2017年7月20日木曜日

美しい星


☆☆☆★★     吉田大八    2017年

今年の注目作! と思って楽しみにしていたのに、
都内のTOHOシネマズははやばやと上映をやめて
しまい、なぜかあっという間に観られなくなって
なった。そんなにやる気がないんならやめちまえ!
と怒鳴りたくもなる。TOHOシネマズにはもう何
も期待しないことにする。それとも、もしかして
世紀の大駄作なのだろうか…と観る前から不安ば
かりが募る。

結局、アップリンクで鑑賞。
全然わるくない。というか、おもしろい。
個人的には金沢の海で橋本愛と金星人のストリー
トミュージシャンがUFOを呼ぶところが最大のク
ライマックスで、あとは下降線をたどった感はあ
あるものの、これはよくできてる。そして橋本愛
はめっちゃキレイやん。リリーさんの決めポーズ
には場内からもこらえきれない笑いがもれる。

こういう「一見、意味がなさそうで、実はありそ
うで、ほんとにない」映画が大好きである。三島
の原作にはいったいどこまで忠実だったのだろう。

                                     7.7(金) アップリンク


2017年7月18日火曜日

読書⑦


『鷺巣詩郎 執筆録1』
鷺巣詩郎 著  DU BOOKS

私にとって「鷺巣詩郎」といえば「エヴァンゲリオン」
シリーズの劇伴すべてを手がける作曲家、そして長髪
のオッサン、という認識の範囲を出なかったのだが、
雑誌連載をまとめた本書を読むと、ブラック・ミュー
ジックをこよなく愛する氏の姿がよく表れていて、非
常に好感がもてる。そうか、MISIAとかCHEMISTRYも
やっていたのね。
とはいえ、このエッセイから浮かび上がるのは、ザ・作
曲家という感じの、ロンドンとパリと東京を拠点に、殺
人的な移動を繰り返しながら作曲とスタジオ作業に字義
通り明け暮れている毎日である。コンソールやシンクや
コンプの話をプロ中のプロから聞けるのもおもしろい。
「執筆録2」が出たら読もうと思う。









『夜空はいつでも最高密度の青色だ』
最果タヒ 著   リトルモア

映画を観た帰りに立ち寄った本屋で見かけて、出版社も
知り合いのいるところだし、「応援、応援」とつぶやき
ながら購入。40分もあれば読み終わる詩集である。

詩の良し悪しを語る言葉というのを私はあまり持たない
ので感想は特にないのだが、あえていえば感受性が書か
せている詩という感じ。女性特有の、とか、若い感受性
で、とか、すぐに未映子さんに攻撃されそうな陳腐な言
葉は使いたくないものの、でもこういう詩って都会の本
好きの女子高生っぽい。








<ツイート>
都議選からこちら、週刊誌には堰を切ったように遠慮の
ない政権批判の言葉が並ぶ。私は別に小池百合子に何か
を期待して投票したわけではないけども、
"溜飲がさがる"って、このことだよね。

2017年7月15日土曜日

レ・ミゼラブル


「ミス・サイゴン」に続いて2度目のミュージカル。
映画版を観ていたので、あらすじと「民衆の歌」ぐらいは
知っていたということがおおいにプラスに働いた。歌で話
が進んでいくので、何も知らないとやはり大事な単語を聞
き取れなかったりして、どんどん置いてきぼりになるよう
な気がする。

運良く乃木坂のいくちゃんがコゼットを演じる日だった。
ちゃんと歌えていたし、可愛かったと思う。眼鏡かけても
表情までは見えず…。コゼットは最後マリウスと結婚する
とても重要な役柄なのだが、レパートリーとしてはそれほ
ど歌唱力を要求する曲がないため、伝統的にゲスト枠とい
うか、ミュージカル専門でないアイドルとかが抜擢される
役なのだそう。反対にマリウスを想いながら結ばれないエ
ポニーヌは高度な歌唱力が要求される。今回もエポニーヌ
の歌がいちばん良かったように思う。

                                                         6.24(土) 帝国劇場


2017年7月4日火曜日

中間報告


もう半年かよ!

なんか…いいかげんにして欲しいですな。
この上半期、おまへはいったい何をしていたのだと…
吹き来る風が私に云ふ…

ここまでの本数ですが、

 32本

ちょっとさびしい数字ですな。
去年は何本だったっけーと思いふりかえれば、
なんと、62本。観すぎだろ。

今年は新作あんまり観てないんすよねー。
印象に残ってるのは『沈黙』『お嬢さん』ぐらい
でしょうか。旧作は『仁義なき戦い 頂上作戦』
と『トーク・トゥ・ハー』がかなりよかったです。


映画の代わりにライブにはよく行ってますかね。
年始のでんぱ組.incのライブ初参戦以降、「次は俺
もサイリウムを振って最上もがを応援したい!」と
いう胸騒ぎに駆られて、3枚組のベスト盤を聴きま
くっていました。

そんな感じで下半期も、がんばっぺ、みね子!

2017年7月2日日曜日

めぐりあう時間たち


☆☆☆★     S. ダルドリー    2003年

1920年代、1950年代、2000年代の3人の女性の物語が
交錯しながら進んでいく。私は20年代のヴァージニア・
ウルフの話がおもしろかった。ちょっと結婚すると大変
そうだが。
テロップに頼らずカットからカットで無理なく、ときに
あざとく時空を行き来する編集はなかなか見事。という
かこの場合は、ちゃんとそういう計算の元に「撮った」
ことが見事である。

なんやかやで、スティーヴン・ダルドリーの映画は
『リトル・ダンサー』
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
に続いて3作目。
そしてなにより『ダロウェイ夫人』が読んでみたくなる。
ちょうど光文社古典新訳文庫で出たばかりのを買って来
たので、なるべく早く読みたいが…。いつになるやら。

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