2012年9月13日木曜日

最強のふたり


☆☆☆★★  エリック・トレダノ オリヴィエ・ナカシュ  2012年

フランス映画ながらスマッシュ・ヒットを飛ばしているということで観て
来た。たしかに快作である。

「やつは私に同情しない」という理由で大金持ちの障害者と貧民層の
人間がウマが合い、お互いに良い影響を与え合っていく。それほど新
しい発想でもないが、というかハッキリいって既視感ありまくりだが、
そこは別に気にならなかった。ちょっとうまくいき過ぎ、という感じもす
るが、ひたすら痛快で良いんじゃないですか。
ただ「これは実話に基づく物語」はもう聞き飽きたね。

                                                           9.7(金) ディノスシネマズ札幌


2012年9月11日火曜日

エノケンのちゃっきり金太


☆☆☆       山本嘉次郎        1937年

エノケンの軽快な動きには一見の価値がある。
「ちゃっきり」とは「巾着きり」、つまりスリのこと。

ひさびさの一日三本鑑賞。
朝、陽が高いうちからカーテンを閉め切って一本目。
いやぁ、まだ昼か、などと言いながら車で映画館へ出かけ
二本目。
帰って来て、寝る前に短いやつをもう一本。
至福ですなー。
ただ、こんな生活でいいんだろうか…。

                                                 9.4(火) BSプレミアム


2012年9月10日月曜日

あなたへ


☆☆☆        降旗康男        2012年

なんだかとても「真っ当な」映画だった。悪い意味で。
登場人物はみんなある程度の秘密を抱えてはいるものの
良いひとばかり。悪人が出て来ないと退屈である。そんな
事言ったら健さんに殴られそうだが。

                                  9.4(火) ワーナーマイカルシネマズ釧路


2012年9月9日日曜日

秋刀魚の味


☆☆☆★★★           小津安二郎        1962年

山田洋次は「遺作が傑作というのは珍しいし、幸せなことですね」と
いうようなコメントをしていたが、たしかにそう思う。遺作ということを
抜きにしても、小津映画のある種の到達点のように思った。

一方で、もうこの頃の小津は大衆からは見向きもされていなかった
という話も聞く。それはそうかとも思う。だって、『晩春』(1949年)から
数えても13年間、同じような話ばっかり作ってる巨匠が居たら、普通
はあきれるだろう。

しかし製作から50年を経て、再評価やらなにやらがあった後、BSプレ
ミアムで放送されたものを私がハードディスクに半年以上放置したあ
とにやっと観られる運びとなった本作は、実に心愉しい映画だった。
同級生のおっさん3人(笠智衆、中村伸郎、北竜二)が小料理屋に集
まって飯を食いながら、非常にどうでもいいようなことを話している、
それだけで楽しくなってくるのはなぜなんでしょうね。昼からビール飲
んでるし、昼休みも長そうである。うらやましい。

                                                                   9.4(火) BSプレミアム


2012年9月8日土曜日

ロッキー2


☆☆☆★         シルヴェスター・スタローン     1979年

いやぁ、ロッキーが本気になるまでが長い長い。
こっちは上映時間を知ってるもんだから、90分が経過してもまだ
昏睡状態のエイドリアンに不眠で付き添い続けるロッキーにはさ
すがに「大丈夫なのか!」とハラハラした。
「この先まだ本格的に練習して、その後試合のシーンもあるのに
ほんとに入るんだろうか」と不安が高まった頃、ようやくエイドリア
ンの指が動いて昏睡から醒め、(本気)練習再開となる。
画像はロッキーのランニングについてくる子どもたち。映画のハイ
ライトが試合そのものではなくこちらであるのは言う間でもない。

                                                              9.3(月)  BSプレミアム


2012年9月5日水曜日

冬の華


☆☆☆★★       降旗康男       1978年

ムショ帰りのヤクザを演じるのは高倉健。
健さん演じる「ヒデ」は、その誠実な人柄で人望がある。
しかし15年ぶりに戻ってきた組では、組長は絵画の収集
に狂っており、きな臭い抗争の気配が漂い始めている。
この機会にヤクザの世界から足を洗おうと考え始めてい
たヒデも、やがて否応なく、血で血を洗う抗争に巻き込ま
れていく…。

こう書くと普通のヤクザものと何も違わないようだが、ここ
にヒデを育ての親と信じ、「おじさん」と慕う可憐な娘(池上
季実子)をからめてくるのが脚本家・倉本聰の勝負なので
ある。

この勝負は結果的に、物語のトーンに多少の甘ったるさを
もたらしはしたが、成功だったと思う。ラスト、喫茶店でトボ
けてみせる健さんが実に実にシブかった。そうこなくちゃ!
と思わず独りテレビに快哉を叫んだものである。

あと、中華料理屋の店主を演じる小沢昭一が絶品であった。

                                                             9.2(日) BS朝日


2012年9月4日火曜日

ロッキー


☆☆☆★★     ジョン・G・アヴィルドセン    1976年

たぶんまともに観たのは初めてである。
アポロのパンチを喰らい続けるロッキーに目頭が熱くなる。
15ラウンドの死闘が終わり、走り寄ってきたエイドリアンに
かけた第一声が
「帽子は?」
全篇にわたって、こういうセリフが巧い。ロッキーとトレー
ナーのミッキーの何気ない会話も味があるし。

                                                   8.28(火)  BSプレミアム