2020年9月6日日曜日

読書⑳

 
『一人称単数』
村上春樹 著    文藝春秋

書き下ろしの「一人称単数」を真っ先に読む。
3年前、水辺…。なかなか怖い話ですね。

残りの短篇も再読。
「文學界」で読んだ時にはそれほど良いと思
わなかった「クリーム」が、あらためて読む
とけっこうよかった。暑い季節に読んだのが
よかったのかもしれない。
でもベストは「品川猿の告白」ですよね。こ
れは譲れない。しかし村上RADIOで披露した
「品川猿のマネ」は、だいぶ私の想像とはか
け離れた喋り方だった。あんな荒っぽい感じ
なんだ。もっとおとなしい、紳士的な感じか
と思っていた。まあどうでもいいことですけ
ど…。









『可愛くってずるくっていじわるな妹になりたい』
鈴木涼美 著  ブロス・ブックス(講談社)

鈴木涼美さんの本でいちばん笑った。
「TV bros」連載のコラムをまとめた本だが、
あちこちで「令和の『なんとなく、クリスタ
ル』」という声も聞こえてくるほど、本文に
匹敵する量の註釈が新たに書き加えられてお
り、しかもその註釈が解説と私見を織り交ぜ
て大変おもしろい。

蒼井優の項は
 映画『フラガール』で一気に有名になった
 実力派女優。実力派と付くと美人じゃない
 みたいで、一見ほんとに美人じゃないが、
 魔性の女とも言われている。

速水もこみちの項は
 すごいイケメンという立ち位置で登場する
 が、ファンだという女とは会ったことがな
 い、長身で変わった名前の俳優。

あとはここには引用しないが、風俗関係、ホ
ストクラブ関係の用語の解説はお手のもので、
単純に勉強にもなる。




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