2011年12月10日土曜日

ワイルド・アット・ハート


☆☆☆★       デヴィッド・リンチ    1990年

『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のときに、今まで男女の逃避行
モノがおもしろかったためしが無いと書いたと思うが、この『ワイ
ルド・アット・ハート』も、リンチ流の逃避行モノなのである。道中
で人殺しこそしないが、まあボニーとクライドのような感じで、お互
いへの愛だけでどこまでもハイウェイを突っ走る。その走りっぷり
は良しとしよう。ハイウェイを爆走している間は、少なくとも映画は
活き活きと動いていた。ただ、ワクワクするのも最初から中盤にか
けてで、結局はやっぱりノレなかった。男女の逃避行モノは、あい
かわらず鬼門である。

もともと、たけしが『仁義なき映画論』でやたらめったらホメるので、
気になって借りてきたのだった。たけしはこの映画のリンチを「劇
画のセンス」と言い、タバコに火をつける執拗なカットの連続を「マ
ンガのコマ割りの感覚」と喝破する。ただ、本作に関してはそうかも
しれないが、本作はリンチの作品群の中ではかなり異質だと思う。

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2 件のコメント:

  1. 男女の逃避行もの→「気狂いピエロ」は違うか。。

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  2. あーそうかもね。
    『ゴダールと女たち』読んだとき、
    ラストシーン以外覚えてないことに
    気付いたので、もう一回観てみるわ。

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