2014年7月27日日曜日
思い出のマーニー
☆☆☆ 米林昌宏 2014年
一見してまるでミステリのような難解さに驚く。
これは子どもに観て欲しいのだろうか。日常と非日常、過去と
現在だけでなく、日常に見える非日常や現在の形をとった過去
などをさかんに往復する構成は私には付いていくのがやっとと
いう感じで、気楽にジブリを観ようと思っていたアテは外れた。
子どもには難し過ぎてわけがわからないのではないかと思うが。
だから観るべきでないと言っているわけではなく、わけがわから
ないものも大いに観ればいいと思うが、どうせそこまで凝ったの
なら最後まで凝って欲しかった。複雑なストーリーの割には「種
明かし」のカタルシスも弱いし、結局マーニーの日記の「あの部
分」だけを破って絵の裏に隠したのは誰なのか、私には分から
なかった。
まあそれは物語の核心とはあまり関係がないが、もっと核心に
近いところでも「うーん」と頭をひねらざるを得ない部分があった。
懸命に辻褄を合わせようとしているんだけど、合わせ切れていな
い感じ。
宮崎駿というひとはとにかく「物語の泉」のようなひとで、たとえば
映画を観ていて途中で中断されても、あとは自分で勝手にストー
リーを作って楽しむから平気らしいと鈴木敏夫が言っていて、そ
んな人間がいるのかと驚いたが、やはりそのへんの「地肩」の差
がこういう所に出るのだろうか。白ヒゲおじさんの映画だってそう
とう難解だが、なぜかストレスは感じないのである。
7.19(土) イオンシネマ釧路
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