2011年7月28日木曜日

ゲド戦記

☆☆★★★     宮崎吾朗      2006年

意味はよく分かってないのに覚えてしまった言葉で「神は
細部に宿る」というのがあるけれども、その言い回しにな
らって評すれば「細部に神が宿ってない」作品ということ
になろうか。物足りないね、たしかに。

人間界にはいないはずの竜が嵐の中に現れる幕開けの
シーンから、物語は急ぎ足で先に進んでゆくのだけど、
どうも駆動力に欠けるというか、要所でワクワクしてこない
のはなぜなんだろう。物語は「必然」によって前に進めて
いかなくてはならないけども、時にはその「必然」さえも軽
く飛び越えてみせる身振りが欲しい、…ちょっと感覚的す
ぎる言い方だけど。蓮實っぽい?
「クモさま」は、声を聞いても誰か分からなかった。ずいぶ
ん巧いな、誰かなと思ってたら、田中裕子である。さっす
がー。

                                                        7.26(火)  STV

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