☆☆☆★ キム・ギドク 2004年
前にも書いたが、韓国映画はけっこう好きで、ちょくちょく観る。
表現のストレートさと、猥雑な感じの画面が魅力だ、と思ってい
る。少なくともこれまで観てきた韓国映画は例外なく、その二点
を備えていた。しかし何にでも例外はつきものであって、今回観
たキム・ギドクには当てはまりそうもない。
本作は抑制の効いた表現と、キレイな画面が大きな特徴で、こ
れは日本映画と変わらんな、というのが最初の感想。
主人公は、留守と見定めた家にあがり込んで生活している、ど
こか飄々とした男。一晩だけ泊まって、散らかっている衣服を集
めて洗濯して、干して、取り込んでから家を出る、なかなか変わっ
たキャラクターである。
この男が、留守と見込んでいつもどおり鍵をピッキングで外して
入った豪邸に、明らかに家庭内暴力を受けているとみられる、
顔にあざのある女が軟禁されたような状態でいたことから、物語
が奇妙にゆがんでいき、「そっち!?」と言いたくなるような方向に
どんどん進んでいき、なんだかすごいところに着地して終わる。
この主人公と女が、一切会話を交わさないというのがミソで、二
人の微妙な感情の綾をセリフなしで表現するという、韓国映画ら
しからぬ(失礼)繊細さを発揮している。監督としての手腕はそう
とう確かなものとお見受けする。
12.06(月) 早稲田松竹
研修多杉。
返信削除いいな。
ノルウェイ観ました、感想は書きません。
おれも観たよ。
返信削除感想は書きづらいねー。緑がよかった。