2019年6月9日日曜日

アメリカの友人


☆☆☆★★   ヴィム・ヴェンダース  1977年

パトリシア・ハイスミスを原作に、ヴェンダースが
「本気出して」サスペンスを撮ったようなフィルム。
腕の良い額縁職人(ブルーノ・ガンツ)とアメリカ
人の怪しげな画商(デニス・ホッパー)との間の、
友情のような共犯のような、なんとも微妙な関係が
描かれる。
素人が殺し屋の真似事をさせられるという話なので、
サスペンスとしてはスマートさではなくその稚拙さ
にハラハラさせられる。「あぁ、もう! いま殺せば
よかったのに」みたいな。それも妙な話だが、この
ヨナタンというひとの良い額縁職人を応援したくな
る。またハンブルクのロケーションが良いし、ヴェ
ンダースの美意識も各所に炸裂していて、なかなか
魅力的なフィルムになっている。デジタル・リマス
ターで修復されたらしい色彩も見どころである。

あとギターの劇伴がかっちょいい。
The Kinksの"Too Much on My Mind"も印象的に使
われている。

                                           6.8(土) BSプレミアム


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