☆☆☆★★★ 濱口竜介 2024年
あのラストカットの意味をずっと考えている
が、正直言って分からない。しかし諦めきれ
ずに何度も何度も、頭の中でラストシーンを
再生してみる。そしてそこに至るまでの過程、
どうしてああなってしまったのか、映画の始
まりからいま一度考えてみる。しかもそこに
「悪は存在しない」と濱口は云うのである。
うーん。
真上に向けて固定されたカメラによる移動
ショット(真俯瞰と逆のこのショットはなん
と呼べばいいのか)でとらえられた冬の森。
枝の連なりが次第に別の何か禍々しいものに
見えてくる。もともと石橋英子のライブで流
す映像を制作してくれという依頼から生まれ
た映画だからか、ワンカットが長く、時に技
巧的でもある。しかしこの役者たちの「そこ
で生きている」感はいったいどこからうまれ
てくるのか。かくも演出とは奥の深いもので
すね…。
4.27(土) Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下
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