2013年1月27日日曜日
年始の読書
『雪』
オルハン・パムク 著 宮下遼 訳 ハヤカワepi文庫
私は「新訳」という言葉に弱く、キレイな装丁で新訳版が出ている
と、つい買ってしまう。なぜなら「新訳」というのは少なくとも二つの
ことを物語っているように私には思えるからだ。一つは、その本は
「新たに訳しなおされる」に値するほどおもしろい。もう一つは、訳
しなおされたことで、「旧訳版よりも良い訳になった」。
ネットの評判を見る限りだと、本書が「旧訳版よりも良い訳になっ
た」のは確からしい。旧訳版のひどさを嘆く声が多い。この新訳は
(私が読む限り)まっとうな日本語に置き換えられていた。
オルハン・パムク。トルコの作家で、ノーベル文学賞受賞者である
ことしか知らないで読んだ。まあおもしろくないこともないのだが、
私としては主人公の性格がいまいち好きになれず、好きになれな
いまま読み終わってしまった、という感じ。警官に殴られながらも、
「ここで口を割らなければあとでイペキ(彼女)に褒めてもらえるか
も」とか考えてる主人公である。全体的に姑息で、うじうじしている
主人公というのも変わってる。
訳者の宮下遼は、フランス文学者の宮下志朗の息子とのこと。
『本と中国と日本人と』
高島俊男 著 ちくま文庫
中国に関する本の書評集。
実は高島さんは書評がうまい。高島さんが紹介した本は無性に読み
たくなってくるのである。これが良い書評でなくてなんであろう。
『北の人名録』
倉本聰 著 新潮文庫
「北の国から」のあの名シーンはここから生まれたのか、というエピソー
ドが満載。文章もさすがに巧い。改行が多くてサクサク読める。
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そういえば、「本と中国と日本人と」は途中までしか読んでなかったっけ。パプアに送ってくれ。
返信削除お、めずらしい人だ。
返信削除アルジェリアのニュースを見るとそっちが心配になるよ。
元気に労働してるかい。
明日は我が身。
返信削除リスクの適切な対価が、賃金または休暇として支払われていない気がする。
そういえば、自分を含めて同じ部署の同期4名全員が、みな海外で労働しているよ。
シンガポール、マレーシア、パプアニューギニア、サウジアラビア。
ここが精神と時の部屋だと思って労働しとります。2月19日から一時帰国なり。
帰国ちょっと早まったんでないかい。よかったのう。
返信削除俺はその時期は帰れそうにないが…。