2015年7月24日金曜日

バケモノの子


☆☆☆★★         細田守        2015年

目下のところ、国民的アニメ作家と呼べるのはこのひとしか
いない、細田守の映画第4弾。オリジナル脚本で夏休みに
全国公開される子どもでも観られるアニメ映画を作り続けて
いる、というだけでもう半分偉業である。

今回は「師匠と弟子」をメインテーマに、渋谷の狭い路地が
バケモノの住む異界につながっている世界を舞台として、
「捨てられた子」の要素も孕みつつ、ちゃっかり可愛いコとも
仲良くなり、なぜかメルヴィルの『白鯨』も絡んでくるという、
とても盛りだくさんな内容である。こうして要素だけ並べてみ
ると好き放題やっているようだが、別に「我を通している」み
たいな印象はない。これで世間に波風立ててやろうってこと
ではないのだ。あるいは前作『おおかみこどもの雨と雪』が
若干の説教くささを持っていたのを反省したのか。でも個人
的には前作の方が好きである。

                                                     7.15(水) 新宿バルト9


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