『女体の森』
みうらじゅん リリー・フランキー 著 扶桑社
週刊SPA!の連載「グラビアン魂」、その7年半(!)にもおよぶ長
大な歴史からいいとこどりをした渾身の「グラビア論」である。これ
は一つの「達成」であり「金字塔」であって、もう後にも先にも、かく
もばかばかしい情熱をもって、のみならず、その情熱を"持続"させ
て、ただただ「女体」について語り続けた本は出ないのではない
か。大著ではあるが、個人的には必読の書と考える。
大な歴史からいいとこどりをした渾身の「グラビア論」である。これ
は一つの「達成」であり「金字塔」であって、もう後にも先にも、かく
もばかばかしい情熱をもって、のみならず、その情熱を"持続"させ
て、ただただ「女体」について語り続けた本は出ないのではない
か。大著ではあるが、個人的には必読の書と考える。
まあ色んなことに造詣が深いおふたりなので、笑っちゃうだけでな
くそれを通り越して感心してしまうことも多いのだが、ちょっと気に
入った部分を抜粋。話の流れとしては、グラビアのコにも彼氏が居
たりするかもしれないけれど、それはいたずらに羨ましがったり妬
んだりするものではない、というくだり。
たりするかもしれないけれど、それはいたずらに羨ましがったり妬
んだりするものではない、というくだり。
リリー たとえば後輩の彼女に水着見せてって言っても、見せてくれ
ないでしょ。でもグラビアのコは仕事とはいえ水着姿を見せ
てるんですよ。となるとこれはもう、"ありがたい"なんですよ。
みうら 年取ると、その"ありがたい"という精神が芽生えてくるよね。
リリー 棟方志功が「ありがたやありがたや」って言いながら彫ってた
じゃないですか。あれですよ。
ここで棟方志功がぱっと出て来る反射神経がもう最高である。
『いのちの食べかた』
森達也 著 角川文庫
食肉加工について、子ども向けに分かり易く書いている。ぼくたちが
食べる豚、牛、鶏の肉は、「どこで」「どのようにして」殺され、加工さ
れているのだろう、ということだ。子ども向けとはいえ森さんの「いつ
もの感じ」は消しておらず、周りに合わせず自分の頭で考えること、
自分で想像してみることが何よりも大事だ、と説く。こういう題材の
解説に、森さん以上の適任はいないだろう。
芝浦屠場の話から始まり、江戸時代の身分制度から被差別部落の
話にも当然なっていく。
森さんは『東京番外地』でも芝浦屠場に行っていたが、やはりドキュ
メンタリーにしたいと思って何度か通っていたらしい。しかし企画が通
らない、と。また言ってるよ、と森さんの読者なら思うだろう。まあ、森
さんらしいですよね。
装画は五十嵐大介。
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