2020年9月16日水曜日

ガス燈

 
☆☆☆★  ジョージ・キューカー 1944年

ロンドンの、いわくつきの一軒家で繰り広げ
られるサスペンス。
イングリッド・バーグマンはよく物忘れをし、
アクセサリーなど色んなものを失くすことに
悩んでいた。夫のシャルル・ボワイエはすべ
てはバーグマンの精神的な病からくるものと
思い込ませ、夜になると天井裏でごそごそ何
かを探し回る音がしてガス燈の灯がちかちか
するのも彼女の妄想だと信じ込ませて…。

観客にはそれらはバーグマンの精神のせいで
はないということは分かっているので、なか
なか覚醒しないバーグマンにイライラする。
しかしシャルル・ボワイエのモラハラ夫ぶり
はけっこう強烈である。鈴木涼美さんは
「モラハラ男という呼び名が定着する前はこ
ういう男はどうやって呼ばれていたのだろう
と思うぐらい、モラハラ男って多い」と書い
ていたが、たしかにこのシャルル・ボワイエ
を呼ぶのに「モラハラ夫」より適切な言葉を
思い付けない。

                             8.20(木) BSプレミアム




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