2013年5月23日木曜日

苦役列車


☆☆☆★        山下敦弘        2012年

森山未來の演技が光りまくる。近年、三十前後の俳優の中でも
彼の存在は際立っているように思う。
脇を固めるは、高良健吾と前田敦子。個人的には、あっちゃん
の演技は自然で気取りがなく、映画に溶け込んでいたように見
えた。「アイドルが映画に出ている」感じではなく、この鬱屈した
泥臭い青春映画にうまく馴染んでいた。

地べたを這い回るような青春映画だが、これこそ山下監督の本
領といったところだろう。ただ時折、露悪的な描写がいくぶん鼻
につかないではない。あるいは、いつもの向井康介ではなく、い
まおかしんじと脚本で組んだのも影響したのか。

いまどき一人称「僕」はクサくなりそうなものだが、そこは森山も
巧かったし、演出も巧かったおかげで、良い「ひっかかり」になっ
ていた。

                                                                    4.30(火) DVD


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