2010年11月4日木曜日

ハート・ロッカー

☆☆☆★★       キャスリン・ビグロー    2010年

「オーケストラ!」と続けて観ると、冒頭のほんの数分でこれが「別
次元」の映画であることを思い知らされることになった。画面の情
報量と密度がまったく違う。私は瞬く間に緊密な「砂漠の戦争」に
没頭させられ……たかったのだが、いかんせん画面が揺れに揺
れる。ハンディカメラのブレブレ映像で臨場感を出したいのは分か
るが…。揺れまくり、カットを切り返しまくった挙句に、ちょいちょい
インサート映像まであり、「爆弾処理をベランダから見つめる現地
の住民」だの「びっこの猫」だのが1秒ずつぐらい挟まれる。しかも
その画面も揺れる。むしろそっちの方が揺れが激しい。
はい、そうです。すっかり酔って気持ち悪かったです。私は「揺れ」
に弱いのです(宣言)。「A」も「A2」(森達也 監督)も「マラドーナ」
(E.クストリッツァ 監督)も、漏れなく気分が悪くなりました。

しかしそれでも、この映画は面白かった。ときどき目を閉じて休憩
しながらの鑑賞でもじゅうぶん戦場のひりひりする感じは伝わって
きたので、あなたがずっと目を開けていられるなら、もっと面白い…
かもしれない。ドキュメンタリー風の劇映画というのは、いかに「あ
ざとい」「都合がいい」と思わせないかが勝負だろうが、その辺は
かなり巧かったと思う。いかにも「アメリカ映画」している箇所も散
見されて、そういうのはもう飽きたなあ、とは思ったが。

                                    10.23(土)  ワーナーマイカルシネマズ釧路


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