『恋しくて』
村上春樹 編・訳 中央公論新社
当然、春樹の新作短篇「恋するザムザ」目当てで買い、
真っ先に読んで「ヘンな話」と思ったわけだが、それ以外
の春樹セレクトの短篇もなかなかおもしろい話が多かった。
「ジャック・ランダ・ホテル」なんていう短篇は特に変わって
て、おもしろい。
…と思ってたら、著者のアリス・マンローってこんどのノー
ベル文学賞のひとだね。なるほど。興味が湧いた。
短編集は何冊か出ていて、高松在住の主婦がこれまでの
作品をこつこつ訳してきているらしい。こういうの、良いよね。
他にも良作多数。個人的には『バースデイ・ストーリーズ』
よりも好きです。
『ぼくの歌、みんなの歌』
森達也 著 講談社文庫
毎回ある1曲(もしくはあるミュージシャン)をとりあげて、
森さん自身の状況と当時の時代背景を重ねながらつづる、
割合パーソナルなエッセイである。自伝的、といったら
おおげさか。しかし「歌」への個人的な思い入れを語るに
はどうしても自分史的な言及をせざるを得ないよね。
こういう本は選曲が自分と合わないと読む気がしないが、
森さんとは趣味が合うらしい。私も好きな曲ばかりだった。
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