2017年3月6日月曜日

読書④


『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編
『騎士団長殺し 第2部 移ろうメタファー編
村上春樹 著   新潮社

ちょうど休めない仕事が金、土とあり、月曜からまた仕事
だったので、ほんとうは日曜の1日で読んでしまうつもり
だった。それなのに、読んでも読んでも終わらない。その
日(つまり2/26だが)朝の8時半から深夜2時半まで、リ
ポビタンDを飲みながらほとんどぶっ続けで読んだが、そ
れでもまるで読み終わらなかった。
単純に会話が少なく、地の文が多いというのもあるだろう。
そして『1Q84』からだが、文章の「密度」とでもいうべき
ものが凄まじい域に達している。日本でいちばん文章の巧い
作家が、さらに自分の文体を磨きあげていくさまを目撃でき
るのは幸せなことだ。

RPGのテレビゲームみたいだという往年の批判もなんのその、
今回もアイテムとダンジョンとモンスターがわんさか登場し、
主人公「私」(名前は与えられていない)は持ち合わせの知
恵と勇気とウィットで冒険をクリアし、現実世界(?)に帰
還する。今回は珍しいことに、開始早々に主人公の現在の
(つまり「帰還」後の)状況が明かされるので、バッドエン
ドが待っていないことはあらかじめわかっている構成になっ
ている。そして主人公の住む家は数年前にArneという雑誌で
見た春樹の大磯の家を想起せずにはおかない。海よりも山が
見える…。

第3部はあるのだろうか。第2部の巻末には<第2部終わり>
としか書かれていない。数日来、そのことが気になって仕
方ない。仕事が手につかない…というほどでもないが。
免色という人物について、第3部でもっと多くのことが明ら
かになってもいいような気もする。



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