☆☆☆★★★ フランシス・F・コッポラ 1974年
盗聴を生業にしている男(ジーン・ハックマン)。
広場でたわいもない会話をかわす男女から、じんわりとズーム
バックして広場の全景が見えるオープニングからもう映画に引
き込まれてしまう。
はじめは明瞭だったふたりの会話に、ときどき奇妙なノイズが
のったり、途切れて聞き取れない部分があることで、どうやら今
聞いているこの音声が、複数の地点からさまざまな技術を使っ
て収音されたものだということがわかってくる。
この冒頭の男女の盗聴が、単なる主人公の職業紹介ではなく、
最後まで効いてくるというのが巧い。
映画全体をとおして、抑制的なピアノの音楽が絶妙にクールで
ある。カッコいい。またこれがラストシーンに効いてくるのである。
巧い。
ハンサムで有能で冷酷な秘書。わたしは『羊をめぐる冒険』に出
て来る秘書を勝手に思い出した。こっちの秘書は猫の"いわし"
を預かってくれそうもないが。
8.25(木) BSプレミアム
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