2010年12月1日水曜日

ノルウェイの森

村上春樹 著       講談社文庫

インタビュー集『夢を見るために 毎朝僕は目覚めるの
です』はまだ読んでいる途中だが、急にむらむらと『ノル
ウェイの森』が読みたくてたまらなくなり、結局また全部
読んだ。もう通算で6回目か7回目か、そのぐらいだと思
う。もちろん、こんなに読み返している小説はこれだけ
である。僭越ながら自分の「帰るべき場所」という感じが
してきている。ここから訣別する日は来るのか。

何度読んでも、というか、読むたびにその度合いは増し
ている気がするが、のちの直子の運命を知っているから
こそ、冒頭の草原の場面で、直子がワタナベ君に「私の
ことをいつまでも覚えていて」とお願いするシーンは胸が
詰まる。こんなに哀しい場面を私は他の小説に知らない。


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