2012年2月14日火曜日

最近かたづいた本⑦


『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢
町山智浩 著   文春文庫

このひとのコラム、けっこう好きである。
文春に書き始めたのは、一昨年だっただろうか。それ以前か
らブログはちょくちょく読んでいたが、町山さんの書くものをちゃ
んと読み始めたのは文春のコラムが最初である。

このひとは、サンフランシスコの橋を渡った向こう、バークレー
に住んでいる。子どももいて、現地の学校に元気に通っている
らしい。町山氏は映画評論家であり、現地で映画を観まくって、
日本で未公開だけどおもしろい映画を紹介したり、日本で公開
が実現するよう配給会社にかけあったりしている。また、「今の
アメリカ」そのものの評論家でもあり、アメリカの「アメリカ性」が
よく出ている事件なんかを、日本でいうスポーツ紙の三面記事
からひろって皮肉たっぷりに紹介したりしている。文春のコラム
とか本書は、こっちですな。

この本は週刊現代の連載をまとめたもの。ひとつひとつは、読
んでいて決して愉快なばかりではないのだけれど、アメリカとい
う国の滑稽さを、ちょっと顔をひきつらせながら笑いのめす感じ
で、まあ、なかなか他では得がたいおもしろさといえるだろう。
町山氏のコラムから見えるアメリカは、非常にグロテスクである。









『再会と別離』
四方田犬彦 石井睦美  著   新潮社

いまどき珍しい「往復書簡」。
装丁の感じから、これは四方田犬彦の「アタリ」のほうに違いない
と判断して読んでみた。なにせ当たりはずれの多いひとだからね。
果たしてこれは「なかなかの当たり」だった。「なかなかの」を付け
たところを汲んでいただければありがたいが、おおざっぱに言って
前半がおもしろい。特に若き編集者だった石井さんと、ある老作家
とのつきあいが、とても繊細な文章でつづられる章は白眉である。
後半は、ちょっと話が個人的になりすぎて、きつい。
お読みになれば誰しも、思わぬ固有名詞が思わぬところから飛び
出してくるおもしろさが味わえるかと。









『期間限定の思想 「おじさん」的思考2
内田樹 著   角川文庫

あまりにも読み易いんで、ついつい読んじゃうんすよねー。
ナラティブの勝利。
次は『日本辺境論』読む予定。




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