく分からないところか。

撮影監督のヴィットリオ・ストラーロって、
ひょっとして…と思ったらやっぱり『ラスト
エンペラー』とか『地獄の黙示録』を撮った
スーパー大巨匠ですね。最近3作、ウディ・
アレンと組んでるようだ。

元カノの妹を演じているエキゾチックな女の
子にどうも見覚えがあるなーと思っていたら、
『デッド・ドント・ダイ』でモーテルでゾン
ビに殺されて生首になってた娘(セレーナ・
ゴメス)だった。

                        11.16(月) ギンレイホール




2020年12月5日土曜日

はちどり

 
☆☆☆★★   キム・ボラ  2020年

『パラサイト』とはまた違った方面で今年
もっとも話題になっていた韓国映画である。
ギンレイホールの「見逃し映画特集」で。

新人の女性監督が少女を被写体に撮るのだ
から、もうそれ以上ぴったりくる賛辞もな
かろうけど、どの評をみても「みずみずし
い」の洪水であった。おかげで観る前から
「みずみずしい脳」になってしまっていた
わけで、そうすると不思議なものでかえっ
て新人らしからぬ技巧のほうに目がいく。

特にこの演出、演技経験もさほど無いだろ
う主演の女の子にどのぐらい演技の指示を
したのか、観ただけではもちろん分からな
いけれど、相当しっかりした演出プランを
もって撮っているように感じた。でないと
あんな初々しいキスシーン撮れないでしょ!

最後のほう若干長く感じたが、秀作である。

                      11.16(月) ギンレイホール


2020年12月1日火曜日

星の子

 
☆☆☆★     大森立嗣    2020年

この映画に関しては、大森立嗣の新作が、
というよりも芦田愛菜ちゃんがどんな芝居
をするのかに興味があった。ほとんどの国
民が子どもの頃から知っている愛菜ちゃん
は、成長してなんだか不思議な立ち位置の
女優になってきたが、今後も学業を優先し
ていくのだろうし、ぜひそうして欲しいと
みんなから思われているというのがおもし
ろい。
原作小説は今村夏子。
共演に岡田将生、蒔田彩珠、粟野咲莉。
新興宗教にハマる両親に原田知世、永瀬正
敏。岡田君は爽やかだけど性格の悪い教師
を好演している。

愛菜ちゃんは両親のどう見ても怪しい信仰
とは距離をとりながらも、それを拒否して
家を出て家族関係を壊す必要を感じないし、
信仰の完全否定もできかねている微妙な心
情をうまく演じている。こういう新興宗教
を扱う映画って定期的に観るけど、なんか
雰囲気が似通ってる気がするのはなぜなの
か…。

                            11.15(日) テアトル新宿



2020年11月28日土曜日

読書㉕


『土屋耕一のことばの遊び場。』
(東京糸井重里事務所)
「ほぼ日」で知って、箱に入った2冊組を
勇んで購入したのは、はるか昔…。もう読
まれることはないのかと思っていたよ。








『ことばの遊びと考え』
土屋耕一 著  糸井重里 編

糸井重里が編集したこちらは、エッセイが
数編と、コピーやキャッチフレーズの名作、
またコピーに対する土屋さんの考えなどを
集めたもの。文体は洒脱で、都会の知的な
オトナといった感じ。

ちょっとおふざけで「ハット」を題材にコ
ピー講座なんかもやっていて、ここでは実
際に読者の作品を募集してはいないので、
読者投稿に「ありそうなコピー」も自分で
考えているのだが、よくまあ次から次へと
出てくるものだ。ほんとに感心する。


『回文の愉しみ』
土屋耕一 著  和田誠 編

もう1冊の方、和田誠が編集したのは、回文
を中心に「ことばあそび」全般に関する文章
を集めたもの。もちろんエッセイの中にもポ
ンポンおしげもなく自作の回文が出てくるし、
読者からの投稿もある。その上、土屋さんが
メモとして書き留められていたものも一挙放
出されていて、何ページにもわたってひたす
ら回文が載っているその眺めは壮観である。
土屋さんの代表作は
 軽い機敏な子猫 何匹いるか
 (カルイキビンナコネコナンビキイルカ)

が有名だそうだが、たしかにキレイに決まっ
ている。

 春、谷に咲く 七草に似たる葉

なんてのもオシャレですな。



2020年11月25日水曜日

欲望の翼

 
☆☆☆★   ウォン・カーウァイ  1992年

デジタル・リマスター版を鑑賞。
冒頭から、大学の売店の女の子に「1分ぼく
にくれ」とかいうレスリー・チャンのやたら
スカした男っぷりが笑えるのだが、こういう
キザなのは大真面目にやらないと様にならな
いですよね。レスリー・チャンはちゃんと全
力でカッコつけてて良い。このクサい演出が
ぐっと洗練されると『恋する惑星』になって
いくのだろう。

しかし今更だけどトニー・レオンがカッコい
いのは分かるのだが、レスリー・チャンって
そんなにカッコいいかね。あの下積み時代と
か無さそうな、ちょっとノーブルな感じが良
いんだろうか。

ラストが船室で身だしなみを整えるトニー・
レオンで終わるのは、続編を考えていたから、
とのこと。

                                  11.9(月) 新文芸坐




2020年11月21日土曜日

楽園の瑕 終極版

 
☆☆☆★   ウォン・カーウァイ 2008年

池袋の文芸坐にて、ウォン・カーウァイ特集。
未見の2本が上映される日を狙って、仕事終
わりに駆けつける。

1994年製作の『楽園の瑕』を大幅に作り直し
た「終極版」。追撮はしていないようだが、
編集が元のとはぜんぜん違うらしい。

砂漠地帯にぽつんとある家に住み、「殺し」
を請け負って殺し屋を派遣するブローカーを
レスリー・チャンが演じて、寓話のような幻
想的なストーリーが展開される。年に一度訪
ねて来るレスリー・チャンの友人と、もうひ
とり似たような顔のひとが出て来て、途中ま
で私はふたりが同じ人物だと思って観ていた
のでわけが分からなくなった。
戦闘シーンのコマ落としとかスローモーショ
ンが香港映画っぽくて良いですなー。クリス
トファー・ドイルの映像は独特の美学があっ
て、観ていて飽きない。やっぱこのひとすご
いんですかね。

                                   11.9(月) 新文芸坐







これにて100本! 無事達成。
2016年以来となる。

2020年11月18日水曜日

空に住む

 
☆☆☆    青山真治    2020年

不慮の事故で両親を喪ってしまった主人公
(多部未華子)。叔父夫婦のはからいで、
都心にある高層マンションで飼い猫と暮ら
し始める。
勤めている小さな出版社での仕事と、ひょ
んなことから出会った同じマンションに住
む人気芸能人(岩田剛典)との"オムライ
ス交際"とが並行して描かれていく。しか
しながら、とりたてて特筆すべきこともな
い淡々とした描写で、「これは何だ?」と
引っ掛かるようなこともなくするすると流
れていく。これ、青山真治が撮る必要あっ
たのかな…。
冒頭に無造作に置かれた防犯カメラの映像
のような不穏なカットだけが浮いているよ
うに感じる。

あと、これはいわゆる「猫映画」でもある。
猫はなかなかの演技をしている。

                         10.25(日) 新宿ピカデリー




2020年11月14日土曜日

【演劇】 獣道一直線!!!

 
作・宮藤官九郎  演出・河原雅彦

出演
生瀬勝久 池田成志 古田新太
山本美月 池谷のぶえ 宮藤官九郎

劇場で観劇するのは去年の『キレイ』
以来か。やはりいいものですなー。
新しいPARCO劇場はもちろん初めて。
ピカピカの劇場にふさわしいのかどう
かはさておき、木嶋佳苗の婚活殺人事
件をおもなモチーフにしながら、とこ
とんバカバカしいクドカンの世界が展
開される。ラストはどこか『ファーゴ』
的な不条理さ。
男3人(生瀬勝久、池田成志、古田新太)
よりも、やはり出色は池谷のぶえの怪
演だろう。コントのおばちゃん役、お
ばあちゃん役で見慣れている彼女だが、
その変幻自在の芝居に翻弄されるうち
に、ものすごく色っぽく見えてくるか
ら不思議である。

                      10.24(土) PARCO劇場




2020年11月11日水曜日

スパイの妻

 
☆☆☆★★   黒沢清    2020年

印象に残るのは、撮影2日目に撮られたと
いう、広い倉庫での蒼井優と高橋一生の長
い芝居。黒沢は非常に少ないカットで、演
劇的ともいえる動きを蒼井優に指示して、
長回しでその芝居を捉える。まあいつもの
黒沢清の感じでしょ、と思われるかもしれ
ないが、これほど監督の力量とチームとし
ての技術力が試されるシーンもあるまい。
もちろん俳優の技術も、だ。
そして古いフィルム「のように」映像加工
された、劇中劇の巧みな使い方にも感嘆す
る。国谷さんとのインタビューでも、何に
凝ったかと訊かれて、凝ったといえば劇中
劇のフィルムにはかなりこだわったと答え
ていたが、物語上で重要なのもさることな
がら、シネフィルとしてはあそこをおろそ
かには出来ない、というところだろう。

蒼井優はもはや独りで「115分もたす」こ
とのできる女優になった、と私は思ってし
まった。もちろん慶賀すべきことである。

                        10.23(金) 新宿ピカデリー




2020年11月7日土曜日

おしゃれ泥棒

 
☆☆☆★  ウィリアム・ワイラー 1966年

オードリー・ヘップバーンとピーター・
オトゥールによる洒脱なロマンティック
コメディ。
オードリーの父親は贋作専門の画家。そ
の腕前は一級である。ある夜、家に忍び
込んだ泥棒(と彼女は思っている)と贋
作師の娘が恋に落ちる。ふたりは、美術
館で展示の決まった贋作のヴィーナスの
像が正式な鑑定を受ける前に取り戻さな
くてはならなくなり、厳重に警備された
深夜の美術館に忍び込む…。

まあ深く沈思しなくてはならないような
ことは何もない、軽快にしておしゃれな
映画である。オードリーの衣装はジヴァ
ンシイが担当したという。ブーメランで
警報を無効化するというアイディアはな
かなかおもしろい。

                   10.11(日) BSプレミアム




2020年11月3日火曜日

【LIVE!】 エレファントカシマシ

 
日比谷野音の観客ありのライブを、
配信で観ました。

[一部]
 1.「序曲」夢のちまた
 2. DEAD OR ALIVE
 3. Easy Go
 4. 地元のダンナ
 5. デーデ
 6. 星の砂
 7. 何も無き一夜
 8. 無事なる男
 9. 珍奇男
10. 晩秋の一夜
11. 月の夜
12. 武蔵野
13. パワー・イン・ザ・ワールド
14. 悲しみの果て
15. RAINBOW
16. ガストロンジャー
17. ズレてる方がいい
18. 俺たちの明日

[二部]
19. ハナウタ〜遠い昔からの物語〜
20. 今宵の月のように
21. 友達がいるのさ
22. かけだす男
23. so many people
24. 男は行く
25. ファイティングマン
26. 星の降るような夜に
27. 風に吹かれて

(アンコール)
EN1. 待つ男

                 10.4(日) PIA LIVE STREAM

最近の宮本さんはソロに注力しているよう
だが、毎年恒例の野音はエレカシで。
「今宵の月~」「風に吹かれて」などが好
きだったライトな「エレカシ好き」から、
初期のアルバム5枚をはじめとする絶叫と
憤怒と哀しみの詰まった曲たちを愛好する
ようになってからも、すでに15年以上の
年月が経過する。しかし私は恒例の野音に
は1度しか行ったことがないのである。抽
選に応募しても当たらない年も何度もあっ
た。けっこう激戦なんですよこれが。
そんな野音で、制限つきとはいえ観客もあ
りで、ひさしぶりのライブができて宮本さ
んはやはりうれしそうだった。もちろん、
ファンとしてもうれしい限りである。

ベストアクトは"かけだす男"~"so many
people"の珠玉の流れ、としたい。


2020年11月1日日曜日

読書㉔


『この気持ちもいつか忘れる』
住野よる 著   新潮社

小説と一緒に、THE BACK HORNの5曲入り
CDが付いているという変わった本である。
若年層からずいぶん人気があるらしい著者だ
が、まあ正直私には関係のないライトノベル
作家だと思っていた。しかし今回は私の最も
愛するバンドとの「コラボレーション企画」
なので、まあ無視するわけにもいかぬだろう。
けっこう長い小説なので、おもしろくないと
これはツライぞ、と警戒しながら読み始めた。
結果、まあツライというほどではないけれど、
義務感も手伝ってなんとかだましだまし最後
まで読み通した、という感じ。まあ私には関
係のない作家という認識に変わりは無い。
ちなみにCDはけっこう良い出来である。










『サル化する世界』
内田樹 著    文藝春秋

対してこのひとの文章はいつもおもしろい
んですよねー。

今回も内容はバラバラだが、どれもおもし
ろい。「比較敗戦論のために」という文章
では、見方によってはフランスは第二次大
戦の「敗戦国」だし、イタリアは「戦勝国」
であるという見解が示されて、うーん、そ
んなこと歴史の授業では教わらないよなー
と目を啓かされる思いがした。





2020年10月29日木曜日

チャンオクの手紙

 
☆☆☆★   岩井俊二   2017年

これが「手紙シリーズ」の最初なのか。韓
国で制作されたらしい、私は存在すら知ら
なかった。YouTubeで無料公開していたの
で観られた…。ストーリーは『ラストレタ
ー』とは違う話である。

ペ・ドゥナが主演。好きです。ちょっと常
盤貴子に似てきたような気が。
ファーストカットからなかなか意気に溢れ
た長回しで、どこまで続くのかとにやにや
してしまった。撮影監督は「手紙」シリー
ズと同じ神戸千木。どうも「friends after
3.11」からの付き合いのようだ。もしくは
AKB48のドキュメンタリーのときからか。

日本の家庭とは家族同士、特に義母と嫁と
の関係性も異なるようで。まさにそこに焦
点が当てられた韓国版ホームドラマといっ
た趣きである。新鮮でおもしろかった。
『チィファの手紙』よりもよっぽど"岩井
俊二的"だったように思う。

                               9.27(日) YouTube




2020年10月26日月曜日

テネット

 
☆☆☆★★★  クリストファー・ノーラン 2020年

最後の★はもう努力賞というか、この途方も
ない撮影をよくやり遂げましたという「敬意
の加点」が半分。演じている俳優たちですら
台本が理解できなくて監督を質問責めにした
というが、このおそろしいほど複雑なプロッ
トを保ちながら、かつエンタメとして成立さ
せることの困難さよ! 「映画に必要だから」
という理由で本物のジャンボ・ジェットを建
物に激突させて炎上させることができるのは
今やクリストファー・ノーランだけだろう…。

ノーランはおそらくある種の使命感をもって
「敢えて」超大作映画を作っているんだと察
する。はっきり言ってこんな映画、大変なだ
けで、苦労に見合うだけのもの(報酬、名誉、
達成感…)が得られているとは到底思えない。
余計なお世話ながら、ね…。
いずれにせよ私たちにできるのは、ただただ
映画館に観に行くこと、それだけだ。「難し
そう」「150分は長い」とか諸々の理由で観
に行っていないひとは、考えを改めて観に行
くべし。わけが分からなくてもいいじゃない
ですか。


実はこれで95本目なのである。
フフフ、今年はもらった……!

                             9.26(土) 新宿ピカデリー




2020年10月23日金曜日

ようこそ映画音響の世界へ

 
☆☆☆★   ミッジ・コスティン  2020年

"音響"という観点から映画史を振り返る
試みはすばらしい。映像とは違った進化
の歴史があり、重要作品として『ナッシュ
ビル』とか『スター誕生』とか、意外な
名前があがってくる。モノラルだった音
響をステレオにするのすら、そんな必要
はないと制作側から反対されたというの
だから、まさに隔世の感がある。
音の面から言って、映画史の最大の転換
点は『スター・ウォーズ』と『地獄の黙
示録』の2作だということである。そし
てウォルター・マーチの影響は広く深い。

しかし登場する音響マン、みんな楽しそ
うに仕事をしている。楽しいことばかり
じゃないと思うけど、ああいう風に自分
の仕事を語れるというのは羨ましいこと
だ。

                         9.22(水) シネマカリテ




2020年10月21日水曜日

【LIVE!】 桑原あい THE PROJECT


[ MEMBERS ]
桑原あい(ピアノ)
鳥越啓介(ベース)
千住宗臣(ドラムス)
 
 1. Deborah's Theme (Ennio Morricone)
 2. MAMA
 3. All life will end someday, only the sea will remain
 4. Money jungle (Duke Ellington)
 5. March Comes in Like a Lion
 6. That's The Ball Game
 7. The Day You Came Home
 8. 919
EC. Dear Family

                            9.21(月) ブルーノート東京


ブルーノート東京で初めてライブを観る。
なんたるおしゃれ空間…。
本来ジャズとはこういう場所で聴く音楽
なのだろうか、とふと思うが、出てくる
料理もおいしく、食べながら開演を待っ
てるうちに、そんな疑問は消え失せてし
まった。
そして演奏。80分ほどだったか。全身を
使って弾くパワフルなピアノが特徴のひ
とだが、この日もアグレッシブに、小気
味いい演奏だった。ベースの鳥越さんの
余裕のプレイにも魅了される。


2020年10月18日日曜日

チィファの手紙


☆☆☆★     岩井俊二    2020年

『ラストレター』と同じ話を中国で映画化し
たもの、監督も撮影監督も同じということで、
よっぽどのマニア向けである。
それなのに、同じ職場の同期と映画館でばっ
たり会ってしまい、しかもどちらもこの映画
が目当てという偶然が既に岩井俊二っぽくて
なんだか気恥ずかしい。

ほんとに『ラストレター』と同じ話なんだが、
夏休みを冬休みに置き換えているからか画が
寒々しいのが残念である。キャストも、広瀬
すずと森七菜のほうが可愛いと私は思います。
そりゃあ『ラストレター』にも観ていて恥ず
かしいショットはたくさんあったけど、初め
てマスクを外すときに女優のまわりをぐるぐ
るまわるカメラも、確かに恥ずかしいけれど
も、岩井さんがそうしたいなら、受け入れま
す! と思えた。しかしなぜか今回は恥ずか
しいだけだった。
全体をとおして、岩井俊二の色が薄めだった
気がする。あんなに「何を撮っても岩井俊二」
になってしまうひとなのに、どうしたんだろ
うか…。

                                   9.19(土) バルト9




2020年10月15日木曜日

Red

 
☆☆☆★   三島有紀子   2020年

2本目は島本理生の原作があるこの映画。
冒頭から雪、また雪の峠をひた走る車。
乗っているのはなんだか思いつめたような
男女。電話ボックスから電話をかける夏帆、
それをボンネットにもたれ、虚無的にタバ
コを吸いながら見ている妻夫木くん。
さっそく男女のただれた愛の予感がする幕
明けだが、それにしてもあの『天然コケッ
コー』の夏帆が…。しつこいね。

冒頭シーンは時制としては映画の終盤で、
1年ほど時を戻して始まったのは、よくあ
る「何不自由してないが愛のない結婚生活」
を間宮祥太朗と営んでいる夏帆が、「昔の
先輩」でちょっと無頼な感じの妻夫木くん
と再会することで心が激しく揺れ動くとい
う話で、話型としては新鮮味はまったくな
く、実は映画としてもずっと「どこかで観
たような…」という感じがしていた。でも
ラブシーンはとてもキレイに撮れていた。
リアルというのともまた違うのだが、凡庸
な言い方になるけど女性監督が撮ったラブ
シーンだな、という感じ。女優をキレイに
撮ることを第一義としている感じがした。

あとこれはネタバレになるので色を変える
が、
妻夫木くん、新潟に来られるのであれば、
依頼主に挨拶ぐらいしないと絶対ダメだろ!
黙って帰るなんて社会人失格! と誰もが
思ったはず。

                            9.11(金) キネカ大森




2020年10月13日火曜日

ブルーアワーにぶっ飛ばす

 
☆☆☆★   箱田優子   2019年

キネカ大森にて、夏帆の主演作2本立て。
いきなりユースケ・サンタマリアとの不倫
シーンから始まって、もう夏帆もとっくに
大人なんだから当たり前なのだが、ああ、
『天然コケッコー』のあの夏帆が…不倫と
はなぁ……とはなはだ勝手な感慨を抱いて
しまう。

共演は『新聞記者』で好演していたシム・
ウンギョン。ここでは「後輩」の役だが、
ちからの抜けた演技で非常にうまい。コ
メディでも充分通用すると思う。
一方で、南果歩の不気味な演技も見もの。
背筋がさむくなる好演であった。

ところで、最後までおもしろく観たのだ
けれど、このラストカットって、要るの
かね? なんかそういう話にして無理や
り意味を持たせない方がいいように思っ
たけどなー。

                        9.11(金) キネカ大森




2020年10月11日日曜日

読書㉓

 
『心は孤独な狩人』
カーソン・マッカラーズ 著 村上春樹 訳 新潮社

「村上Radio プレスペシャル」での発言に
よると、マッカラーズというひとは「月か
ら落ちてきた隕石みたいな作家」。要はい
かなる系譜にも属さない特異な作家であり、
のちに続くフォロワーもいない。一代限り
の突然変異のごとき存在ということらしい。
その作家としてのスタイルは23歳(!)の
デビュー作『心は孤独な狩人』で既に完成
されており、若き春樹は読んで深い感銘を
受けた。実をいうとさきの『結婚式のメン
バー』の翻訳は、本命の『心は~』を訳す
ための準備運動だった、と。思い入れは相
当なものがあるようだ。

1930年代末、アメリカ南部で決して豊かと
はいえない生活を営む市井の人々、聾唖の
青年、黒人の医師、アナーキストの技師、
妻を亡くしたカフェのオーナー、音楽を愛
す少女…。章ごとに視点を移しながら、丁
寧にそのヴォイスを拾い上げていく長大な
群像劇である。決して読み始めたら止まら
ない、という類の小説ではない。登場人物
たちはそれぞれ偏屈だったり、怒りと絶望
を溜め込んでいたり、あるいは恋をしたり
しているが、とにかく一人一人を徹底的に
描き込むことで重層をなして、物語の厚み
を増していく。読み終わったときに、人物
たちのヴォイスが自分の中に、たしかな存
在として残るような小説である。










『着せる女』
内澤旬子 著   本の雑誌社

作家ともだちの「受賞式に来ていくスーツ」
を見繕っているうちに、男をパリッとした
スーツで変身させていく楽しさに目覚めて
いく内澤さん。結局連載中に6人の男たちを
バーニーズ・ニューヨーク銀座店へと引っ
張っていき、スーツのことを知り尽くした
「スーツ・ソムリエ」の見立てる、一見す
ると"意外な"、でも着せてみるとピタリと
合うというスーツの奥深い世界に酔いしれ
る…。

私は普段スーツを着る職場ではないので、
今年は一度もスーツを着なかったな、とい
う年だってある。最近ではそういう年のほ
うが多いぐらいである。なので用語はもと
より、スーツの細部にまつわる流行につい
てなど、まったく知らないことばかりで驚
くことしばしば。読んでいると、1回きり
のはずだったこのコラムが長期連載になっ
ていったのも分かる気がする。





2020年10月8日木曜日

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

 
☆☆☆★  オリヴィア・ワイルド 2020年

勉強に生徒会にとわき目もふらずマジメに
頑張ってイェール大学合格を見事勝ち取っ
た主人公だったが、勉強せずにチャラチャ
ラ遊んでた同級生たちも意外と良い大学に
行くことに大いにショックを受け、それな
らせめて卒業パーティーで派手にハジけよ
うと決断する。
めざす「ニックの家のパーティー」はSNS
で実況されていて、動画で様子はいくらで
も分かるのに、住所が分からなくてなかな
かたどり着けないというのがミソなのだが、
いかにも現代的である。

『リチャード・ジュエル』にも出演してい
た女優のオリヴィア・ワイルドの初監督作。
設定はひねってあるが、映画としてはわり
と王道なつくり。よくできていて、楽しく
観ることができた。内容があるかと言われ
ると、まあさほど無いけれど。

                            9.9(水) シネクイント




2020年10月6日火曜日

【LIVE!】 THE BACK HORN


 KYO-MEI MOVIE TOUR SPECIAL -2020-(ライブハウス編)

 1. その先へ
 2. Running Away
 3. シンフォニア
 4. 白夜
 5. 暗闇でダンスを
 6. がんじがらめ
 7. ジョーカー
 8. ガーデン
 9. ヘッドフォンチルドレン
10. 泣いている人
11. 瑠璃色のキャンバス
12. ハナレバナレ
13. 戦う君よ
14. コバルトブルー

【ENCORE】
 1. 無限の荒野

             9.6(日) PIA LIVE STREAM

こないだはレコーディングスタジオからだった
が、今度はライブハウスから。Veats Shibuya
とかいうVictorのライブハウスらしい。去年の
秋にできたばかりとのことで、今後行くことも
あるだろう。

演奏と山田の喉の調子を含めた総合的なクオリ
ティは前回の「スタジオ編」方が上だった感は
ある。がしかし、やはり山田の、ときに苦悶に
身をよじるような激しいアクションも「込み」
でのバックホーンということもあり、"ジョー
カー"の演奏など鬼気迫るものだった。

ベストアクトは、「白夜」「ジョーカー」も良
かったが、この2曲が良いのは当たり前という
ことにして、意外に良かった「ハナレバナレ」
にしましょうかね。




2020年10月5日月曜日

男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく


☆☆★★★   山田洋次   1978年

シリーズ第21作。マドンナは木の実ナナ。
さくらの幼馴染で、浅草のレビューで踊り
子をしているという設定。レビューの舞台
袖や楽屋にカメラが潜入したりするのは、
寅さんシリーズではめずらしい。
倍賞千恵子はSKDの出身なんですね。

寅さんが木の実ナナに夢中になってレビュ
ーに通い詰めるので、ほぼ全篇東京にとど
まっていて、地方色が非常に薄い回である。
いちおう熊本で武田鉄矢に出会うくだりが
あるが。言っちゃ悪いけどあまり笑えない。

                                9.6(日) BSテレ東




2020年10月3日土曜日

ミッドナイト・イン・パリ

 
☆☆☆★★  ウディ・アレン  2012年

オーウェン・ウィルソン。共演にレイチェル・
マクアダムス、マリオン・コティヤール。
これから作家で食っていこうという青年が、
かねてからの憧れだった「1920年代のパリ」
にタイムスリップして、当時の文化人たちと
交遊する。

公開時以来の再見だが、内容というよりも、
オーウェン・ウィルソンの「驚いた顔」をよ
く覚えている。ちょっと変わったお顔立ちで
すよね。
スコットとゼルダのフィッツジェラルド夫妻
と友だちになり、ヘミングウェイと言葉を交
わし、ガートルート・スタインに自作を読ん
で評してもらう。主人公の有頂天の喜びよう
に、こちらも思わずうれしくなってくる。

                            9.1(火) BSプレミアム




2020年10月1日木曜日

はりぼて

 
☆☆☆★★ 五百旗頭幸男 砂沢智史 2020年

富山市議会で汚職の露見ドミノが起こり、
ものすごい人数の市議が謝罪したり辞職
したり、またはその両方をしたりした顛
末を、皮肉と怒りと笑いをけっこう良い
バランスでミックスした秀作になってい
る。『さよならテレビ』よりよほど面白
かった。

議員たちの見苦しい言い訳、開き直り、
恫喝、挙句のしおらしい謝罪会見に、場
内は爆笑であった。「制度論」を振りか
ざして「オレには関係ない」を通す憎た
らしい市長に比べれば、汚職はしてもど
こか一生懸命な派閥の長老のほうがまだ
可愛げがある。

                       9.1(火) ユーロスペース




2020年9月29日火曜日

追想

 
☆☆☆  アナトール・リトヴァク  1957年

イングリッド・バーグマン。
ロッセリーニとの結婚生活が終わり、ハリ
ウッドに戻ってきての復帰第1作で、2度目
のアカデミー主演女優賞。これぞまさに女
優、というキャリアですな。

原題は「Anastasia」。ロマノフ王朝の血を
引く皇女アナスタシアをめぐる話なのだから
当然で、ひねりが無いといえば無いが、邦題
の「追想」では何を言いたいのかよくわから
ない。
我こそアナスタシア、というひとが何人も名
乗り出たというのは実話らしい。上流階級の
人間に仕立てるために庶民の娘を教育すると
いう筋は『マイ・フェア・レディ』のようだ
が、あちらの監督はこないだ観た『ガス燈』
のジョージ・キューカーだった。
実は最後まで観てもすっきりしない映画で、
結局イングリッド・バーグマンは何だったん
だ…。

共演のユル・ブリンナーは「王様と私」で有
名なひとだが、スキンヘッドで独特の雰囲気
がある。プーチンの役とかもできそう。

                        8.30(日) BSプレミアム




2020年9月27日日曜日

読書㉒


『武器よさらば』
ヘミングウェイ 著 高見浩 訳  新潮文庫

これは題名からして戦場っぽいな、よしよ
し、とすでに何を期待しているのかよく分
からなくなっているが、ヘミングウェイが
第1次大戦中、イタリアの戦場で傷病兵搬送
車要員として従軍した事実を下敷きにした
物語である。ただし文庫の解説によると、
自身の体験と小説の内容とは大きく違って
いるようである。小説にはかなり壮絶な撤
退戦の迫真の描写があるが、すべて創作ら
しい。私はなんとなく前に読んだ『五分後
の世界』(村上龍)なんかを思い出しなが
ら読んでいた。

これは友人の指摘で思い当たったのだが、
「負傷した兵士が病院で看護婦と結ばれる」
という所までは、この小説と『ガープの世
界』は共通している。もちろんそこからは
全然違う話になるわけだが、ジョン・アー
ヴィングにはひょっとすると『武器よさら
ば』を"上書き"してやるという意気込みも
あったのかもしれない。そのぐらいこの小
説のラストには救いがない…。





『「リベラル保守」宣言』
中島岳志 著    新潮文庫

一時期、新宿中村屋にちょこっとカスる程
度ながら関係のある仕事をしたことがあり、
中島岳志の『中村屋のボース』がずっと気
になっていたのだけど、結局読むことはな
く、その仕事は終わってしまった。
するとEテレ「100分 de 名著」でオルテガ
の『大衆の反逆』がテーマの時に中島岳志
がゲスト解説者として出ていて、その語り
の明晰さに感心した。
脱線するけどあの番組はたまに観ているが、
番組のおもしろさにおける「取り上げる本」
と「ゲスト解説者」の比重は私の見たとこ
ろ3 : 7といったところで、いくら本がおも
しろくてもゲストの話がつまらないとせっ
かくの「名著」までつまらなく思えてしま
う。逆に言うとゲストの話がおもしろいと、
結局は読まないのだが、「お、ちょっと読
んでみるか」と、その時だけは一応思うの
である。

本書で解説される「リベラル保守」という
考え方に、私は特に異存のあるところはな
かった。だからといって保守主義者になる
かというと、私はすでに"村上主義者"なの
で無理で、というのは冗談ですが、「改革」
という言葉が政治的に使われるときの怪し
さ、その意味の変容が明らかな昨今、やた
らと威勢の良いことを言う輩を"疑う"とい
う営為は大事なことである。




2020年9月25日金曜日

さすらいのカウボーイ

 
☆☆☆  ピーター・フォンダ  1972年

『イージー・ライダー』で破格の成功を
収めたピーター・フォンダの監督・主演
作ということで、へえ、意外とシブい映
画がやりたかったんだな…。

原題は『THE HIRED HAND』、つまり
「働き手」。劇中では「使用人」と訳さ
れている。7年も妻と娘をほったらかし
にして放浪していたハリー(ピーター・
フォンダ)が家へ戻るが、妻は彼を認め
ず、ハリーは夫ではなく「働き手」とし
て友人アーチ(ウォーレン・オーツ)と
共に納屋で暮らす……。

ワンカットが長く、やたらとディゾルブ
の多い画は、まあ他に言い様もないので
「抒情的」と表現したくもなる。さほど
成功しているとは思えないが。妻の演技
はなかなか鬼気迫るものがある。

                     8.29(土) BSプレミアム




2020年9月23日水曜日

【LIVE!】 ハンバート ハンバート

 
   グッバイ、としまえん

 1. 長いこと待っていたんだ
 2. 横顔しか知らない
 3. レンタカー (新曲)
 4. 教訓Ⅰ (カバー)
 5. 日が落ちるまで
 6. ぼくらの魔法 (新曲)
 7. ぼくのお日さま
 8. 真夏の果実 (カバー)
 9. 試作品第12号 (新曲)
10. 虎
11. ホンマツテントウ虫
12. 国語
13. メッセージ
14. おなじ話

     8.25(火) PIA LIVE STREAM

閉園を直前にひかえた、としまえんからの
配信ライブ。
配信といっても、普段から2人だけでライブ
をしているハンバートなので、わりといつも
どおりの進行。メリーゴーランドの前から、
多めの新曲を織り交ぜながら、楽しくライブ
&トークは進み、最後は配信ならではの演出、
場所を100mほど移動して、カメラも移動し、
ガラッと雰囲気を変えてエンディング。
最初、音の歪みが気になったが、だんだんと
修正されていった。
ベストアクトは「国語」かな。




2020年9月21日月曜日

僕は猟師になった

 
☆☆☆★★  川原愛子   2020年

「ノーナレ」で放送された「けもの道 京都
いのちの森」を、300日の追加取材を行い、
映画版として再編集したドキュメンタリー、
とのこと。京都の山奥と住宅地の「ちょうど
間ぐらい」に住み、1年のうち4か月間だけ解
禁される「わな猟」で仕留めたイノシシやシ
カの肉を家族の食糧として大事にいただく、
千松信也さんの暮らしに密着する。「ノーナ
レ」の方は見逃したのでこの映画だけだが、
おもしろかった。山で脚を骨折したけど手術
せずに自然に治そうとするのは追加取材の時
に起きたらしい。

なるほどわな猟とは動物の行動パターンを読
むことだが、むやみに大きい罠を仕掛けるこ
とは法律で禁じられており、ほんの30cmと
なりを歩かれるだけで罠にはかからない。ま
さに動物の1歩1歩を読むぐらいの精度が要求
される。「現場」に残された昨夜の足跡や、
わずかなくぼみから「ここで水を飲んで泥を
撥ねて、このへんは鼻をすりつけながら歩い
て…」と動物の動きを再現してみせる千松さ
んは、さながら「臭い」だけで犯行を再現す
るスニッファーのようである。

                            8.25(火) ユーロスペース




2020年9月19日土曜日

となりのトトロ

 
☆☆☆☆     宮崎駿    1988年

何度観ても良いですなー。文句のつけよ
うがない。田舎に移住するのもいいな、
と思っちゃうね。ほんとは思ってないけ
ど。

今回新たに気付いたのは、終盤、いなく
なったメイを探しているときにサツキが
カンタを「カンちゃん」と呼んでいるこ
と。カンタもドキっとしたかもしれない
が、私もしました。

ブログによると2012年に観て以来だか
ら、8年ぶりのようだ。確実に8年前より
も染みるなー。

                             8.24(月) 日テレ




2020年9月17日木曜日

アルゲリッチ 私こそ、音楽!

 
☆☆☆  ステファニー・アルゲリッチ 2014年

不世出のピアニストである母に、娘がカメ
ラを向ける。幸いマルタ・アルゲリッチさ
んは、藝術家にありがちな気難しいひとで
はなさそうで、寝起きの顔を撮られてあれ
これ過去のことを質問されても、さほど嫌
がりはしない。ピアニストとしては鮮烈な
デビューからずっと第一線に立ち続けてお
り、村上春樹は短篇「謝肉祭」の中で
 「マルタ・アルゲリッチの演奏する『謝
 肉祭』をいつか聴きたいと望んでいる人
 間は僕一人ではあるまい」
と主人公に語らせているから、きっと高く
評価しているんだろう。

娘が3人いて(ステファニーは3番目)、父
親はみな違うのだが、4人でピクニックに
行く場面が印象的である。「いろいろあっ
たけど、まあとりあえずみんな大人になっ
たわね」みたいな、わりとドライな空気で、
誰も泣いたりしないのが良い。

コンサートの直前に「今日は演奏できない」
「ひどい出来になる」とぼやくアルゲリッ
チと、もう毎度のことで慣れっこらしい雰
囲気のマネージャーが軽く受け流してステ
ージに送り出すのがおもしろかった。

                       8.23(日) BSプレミアム




2020年9月16日水曜日

ガス燈

 
☆☆☆★  ジョージ・キューカー 1944年

ロンドンの、いわくつきの一軒家で繰り広げ
られるサスペンス。
イングリッド・バーグマンはよく物忘れをし、
アクセサリーなど色んなものを失くすことに
悩んでいた。夫のシャルル・ボワイエはすべ
てはバーグマンの精神的な病からくるものと
思い込ませ、夜になると天井裏でごそごそ何
かを探し回る音がしてガス燈の灯がちかちか
するのも彼女の妄想だと信じ込ませて…。

観客にはそれらはバーグマンの精神のせいで
はないということは分かっているので、なか
なか覚醒しないバーグマンにイライラする。
しかしシャルル・ボワイエのモラハラ夫ぶり
はけっこう強烈である。鈴木涼美さんは
「モラハラ男という呼び名が定着する前はこ
ういう男はどうやって呼ばれていたのだろう
と思うぐらい、モラハラ男って多い」と書い
ていたが、たしかにこのシャルル・ボワイエ
を呼ぶのに「モラハラ夫」より適切な言葉を
思い付けない。

                             8.20(木) BSプレミアム




2020年9月14日月曜日

8日で死んだ怪獣の12日の物語 ―劇場版―


☆☆☆   岩井俊二   2020年

正式な劇場版。
Web版には出ていなかった樋口監督(怪獣
に詳しい知り合い)や能年ちゃんや穂志も
えかが出て来て、「斎藤工が通販で買った
『コロナとたたかう怪獣』を育てる」とい
う基本ラインは変わらないが、物語的には
多少厚みが増した。個人的には、穂志もえ
かのYouTubeチャンネルがけっこうおもし
ろかった。流れていたヘンな歌も、エンド
クレジットによると作詞・作曲 岩井俊二。
さすがだ。

                  8.19(水) アップリンク渋谷




2020年9月12日土曜日

読書㉑


『日はまた昇る』
ヘミングウェイ 著 高見浩 訳 新潮文庫

そういえば『老人と海』しか読んだことが無
いことにはたと気付き、急に読んでみた。ヘ
ミングウェイは、フィッツジェラルドほどで
はないにしろ村上春樹による言及も多い作家
である。当然ながら、私の抱くヘミングウェ
イのイメージは春樹の言葉から構成されてお
り、とりあえず武骨で、ブツ切りの短い文章
で、マッチョでタフでなければ生きていけな
い苛酷で酸鼻きわまる戦場の話ばかりなのか
と思っていた。砲撃の跡と無数の死体が横た
わる戦場の地平線に、それでも日はまた昇る
……的な。

実際はまるで違う。まず舞台は戦場でなく、
パリである。
主人公たちは毎晩カフェをはしごして酒を飲
んではダンスホールに繰り出して踊ってばか
りで、とっても頽廃的なのだった。みんなで
ブレットという美女(私のイメージは、最近
映画で観たからか若き日のキャメロン・ディ
アス)の尻を追い回して、友達と釣りに行っ
て、最終的にはスペインに闘牛を見に行く。
まあ、主人公が戦場で傷を負ってインポテン
ツであるという設定があるものの、思ったほ
どタフガイではなく、むしろみんなでKYな奴
だ(死語…)とイジめていたコーンという元
ボクサーに殴られて気絶したりしている。
まあでもイメージとは違ったが、小説として
はおもしろくて、一気に読んでしまった。

本書の扉に引用されたガートルート・スタイ
ンの言葉から「ロスト・ジェネレーション」
という括り方が生まれた。「自堕落な世代」
と訳されている。









『映画にまつわるxについて 2』
西川美和 著  実業之日本社文庫

おもに『永い言い訳』の時期のエッセイを収
録している。
このひとの文章には「毒」があって、そこが
おもしろいのだが、他人に対しても、自分に
対しても、ときどき意地悪な視点がのぞく。
思えばこのひとの撮る映画もそうである。
と同時に、うじうじしていることも多くて、
カメラマンを柳島克己から山崎裕に変えると
き、主役を本木雅弘に決めるとき、監督助手
を置くことを助監督に告げるとき、かなり悩
んでいて、でもその過程を笑える文章にする
のもうまい。そして本木雅弘からの「めんど
くさいメール」が公開されているのだが、そ
の超絶的な自己愛および自己評価の低さ、ネ
ガティブ思考は、これに返事を出して前に進
めていかねばならないプロデューサーの身に
なって読んでみると「めんどくささ」は凄ま
じいものがあって、関係ない読者から見ると
めちゃくちゃおもしろいメールなのであった。
もっくんって、こういうひとなんだー、と思
うこと請け合いである。




2020年9月10日木曜日

東京オリンピック

 
☆☆☆   市川崑   1965年

「いだてん」を観ることで、あまり興味
のなかったこの記録映画にも興味が湧い
たのでBSで捕獲。

当時、観客動員としては大ヒットだった
が、黒澤明の監督降板や「芸術か記録か」
論争など、いろいろとケチが付いたこと
でも有名である。
市川崑は「国威発揚」とかそういう類の
ことには関心がなく、ひたすら躍動する
身体を追いかけ続ける。
競技以外にも、ひたすら観客のおじさん
の喉ぼとけを写すカットが続いたり、競
歩の選手のお尻ばかり撮っていたり、当
時はそういうところが不興を買ったのか
もしれないが、いま観るとそういう部分
こそがおもしろい。
ナレーションの文言もけっこう自由とい
うか、あそんでいる。

                   8.17(月) BSプレミアム




2020年9月8日火曜日

猿の惑星

 
☆☆☆ フランクリン・J・シャフナー 1968年

いまさら初見。
有名すぎて「衝撃のラストカット」もとっく
に知っていたが、まあこれ、知らなくてもな
んとなくオチは読めるような気もする…。

宇宙船が難破して不時着した惑星では、知能
の未発達な人間を、高度な知能を有した猿が
支配していたというのは、話として示唆に富
んでいるというか、解釈好きの内田樹なら何
時間でも、いかようにも解釈してくれそうな
寓意に満ちている。考古学者(の猿)の「コ
ーネリアス」と恋人の検事(の猿)が主人公
を助けてくれるのだが、小山田圭吾の"コーネ
リアス"はここから取ったんすね。知らなかっ
たです。

<追記>
これ書いて1週間ほどして『FANTASMA』
を聴き直していたら、その名も「Monkey」
という曲があって、"Escape from a planet 
of the apes"とかなんとか言っているようだ。
まあそれだけなんですけど。

                         8.16(日) BSプレミアム




2020年9月6日日曜日

読書⑳

 
『一人称単数』
村上春樹 著    文藝春秋

書き下ろしの「一人称単数」を真っ先に読む。
3年前、水辺…。なかなか怖い話ですね。

残りの短篇も再読。
「文學界」で読んだ時にはそれほど良いと思
わなかった「クリーム」が、あらためて読む
とけっこうよかった。暑い季節に読んだのが
よかったのかもしれない。
でもベストは「品川猿の告白」ですよね。こ
れは譲れない。しかし村上RADIOで披露した
「品川猿のマネ」は、だいぶ私の想像とはか
け離れた喋り方だった。あんな荒っぽい感じ
なんだ。もっとおとなしい、紳士的な感じか
と思っていた。まあどうでもいいことですけ
ど…。









『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』
鈴木涼美 著  ブロス・ブックス(講談社)

鈴木涼美さんの本でいちばん笑った。
「TV bros」連載のコラムをまとめた本だが、
あちこちで「令和の『なんとなく、クリスタ
ル』」という声も聞こえてくるほど、本文に
匹敵する量の註釈が新たに書き加えられてお
り、しかもその註釈が解説と私見を織り交ぜ
て大変おもしろい。

蒼井優の項は
 映画『フラガール』で一気に有名になった
 実力派女優。実力派と付くと美人じゃない
 みたいで、一見ほんとに美人じゃないが、
 魔性の女とも言われている。

速水もこみちの項は
 すごいイケメンという立ち位置で登場する
 が、ファンだという女とは会ったことがな
 い、長身で変わった名前の俳優。

あとはここには引用しないが、風俗関係、ホ
ストクラブ関係の用語の解説はお手のもので、
単純に勉強にもなる。




2020年9月4日金曜日

アダムス・ファミリー2

 
☆☆☆★  バリー・ソネンフェルド 1993年

次いで続編も。
サマーキャンプでのウェンズデーの復讐劇が
最高で、そのぶんこちらの方が若干おもしろ
かった。
ゴメス役のラウル・ジュリアが公開翌年に亡
くなってしまい、これ以上の続編は作られな
かったとのこと。良い役者なのに。残念なこ
とである。

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2020年9月2日水曜日

アダムス・ファミリー

 
☆☆☆  バリー・ソネンフェルド 1992年

なんかの雑誌の「わたしの生涯ベストワン
映画」みたいな企画で二階堂ふみがこの映
画を挙げていたのを覚えていて、BSで放送
したので観てみた。
ファンタジー映画は苦手だが、悪魔崇拝み
たいなとても「うしろ向きな」ファンタジ
ーなので、わりと抵抗なく観ることができ
た。私は家長のゴメスのキャラクターに好
感を持った。
兄のフェスターとして屋敷に入り込もうと
するのはクリストファー・ロイド。

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