2022年8月27日土曜日

読書⑦

 
『ギフテッド』
鈴木涼美 著     文藝春秋

いつか小説は書くのだろうと思ってはいた
が、初の小説で芥川賞候補とは驚いた。
落選はしたが、スタートとしては上々なの
では。

新宿に暮らす水商売の女。身体には刺青が
いくつも彫られており、そのうちの1つは
かつて母に肌を焼かれた跡をうまくごまか
すためのもの。その母が死期を前にして、
ひとり住まいの娘の部屋に滞在するところ
から物語は始まる。

センセーショナルな表現を期待して読むと、
抑制のきいた「体温の低い」文章を意外に
思うもしれない。エッセイの過剰なまでの
饒舌さとはまったく味わいの違う文章で、
こちらはこちらで好ましく感じた。














『はじめての おうちモンテッソーリ』
北川真理子 著     KADOKAWA

イタリアのマリア・モンテッソーリ博士に
よって提唱されたモンテッソーリ教育は、
子どもには元来、みずから発達・成長して
いく力が備わっているので、それを阻害す
ることなく、なるべく自分で力を伸ばして
いけるように環境を整えるというもので、
全国に実践園があり、そこには専門の教育
者と独自の教具がある。
でも、基本的な考え方を知れば、おうちで
もできることがありますよ、というのがこ
の本の要旨である。例えば、子どもは物を
落として割ってしまったりこぼしてしまっ
たりすることで学び、次から落とさないよ
うにしようと考えるものであるので、最初
からストローマグではなくガラスのコップ
を使いましょう、とか。
なかなか興味深い指摘も多いのだが、当然
ながら家庭で実践できるものとできないも
のがある。まあ精神性を知るだけでもおも
しろい。





0 件のコメント:

コメントを投稿