2011年10月9日日曜日

軽蔑


☆☆☆       廣木隆一      2011年

二本立て、勿論こっちが本命。
以前に「きみの友だち」でその「文体」に引きつけられた廣木
監督。中上健次を原作とするこの映画で、火花散るような化
学反応を期待したのだけれど…。うーん。全体的にいまひと
つ散漫な印象。ちと長いよな。ロングショットと長回しが、今回
はちょっとかったるく感じられてしまった。

新宿で派手にチンピラをやってた高良健吾が、ある事件を起
こして歌舞伎町に居られなくなり、故郷の和歌山(中上だから
ね)に帰る。チンピラなので女を同行させるのだが、前から想っ
ていたストリップダンサーの鈴木杏を連れて帰り、一緒に住む。
親父が与えてくれたマンションの一室に住み、親父が紹介して
くれた酒屋で働いて、地道に暮らしていこうと夢想するが、現実
はそう巧くいくはずもなく、間もなく破綻が忍び寄る…。
ほんとに和歌山で撮られたと思しき「地元」のシーンからは、む
せかえるような「土着性」が匂ってきていて、原作は未読なのだ
けど中上健次の雰囲気はよく出ていたと思う。
和歌山のホンモノのヤクザを演じるは大森南朋。「これだ!」と
いう感じの素晴らしいヤクザっぷり。兄さん、最高です。これから
もどんどんヤクザの役をやってもらいたい。たけし映画にも出て
ほしいなー、と思って調べたらもう「アキレスと亀」「Dolls」に出てん
のね。どっちも未見。

                                                 10.4(火)  三軒茶屋シネマ


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