2016年9月3日土曜日

盛夏のテレビ②


「ある文民警察官の死 ~カンボジアPKO 23年目の告白~(Nスペ)

1993年、カンボジア。タイとの国境近くの村、アンピル。
「はっきり言って危険だよ」という場所に仕事とはいえ赴かな
ければならない心境とはいかばかりか。

「文民警察官」という言葉は恥ずかしながら初めて聞いた。
「文民」とは「非武装」のことなのか。
初の海外派遣で、一挙手一投足が注目されていた自衛隊
とは対照的だった文民警察官の派遣。「あとはUNTACの
いうこと聞いて、自分の身は自分で守って、任務をしっかり
遂行してください」という感じで、ポル・ポト派の跋扈する異
国の地に放り出された、その心細さ、恐怖が、当時の日記
などから直に伝わってくる。思い出すのは『地獄の黙示録』。
番組ではカーツ大佐…はいなかったが、当時アンピルの
近くでテロ活動を行なっていたポル・ポト派の准将にインタ
ビューしていた。日本の文民警察官が殉職した襲撃事件に
ついては、「ポル・ポト派が疑われても仕方がない状況だ」
という言葉までは引き出せたが、それ以上はすべて話をは
ぐらかして何も意味のあることは言わなかったという。


「村人は満州へ送られた ~“国策”71年目の真実~(Nスペ)

満洲開拓が"国策"となり、是が非でも、何を犠牲にしてでも
「推し進めなければならないもの」に変化していく。各村から
何人出せるかがノルマとして課されたも同然で、多く村人を
差し出せばそのぶん補助金がもらえる。今も昔もやり方は
いっしょである。

集団自決で幼い子どもに手をかけ、自身は大けがを負いな
がらも生き延びた人物がインタビューに答える。その苦悩の
深さは、とても察することなどできないが…。

アップになった当時の日記や文章にも「満洲」とあるのに、
番組タイトルは「満州」の表記。「八重洲」の字なんだから、
禁じられた文字でもあるまい。なぜ「洲」を使わないのか。


「一番電車が走った」(ドラマ、2015年)

去年のドラマですが。最近、観ました。

原爆投下の3日後に一部区間で運転を再開した路面電車、
その運転手の女の子と良識ある役人の話。「あまちゃん」
もそうだが、ひとは運転再開にまつわるドラマが好きなの
だろうか。たしかに大吉さんの心意気には感動したものだ。

川で行水する黒島結菜がラストシーンとは意外であった。
ドキッとするラストだ。"エラン・ヴィタール"と呼びたい少女
の瑞々しい身体はそれ自体まさに「生」を体現している、
などと書くともっともらしいかもしれないが、要するに目が
釘付けだった。




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