2013年5月20日月曜日

GW前後の読書

『共喰い』
田中慎弥 著    集英社文庫

芥川賞受賞作を読むのは久しぶりである。
「全作読破マラソン」をしていたのは大学の学部の頃なので、
もう5~6年は前ということになる。その間の受賞作は、読んだ
り読まなかったり。あまり食指が動かなくなったのは事実である。

この著者の名前は、私が文藝誌でアルバイトをしていたそれこ
そ5~6年前に、「近頃めざましい活躍をしている若い書き手」と
して知った。当時の作品の「神様のいない日本シリーズ」という
不思議なタイトルをいまだに覚えている。

その後、何回かの落選のあと芥川賞に選ばれ、「都知事閣下に
免じて、もらっといてやる」発言で一気に有名になったのは説明
不要だろう。

前置きが長くなったが、ここからは短い。
一読して、土着的な感じといい、方言の持ち込み方といい、いか
にも「日本文学ど真ん中」な感じで、既視感を覚えた。正統的な
のかもしれないが、新鮮味は無い。暴力と性と土着と血縁って、
つまりまあ、「あのひと」っぽいんですよ。和歌山のね。

青山真治で映画化される。今秋の公開とのこと。
楽しみにしちゃってる自分がいるんだよね。別に青山真治なんて
全然好きじゃないけどね!










『あの空の下で』
吉田修一 著    集英社文庫

JALの機内広報誌に連載していた短篇小説とエッセイが収められ
ている。こういう掌編を書くのは好きなんだろうか。こんなことして
ないで、もっと濃い小説を思いっきり書いてくれよ、と言いたくなる
のだが。



0 件のコメント:

コメントを投稿