2022年8月15日月曜日

読書⑥


『ショットとは何か』
蓮實重彥 著   講談社

映画において題名のとおり「ショットとは何
か」ということを、新旧問わず、洋の東西問
わず、膨大な「映画の記憶」を参照しながら
考察していく。

『見るレッスン』と内容的にカブる部分もあ
るが、まあ出てくる知らない映画の多さよ。
そしてそもそもの始めから、蓮實氏の映画の
見方が普通じゃないことが垣間見えるエピソ
ードが印象的。
『リオ・グランデの砦』(1950)でジョン・
ウェインがマッチを擦ってランプを灯すと暗
闇にいたモーリン・オハラが現れる場面を目
にして、中学生の頃に観た『わが谷は緑なり
き』(1941)の類似したショットと「同じこ
とをやっている!」と思った、というのだか
ら、もう最初から映画を「ショットの連鎖」
に還元して見る習慣が自然とあったというこ
とである。ちなみに私は公開年が9年離れた
この2本のジョン・フォードの映画を、来た
る『ジョン・フォード論』の予習のために
半年ほどの間しか空けずに観たのであるが、
「言われれば、そんな場面があったかなー」
程度の記憶である。













『緑の歌』
高 妍 作    ビームコミックス

『猫を棄てる』の挿絵を描いた台湾の女の子
の作品。村上春樹と細野晴臣への愛があふれ
たマンガで、なんだか自分の学生時代を読ん
でいるようでこそばゆい感じもある。そして
「プラトニック」という辞書の項目に載せた
いほどの素朴な純愛ストーリーに、忘れかけ
ていた何かを図らずも思い出しそうになる。
友人と行った細野さんの50周年コンサート
(@国際フォーラム)初日がマンガに描かれ
ていて驚き。


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