2017年9月3日日曜日

トム・アット・ザ・ファーム


☆☆☆★★    グザヴィエ・ドラン   2014年

映画は主人公の若者(トム)が、友人の葬儀に参列するため、
友人の生家を訪れる場面から始まる。家人は不在。だが偶然、
鍵を発見してしまったトムは家に上がり、ダイニングで友人
の母親を待つことにする。しかし長時間の運転の疲れか、い
つしか眠り込んでしまう…。

友人の家は農場を持ち、酪農を営んでいるようだ。
死んだ友人、その奇妙な兄、息子の唐突な死に疑問を持って
いる母親。友人が不在のまま、友人の一家にからめとられ、
身動きがどれなくなっていくトムの様がなかなか恐ろしい。
しかし奇妙な兄の行動原理が不明というかなんだか人物像が
定まっていないような感じがしてしまう。そこが狙いなのか
もしれないが。

観終わって初めて知ったのは、トムを演じていたのがグザ
ヴィエ・ドランだったということ。これには驚いた。『息
もできない』で、ヤン・イクチュン自身があの頭の悪そう
なチンピラ役だったことにも驚愕したけど、グザヴィエ・
ドランもこう言ってはなんだが、風貌からはただのナイー
ブな若者に見えた。


                                                       8.19(土) キネカ大森


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