2018年7月1日日曜日

万引き家族


☆☆☆★★   是枝裕和    2018年

ついにパルム・ドールまで獲ってしまった是枝さん。
しかし自らが権威になってしまわないように細心の
注意を払っているところには好感がもてる。いろい
ろお誘いもあるだろうにね。

私の場合、是枝さんの映画は好き嫌いがとてもハッ
キリ分かれるのが常である。嫌いだから低評価とも
限らないのだが、『そして父になる』『三度目の殺
人』は好きじゃない。是枝さんの思考のプロセスを
見せられているような気分になった映画、というこ
となのかもしれない。まあ頭のいいひとなので、思
考のプロセスも興味深くはあるのだけれど。

今回は「好き」な方の映画だった。
日本社会のある暗部を描いており、全体に画が暗い
のは仕方がないか。松岡茉優とリリーフランキーが
ふたりで話すシーンには観ているこちらがざわざわ
した。池松壮亮の贅沢な使い方には思わずにやにや
してしまったが、あのワンカットに凝縮された芝居
には鬼気迫るものがあったと思う。子役のふたりも
良かった。

                                         6.17(日) 新宿バルト9


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