2019年3月31日日曜日
運び屋
☆☆☆★★★ クリント・イーストウッド 2019年
いやー、わたしは好きな映画でした。
御年88歳になられるそうで。その歳になっても、
臆面もなく「モテ男」を演じるイーストウッドは
最高である。麻薬ギャングのタトゥーだらけの若
者たちと仲良くなっていくのも、麻薬王から別荘
に招待されて接待を受けるのも、なんだか胸が熱
くなるぐらい感動してしまった。
カーラジオからオールディーズを流しながらハイ
ウェイを疾走する場面が映画の半分を占めるとい
うのが奇しくも『グリーンブック』と同じなのだ
が、こちらはトランクに大量のコカインを積んで
いる点が異なる。警官だけでなく、警察犬をも落
ち着いてあざむけるところが年の功である。
監督・主演作はさすがに最後だろう…と、『グラ
ン・トリノ』の時も言われていた。だから次もあ
るかもしれないね。
3.27(水) 新宿ピカデリー
2019年3月27日水曜日
スペース カウボーイ
☆☆☆ クリント・イーストウッド 2000年
新作への気分を盛り上げるために、2000年の
イーストウッドを鑑賞。この時点でもう結構
じいさんなのだが、ここからさらに19年を経
た『運び屋』は果たしてちゃんと歩いてセリ
フを言えてるのだろうか。
2作後に『ミスティック・リバー』を撮って
以来、完全に無双状態に入るイーストウッド
にしては、まだテンポがいまいちよくない。
ジジイたちが宇宙に行く、という題材のおも
しろさが先に立って、なんだかドラマに入り
きれない感じがあるのだ。トミー・リー・ジ
ョーンズの老いらくの恋の顛末も、なんだか
不自然である。ジジイたちの軽口は相変わら
ずおもしろいが。
3.19(火) BSプレミアム
2019年3月24日日曜日
グリーンブック
☆☆☆★★ ピーター・ファレリー 2019年
タフでガサツで家族思いの白人の用心棒と、繊細で
インテリの孤独な天才ピアニストの黒人。特に差別
が常態化していた南部へのコンサートツアーを敢行
したその珍道中(というよりはシリアスだが)を描
いた映画である。何年か前の『最強のふたり』を裏
返したような話だな、と思った。あちらもこちらも、
「実話を基にした話」。いまや世の中、3本に2本は
「実話を基にした」映画という気がしますな。
音楽とロードムービーは相性がいい。サンデーソン
グブックでかかるような曲のシャワーを浴びながら
進んでいく、若干苦い味のロードムービーはなかな
か渋かった。まあ作品賞も納得の手堅い映画である。
3.19(火) TOHOシネマズ新宿
2019年3月19日火曜日
3月のライオン 後編
☆☆☆★★ 大友啓史 2017年
前編に引き続き、じっくりと手堅い演出。
このぐらいのテンポはけっこう好きで、最後
まで飽きずに観ることができた。
ただエピソードが多いな、という印象。
ひなたのいじめエピソード、監督も入れるか
どうか迷ったかもしれないが、難しいところ
だ。これが無いと人間ドラマが希薄になるの
も確かだし、これがあるおかげで将棋ドラマ
としては薄味になった感が否めない。
人間のクズの父親を伊勢谷くんが楽しそうに
演じている。これがまたカッコいい。という
か伊藤英明も豊川悦司も加瀬亮も倉科カナも
清原果耶も高橋一生も、もちろん神木隆之介
も、みんなことごとく良い。こう並べると贅
沢な映画だ。
個人的にはもっと香車の香子ちゃんのエピソ
ードを厚くして欲しかったなー。
3.17(日) BSプレミアム
2019年3月9日土曜日
バッド・ジーニアス 危険な天才たち
☆☆☆★ ナタウット・プーンピリヤ 2017年
秀才のリンは、友人に頼み込まれて試験の
解答を試験中に消しゴムに書いて教えたの
がきっかけで、カンニングビジネスの渦中
に巻き込まれていく。やがて大がかりなカ
ンニングがバレて特待生の授業料免除も、
海外留学の資格も失い、一度はビジネスか
ら完全に足を洗ったリンだったが…。
これの前に観たタイの映画は『ブンミおじ
さんの森』だったので、彼我のあまりの違
いには茫然とする。音楽の盛り上げ方とか
間の入れ方とか、細かいところではいろい
ろ惜しい部分もあるものの、よくできたサ
スペンスになっている。たかが学校の試験
といえど、あの独特の緊張感は日本もタイ
も一緒である。
リンに最初にカンニングを頼み込んでくる
友人が、本当に「顔が可愛いだけのバカ」
という感じですばらしい。イッサヤー・ホ
ースワンというコらしい。ちなみにリン役
はチュティモン・ジョンジャルーンスック
ジンという名前。長すぎる。
3.3(日) ギンレイホール
2019年3月5日火曜日
【LIVE!】 森山直太朗
コンサートツアー2018~2019 『人間の森』
1. 夏の終わり
2. 生きとし生ける物へ
3. さなぎの時代
4. 糧
5. 旅立ちの朝
6. シルビア
7. みんなおんなじ
8. 君は五番目の季節
9. 今日の日はさようなら
10. 人間の森
11. 出世しちゃったみたいだね
12. 魂、それはあいつからの贈り物
13. 風曜日
14. すぐそこに new days(新曲)
15. 絶対、大丈夫
16. さよならさよならさようなら
17. 群青
<Encore>
1. さくら(独唱)
2. 時代は変わる
2.23(土) 中野サンプラザ
あいかわらず、事前の情報収集もせずにコンサートに
臨んだところ、去年の8月にアルバムを出したとのこ
と。「822(パニーニ)」というふざけたタイトルの
アルバムで、もちろんまったく聴いていない。しかし
そういうひとのために、この新しいアルバムからの曲
のときは、ステージ上の「822」をかたどったランプ
が点灯する。直太朗も、ひとのライブを聴きに行って
知らない曲が演奏されると、「これは果たして俺が新
曲を知らないのか、それともずっと昔の曲で、昔から
のファンにはおなじみの曲なのか」と戸惑うことがあ
るから、それを解消する画期的なシステムだという。
ばかばかしくて良い。
セットリストはなかなか良かった。新曲も良い曲が多
くて、アルバムを聴こうと思った。遅ればせながら。
だがめずらしく喉の調子がいまいちだった。もう6、7
回直太朗のライブを観ているが、いつも尽きせぬ泉の
ように声が出ていた。調子が悪いなんて初めてだ。
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