2011年1月27日木曜日

きみの友だち

☆☆☆★★       廣木隆一     2008年

観終わって、自分の中にすがすがしい風が吹き抜けていくような、
素晴らしい秀作。ストーリーを整理してみると、時制があっちこっち
に飛んで結構ややこしい話だが、場面のつなぎはあくまで自然。
こういうところに、数をこなしている職人監督の巧さが出るのだろう。
人物の表情も分からないほど遠いロングショットと、まさに「じりじり」
という感じでゆっっっくり動くカメラが、これぞ映画の雰囲気を醸し出
している。ロングショットと長回しというのは一種の贅沢のような気が
している今日このごろ。そういう意味では贅沢な映画だった。

観ているうちに、そこで語られている内容が最優先事項ではなくなり、
ただその映画の空気にずっと浸っていたい衝動にかられることが稀
にある。この映画は久しぶりにそういう感覚になった。それは好きな
作家の本を読むときの感じと共通する部分がある。或る作家を好き
になって、著作をつぎつぎと読んでいくと、そのうちに、ただこの人の
「文章」が読みたいだけなんだ、ということにはたと気付くときがある。
いうなればその読書においては、内容よりも文章のほうが優位にあ
る。その人の語彙の選び方、語尾の特徴、接続詞の位置、漢字とひ
らがなのバランス。そういったものを心ゆくまで味わいながら、ついで
に内容も理解する感じといったらいいか。村上春樹は完全にこれで、
正直なところ内容はさほど重要でない。ただあの文章を読んで「うま
いなぁ」と唸りたい、という一心なのである。
映画ではあまりそういうことは無いが、たまにそういう監督に出会う。
いわばその監督の「文体」が心地良いのだろう。

それにしても、吉高由里子が中学生役で出ていたが、あんな色気の
ある中学生いたら困るな。

                                                       1.22(土)  BS JAPAN

2 件のコメント:

  1. 相変わらずに
    ロリコンだなー

    でもいいよね、もちろん吉高さんはいい。

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  2. 吉高先生はけっこうエキセントリックな方らしいですからな。
    いつかエリカ様のようなことをやらかさないか心配です。
    バッシングぐらいなら時間が経てばおさまるけども、それで変なイメージがついて映画のオファーがなくなったりするのはもったいないからね。スタートが『紀子の食卓』という時点でキャリアは相当恵まれてるんで、これからも頑張ってください、応援してます!(きもい)

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