2015年4月12日日曜日

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)


☆☆☆★★★     アレハンドロ・G・イニャリトゥ    2015年

いったいどうやって撮ってるんだろうね。
ほぼ全篇がワンカットに見えたけれど、もちろんそんなわけはない。
バーに入っていく場面でカメラはドアに寄っていって画面がブラック
になる瞬間とか、「あ、ここか」と思うのが3、4箇所あったものの、ほ
とんど切れ目は分からなかった。ヒッチコックの『ロープ』みたいに
分かり易くない(笑)。なんだかミシェル・ゴンドリーのあの不思議な
PVを思い出した。路上でドラム叩いてるのも一緒だし。

企みに満ちた映画である。映画の内容というよりも、その「企み」そ
のものがおもしろい映画というか。監督、撮影、音楽の3人はいず
れもメキシコ人とのこと。言われてみれば、ヨーロッパ的な洗練とも、
アメリカ的な手慣れた手練手管とも違う、いうなればラテンアメリカ
作家の「マジック・リアリズム」の土着的な偏執を感じる、といったら
あまりに「後付け」すぎるかな。

これは間違いなく「体感する映画」である。レンタルDVDではダメで
す。音楽が素晴らしいので、ぜひ劇場のど真ん中の席で観て下さ
い。音響的にその方がいいかと。

                                                            4.10(金) 角川シネマ新宿


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