2014年1月26日日曜日

歩いても 歩いても


☆☆☆★★       是枝裕和      2008年

いま観ると「ゴーイング・マイ・ホーム」というドラマはこの映画
の延長線上にあったのだな。

話の運び方も、キャラクターも、セリフも、役者も(子役をふく
めて)、みんな巧い。とんでもなく巧いのだが、なんだか素直
に感嘆できないのはなぜなのだろう。『そして父になる』でも
似たような印象を持ったのだったが。 是枝さんが嫌いなわけ
では決してない。

「自然なセリフ」を心がけているのだろう。接続詞だとか、代名
詞(「あれ」「それ」など)の使い方に気を遣わないと、セリフは
すぐに不自然になる。是枝さんはそのへんもかなり巧い。しか
し、その自然なセリフや展開にこちらが慣れてくると、今度は
映画の中の微妙な「作為」が、違和感を呼び起こすことになる
のかもしれない。あるいは。なんとなくだが。

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