大江健三郎 著 集英社文庫
映画界の「しつこい」ひとナンバーワンがウディ・アレンだとすれば、
文学界のしつこさナンバーワンは大江さんかな、と思う。東大在学
中に最初の小説を書いたときからずっと、大江さんは何かを「読む」
ことで、そして読んだものに「触発」されることでその特異なスタイル
を築いてきた。まさに読む人間。そして多くの場合その「何か」は、
外国語の詩、翻訳された詩であった。
転校した松山市の高校で出会った伊丹十三。その友情のはじまり
も、ランボーの詩をめぐって伊丹から受けた授業であった。
あらためて思うことですが、私が自分の人生で一番よく教わった
のは、まず伊丹君からだった、ということです。
この一文が泣かせる。
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