2019年5月11日土曜日

きみの鳥はうたえる


☆☆☆★     三宅唱     2018年

佐藤泰志原作の「函館三部作」というのがあって、
山下敦弘の傑作『オーバー・フェンス』で完結した
はずなのだが、なぜか時を置かずして4作目が作ら
れた。まあ別に咎める気はないし、いいんだけど。

ところで私は、長年の名画座通いによって見出した
驚くべき法則であるところの、
「2本立てで一度も寝なかったら、2本とも良い映画」
という画期的な理論を打ち立てたのだが、その理論
に沿っていえば『寝ても覚めても』『きみの鳥はう
たえる』は良い映画だった。まあ要するに、いつも
どこかでウトウトしてしまって、まったく寝ないこ
とはあまり無い。

主演は柄本佑、染谷将太、石橋静河。手練れ二人に
立ち向かうことになった石橋静河だが、けっこうふ
てぶてしいというか、落ち着いている。さすがは原
田美枝子の娘。これまで「夜空は最高密度の青色だ」
「You May Dream」(福岡発ドラマ)、「半分、青
い。」と期せずして石橋を追いかけて見てきている
が、今回がいちばん活き活きしていてよかったと思
う。照明の加減によってはユーコ(清野菜名)にも
見えたのが不思議である。

終盤までなかなかいい感じだったのだが、あのラス
トは怠慢としか思えない。まったくもって賛成でき
ない。あれは「観たひとに結末を委ねる」とかいう
レベルですらないと思う。

                                            4.27(土) 早稲田松竹









<ツイート>
佐藤浩市、なかなかやるね。断固支持。


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