「ある文民警察官の死 ~カンボジアPKO 23年目の告白~」(Nスペ)
1993年、カンボジア。タイとの国境近くの村、アンピル。
「はっきり言って危険だよ」という場所に仕事とはいえ赴かな
ければならない心境とはいかばかりか。
「文民警察官」という言葉は恥ずかしながら初めて聞いた。
「文民」とは「非武装」のことなのか。
初の海外派遣で、一挙手一投足が注目されていた自衛隊
とは対照的だった文民警察官の派遣。「あとはUNTACの
いうこと聞いて、自分の身は自分で守って、任務をしっかり
遂行してください」という感じで、ポル・ポト派の跋扈する異
国の地に放り出された、その心細さ、恐怖が、当時の日記
などから直に伝わってくる。思い出すのは『地獄の黙示録』。
番組ではカーツ大佐…はいなかったが、当時アンピルの
近くでテロ活動を行なっていたポル・ポト派の准将にインタ
ビューしていた。日本の文民警察官が殉職した襲撃事件に
ついては、「ポル・ポト派が疑われても仕方がない状況だ」
という言葉までは引き出せたが、それ以上はすべて話をは
ぐらかして何も意味のあることは言わなかったという。
満洲開拓が"国策"となり、是が非でも、何を犠牲にしてでも
「推し進めなければならないもの」に変化していく。各村から
何人出せるかがノルマとして課されたも同然で、多く村人を
差し出せばそのぶん補助金がもらえる。今も昔もやり方は
いっしょである。
集団自決で幼い子どもに手をかけ、自身は大けがを負いな
がらも生き延びた人物がインタビューに答える。その苦悩の
深さは、とても察することなどできないが…。
アップになった当時の日記や文章にも「満洲」とあるのに、
番組タイトルは「満州」の表記。「八重洲」の字なんだから、
禁じられた文字でもあるまい。なぜ「洲」を使わないのか。
「一番電車が走った」(ドラマ、2015年)
去年のドラマですが。最近、観ました。
原爆投下の3日後に一部区間で運転を再開した路面電車、
その運転手の女の子と良識ある役人の話。「あまちゃん」
もそうだが、ひとは運転再開にまつわるドラマが好きなの
だろうか。たしかに大吉さんの心意気には感動したものだ。
川で行水する黒島結菜がラストシーンとは意外であった。
ドキッとするラストだ。"エラン・ヴィタール"と呼びたい少女
の瑞々しい身体はそれ自体まさに「生」を体現している、
などと書くともっともらしいかもしれないが、要するに目が
釘付けだった。
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