2013年1月22日火曜日

駅 STATION


☆☆☆★★         降旗康男         1981年

脚本は倉本聰。舞台は増毛、銭函、ほか。

意外と難解な脚本で、「1976年 すず子」といった具合に、年代と女の
名が出て章が区切られていくのだが、それぞれブツ切りの印象。どう
つながっていくのか、中盤になってもよくわからない。これは…どうなっ
て行くんだ、話は勝手に進むし、倍賞千恵子は出てこねーし、とぶつ
ぶつ言っていたら、ようやく倍賞演じる「桐子」の章が始まる。
そして初めて「桐子」の店に入る長いワンカットの、すさまじいまでの完
成度に打ちのめされることになる。このワンカットには興奮した(独りで)。

しかし観終わってからも、「桐子」の章以外は何だったんだろうという感
が否めないのだが、それでもなにか心にぐっと来る「腹持ちのいい映画」
であった。八代亜紀の「舟唄」が重要なモチーフとなっているのだが、阿
久悠の描く情念の世界と倉本脚本が、意外な親和性を示している。

終盤、もう少しスッキリ終わっていれば★もうひとつ進呈だったのだが。
惜しい。だが名作。健さんと倍賞千恵子が素晴らしい。

                                                                        1.10(木) BSプレミアム


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